第八十話拓己編「今日から貴方が・・?」
こんばんわ。
那祢です。
飛竜戦後の連れていかれた話です。
濃いピンクの飛竜は何者か?
果たして敵か味方か!?
またあとがきで!
『あ、やまだ。』
山田?
いえ、山です。
森を抜けたところに大きな山があった。
そこは別クエストの地域になるギリギリの場所のようだ。
険しい山が連なる部分にあれがあった。
そう、巣だ。
捕まれたまま巣に連れて行かれるようだ。
うーん。
・・・・
・・・
・・
・
素直に分析している暇はない!
俺は一緒にゲームをしている二人にメッセージを送る。
一分後
・・・・・帰ってこない。
あれ?
あえて遠くに連れていかれたと思ってグループからギルドメッセージにしたのだが?
ギルドメッセージは今ゲームをしているギルド仲間全体に送られる。
なので誰かしらチャットがくるはず・・・・
そう思っていたのだが。
ー バサッーバサッーバサッー!! ー
巣が目の前にある。
どうやら着いてしまったようだ。
桃色・・・濃いピンク色の飛竜は巣につくと
ー フサァ・・・・ ー
俺は飛竜にそっと巣に落とされた。
俺を落とした濃いピンク飛竜、コピン飛竜は俺の近くに降りる。
そしてゆっくり俺に寄ってきた。
ー じー・・・・ ー
そして俺の顔を見る。
な、何がしたいのか!?
「ぎゃん?ギャオー?」
なにかしゃべってきたが・・・・・
解らない!
俺はモンスターと会話したことなんて無い!
「はい/いいえ」
えっ?
選択が出てきたが・・・
『俺はモンスター語なんて知らないよ!』
つい横降りの突っ込みをいれてしまう。
『痛っ!!!せ、先輩!』
『あっ!ごめん!』
リアルで近くにいたトガリこと芦川に当たってしまった。
VRのギアがはずせないので芦川のいる方にすぐ謝る。
すると・・・
『大丈夫です。先輩こそ飛竜に連れて行かれて今何処ですか?』
『今、山の天辺の飛竜の巣についた。』
『えっ?!』
『大丈夫。餌になっていないから。』
そうか!
チャットが繋がらなければ直で伝えればいいんだ。
そう思い現状を話そうとした時だった。
「グォォォォー!」
画面がいきなり揺れ始める。
目の前のコピン飛竜が大きな雄叫びをあげたようだ。
ー ブォオォォォ! ー
その上、コピン飛竜が炎に包まれ始めたのだ。
俺は何をしたいのかわからないのでただ呆然と眺めるしかなかった。
炎は飛竜のすべてを包み込む。
ー まさか・・・自殺? ー
そんなわけがない。
なら何故つれてきたのだ?
燃え盛る炎をただただ眺めるしかなかった。
その時だった!
ー ヒュン! ー
目の前にあった炎が横一線で薙ぐ。
すると燃え盛る炎が一瞬で消えた。
そしてコピン飛竜の代わりにそこに女性がいたのだ。
服装はボロボロの布切れで大事なところは隠れている。
それ以外は肌がみえているのだが。
所々鱗アーマー装備がみえている。
「んっ?」
あれ?
そう思っていると鱗アーマーでおかしい所がある。
今、お尻から出ている動いているものだ。
それは鎧とかではなく体についている。
まさしく・・・
「尻尾?」
「尻尾が珍しいか?」
何故かチャットに打ち込んでいた文に返事が帰ってくる。
驚きを隠せない!
返事が帰ってきた。
彼女はNPCではなくプレイヤーなのか?
「はい。人種や亜人種には無いですから。」
「ふん。当たり前だ。竜種だからな。」
「竜種?」
そんな種族、聞いたことがない。
新たなる種族なのか?
「話が変わるが先程の質問だが?」
「質問?」
「そうだ。」
いきなり話を変えられた。
質問・・・・
質問って?
考えてみる。
質問されたのって・・・・
「ぎゃん?ギャオー?」
と飛竜にしか言われていない。
飛竜・・・・・
飛竜?!
俺は気がついた。
ピンクの鱗アーマーをしているこの女性。
もしや・・・・
「つかぬことお聞きしますがもしや先程の飛竜さま?」
「ん?何をおかしなことを言っている?」
そうだよな。
そんなわけ・・・・・
「そうだ。お前をここまで連れてきた飛竜だが?」
なんと!
やはり飛竜でしたか!
だが何故NPCの飛竜が喋れるのか?
また考え込んでいると
「早く先程の答えを聞きたいのだが?」
と聞いてきた。
「答え?」
「そう、先程から聞いている。」
聞いてきたことは「ぎゃん?ギャオー?」しかないが?
もう一度聞くか。
「もう一度お願いします。」
「ふぅ。何回言わせるのだ。私が聞いたのは・・・・」
「聞いたのは?」
「なあ?黒い飛竜を一人で倒したのか?と聞いたのだが。」
う、やはりそうか。
彼女は敵討ちしにきたのだ。
本当の事を言っても死亡。
嘘をついてもばれて死亡。
・・・・・・
悩んだ俺は
「はい。罠を仕掛けて一人で倒しました。」
そう飛竜に伝えることにした。
すると飛竜は俺に近づいてきて俺に
ー ギュッ! ー
抱きついてきた。
そして・・・
「ならばお前が今日から私の旦那だ!」
笑顔で頬に口づけされたのであった。
何故か感情のあるNPC。
彼女は何者か!
次回・・・・は休ませていただきます。
よろしくお願いします。
那祢でした。