第七十三話拓己編「愛がヘビー級」
こんばんわ。
いつも更新が遅い那祢です。
今回は飲み会の後の話。
さて待ち受けるのは?
またあとがきで!
ー 誰だ? ー
俺の家前に誰かがいる。
目を凝らしてみてみるが・・・・
明かりが逆光で見えない。
俺は階段を登り自宅前まで近づくと・・・
待っていたのは・・・・未歩だった。
「お前、何してるの?」
そう問いかける俺に
「・・・・・・・」
彼女は無言で俺を見つめる。
「なあ、どうした?なんかあった?」
もう一度問いかける俺に彼女は無言で立ち上がった。
そして扉前から立ち上がり
ー ぎゅーーー! ー
いきなり抱きついてきた!
「なっ!お前、まてって!」
隣の家の扉が開く。
隣のおばちゃんが出てきた!
この光景はヤバい!
そう思った瞬間!
「あら、帰ってきたの?彼女さんずっと待っていたのよ?」
えっ?
彼女さん?
そう伝えられると左手に柔らかな感覚がする!
未歩がしっかり俺の腕に組んできたのだ。
「さぁ、入ろっ?」
上目遣いで見てくる未歩。
ほほえましく見ている隣のおばちゃん。
おばちゃんが見ている中、部屋にいれることに拒否はできなかった。
「失礼します。」
「あ、はい・・・。」
入る未歩に家にあげる俺。
そして俺の部屋、VRルームにつく。
すると絨毯に座る未歩。
おしりが冷たかったのか手でさすっている。
あ、見てることに気がついた!
「・・・・・えっち。」
「ち、ちがうっ!おしり見てたわけじゃなくて・・・・」
「やっぱおしり見てたんだー。」
うぐっ。
ばれてしまったなら仕方ない。
見ていましたよ。
おしりを擦るのを。
照れながら喜んでいる未歩に少し苛立ちを感じる。
ならば仕返ししてやる。
もう、見てやらない!
俺は意地になった!
「・・・」
「怒っちゃいましたか?おしり見てもいいですよ?」
「・・・・・・・・」
「ねぇ、拓巳さん?」
今、話しかけたらまたバカにされる。
そう思ったら黙ること一番。
顔も背きながらただひたすら黙る。
「ねぇ?ねぇ??」
服の裾りを引っ張る。
ゆらゆらするが我慢する。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
おっ?
向こうも黙った。
そろそろ見てやるか。
ー ぐいっ! ー
ん?
服の裾を強く引っ張られる。
反応しないからか?
ならもう少し無視するか?
少し好奇心が出てきた。
そう考えたときだった。
「・・・・・ひっ・・・ぐっ・・・・えぐっ・・・・・う・・・・」
こ・・・
これはまさか・・・
未歩のいる方からすすり泣く声。
俺はすぐに振り返った!
そこには・・・
泣いている未歩がいた。
「ど、ど、どうした?」
「う・・・・うわぁぁん!」
声をかけると未歩は大泣きしてしまった。
あせる俺!
やばっ!
これはこの状態は・・・・!
ー ピーンポーン! ー
チャイムが鳴る。
俺はすかさず玄関に向かう。
扉を開けるとそこには・・・・
おばちゃんがいた。
「ねぇ、高根拓巳さん?」
鋭く迫るおばちゃんの顔。
再びあせる!
「あんたねー。彼女、夜の九時からずっと部屋の前にいたのよ!まあ、寒いからあたしの部屋に上がってもらったけど。そんな大学生のお嬢さんを彼女にしながらどこほっつき歩いていたの!酒臭いから友人と飲み歩いてたんだろう?」
「あ、未歩はかのじょ・・・・」
「おばちゃんの話を聞きなさい!」
一喝される俺は・・・・・
「・・・・・・・・・・」
黙るしかなかった。
「少しは彼女さんをしっかり見なさい!別れ話をするならそれからにしなっ!!!」
「・・・・・・・」
「返事がない!」
えっ!
黙れっていったのに?
睨み付けるおばちゃん。
「は、はい。」
その威圧に素直に従うしかなかった。
まあたまにシチューくれるし、カレーもくれた。
「約束だよ!じゃあ帰るね。」
ー ギィー・・・・バタン! ー
扉がしまった。
未歩の方に振り返る俺。
涙を潤わせてこちらを見てる。
「・・・・ごめんなさい。」
謝る未歩に俺は
「ふぅ・・・・何があった?」
ため息を吐きながら事情を聞くことにした。
「拓巳さん、ひっく・・・ゲームこないから・・・ひっく。」
「今日は少し飲みに行って遅れただけだよ。」
「ならなんで芦川さんとなの?」
・・・・・・・・・なんて?
なんで知ってるの?
俺は盗聴機がないかキョロキョロワサワサ服や部屋を確認した。
「何をキョロキョロしてるんですか?」
「いやー、なんで知ってるのかと・・・・飲みこと。」
「・・やっぱり。あのメールはやっぱり本当でした。」
あのメール?
気になったので聞く。
「メールって誰?」
「誰って塩崎さんですよ?」
「優午?なんでアイツが知ってるの?」
「用事が終わったとき向かいの道を二人で歩いていたってきまして。」
あ、アイツめー!
余計なことを吹き込んで!
未歩ちゃん、泣いちゃったじゃないか!
少し怒る俺に未歩は・・・・
「でも、ゲーム内で二人がいないからって言うのもあります。」
うっ!
さすが、女の勘!
なにも言わないでお酒飲みに行きインしなかった俺の責任でもある。
そして、部屋前で待っていてくれた。
・・・・・・・・
愛が重いのよー!
癖が強いっ!
「じゃあ、今からインするから。まず、未歩を家まで送るね。」
俺は未歩を家まで送ることにした。
したのだが・・・・
「あっ、大丈夫です。」
手を前において静止される。
自信満々で嬉しそうな笑顔だ。
背中を向く。
あっ!
リュックを背負っている。
未歩はリュックを下ろすと袋を開ける。
ー ジャーン! ー
中にはノートパソコンが入ってた。
「・・・・・・・」
「どうしましたか?」
「もしや未歩ちゃん?」
冷や汗が出る。
もしやこれは・・・・・
「はいっ!お泊まりで遊びたいです!」
未歩の笑顔。
彼女の笑顔が俺には小悪魔の微笑みに見える。
そして寝れない夜が再び訪れるのであった。
未歩ちゃんがどんどん迫ります。
彼女の拠り所が無くなる焦り。
そうなると彼女の行動が次第と大きくなっていく。
拓巳をめぐる五角関係は?
決着をつけるのは誰?
すみませんがゴールデンウィークはお休みさせてもらいます。
遊びには行きません。
小売店の仕事が忙しいからですよ!
ではまたお願いします。
那祢でした!