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Unusual Life  作者: ネコテン厨
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日常終了のお知らせ

朝、目が覚める。

いつものように起きてリビングへと向かおうとした。

何か体に違和感を感じる、何だこれ、

体動かねぇ。そこで今朝見た夢の事を思い出した。嫌な予感がしたので、唯一動かせる顔を動かし、電子時計を見た。

2049年 2月 26日 7 : 32


「や、やっぱり。どうなってんだ?」


もう一回寝るか、全ては気のせいだ、


最近玄関の近くにいた白いワンピースの女の子も、幽霊なんかじゃなくてただの家なき子だ。クラスの僕よりブサイクな男子が可愛い女の子と手を繋ぎカフェに入っていったのも、気のせい。


そう、全ては気のせいだ。さぁ寝よう、寝て忘れるんだ。

「お休み理不尽な世界、ソロでも寂しくないよね」

そうして僕は、現実から逃げたのであった。


〜 2ヶ月前 〜


2048年 12月 25日


日本の何処かには居るはずだ、クリスマスをエンジョイ出来ない寂しい者共が。僕?

僕は、PCのフルセットがあれば一瞬でリア充になれる逸材だ。ふっ、モテる男は辛いな



そんな独り言を言っている僕に、妹の汚物を見るような視線が突き刺さる。

キモイ男ほど辛いものは無かった。

クリスマス特に何もしなかった、というか勉強してた僕にとってはクリスマスなんてどうだっていい、

こんな家族にも歓迎されない寂しい男子である僕は死にそうなほどに・・・暇です。


その理由はと言いますと、クリスマスの予定がない中学二年の冬休み初日、冬休みが始まった事に調子に乗って宿題の半分を終わらせた。

続いて2日目クリスマスイブ、残り半分を終わらせる。

そしてクリスマス当日である今日、物凄く暇である。

来年から受験だし、勉強はしておいた方が良いんだろうけど、宿題が無ければやる気も出ない。


「いやぁ、らしくない事をしてしまった 」


まぁ言いたい事はわかる。そんなに暇なら

遊べばいいじゃないかと。

別に家から出たくない訳ではない、ギャルゲ・・・女の子と接する時のためのシュミレーターも尽きてしまった。 かといって 友達がいないって事でもない。まぁその友達も学校で話をするくらいだ。下らない冗談を言い合い、馬鹿みたいにゲラゲラ笑う、ただそれだけ。


どっからどこまでが友達かなんて僕は知

らないから、もしかしたら友達じゃないの

かもしれないけれど、ここは友達がいる設

定にしておこう。なんか悲しくなってきた

ぞ。ちくしょう、すごい嫌な気持ちになっ

ちまったじゃねぇか。

そんな訳でとにかく、

「暇だ。」



勉強しようと思いシャーペンを用意したが、全てのシャーペンの芯が無かった。

なのでコンビニに行く事にした。玄関に行き、靴を履く。

「ちょっと行ってくるわ〜」

こういった僕の言葉には決まって、

「帰ってこなくていいよー」

という舌打ちと横四方固めでもしたくなるような冷めきった言葉が返ってくるのです

別に出来ないけど。もしできてもやった瞬間カウンターされて殺される。ぶっちゃけ妹の方が強いし、

「チッ、」

やべっ、しちゃった。

「チッ、死ね、」 それも返ってきたか、しかも殺意をこめて、

これ以上は何も言わない方がいいな、


さて、この冷めたお方が誰かといいます

と、僕の義理の妹の

「並木聖花」(なみき しょうか)。

そしてこのツンデレなのにデレが全然ない

義妹の兄が僕、

「並木拓真」(なみき たくま)です

僕達は3人暮らしで、今はいないがこの家の主である人

「並木凛火」 (なみき りんか)さん。

この3人で暮らしている。

凛火さんは僕と聖花の義理の母だ。すごく優しい人だが僕と妹の事は全て知っていると言っていいほど知っていて、行動が読まれるので結構怖い。どうして僕達兄妹が彼女の所にいるかは後で話そう。


聖花は何故だか僕に懐かない。

最近なんて、


「拓真のとは別に洗濯して下さいって

言ってるじゃないですか!次からは止

めて下さい!」


と凛火さんに言っていた。一つしか年が

離れていないのにまるで僕の娘のような言

い方である。全然ショックではないが。 自ら命を絶とうと縄に首をとおしていると、 凛火さんが僕の気持ちを分かったかのように言ってくれた。

のであったらよかったのだが、


「聖花ちゃん、敬語は止めてって言

ってるでしょう、もっとフレンドリー

にしましょうー、ね?」


僕のこと全然気にしてねぇ!イジメか、

フレンドリーって、普通の母親にもしませんよ。


こんな感じで兄妹の仲は全然良くない。


時は現在というか玄関に戻り、僕はドア

を開け外に出た。


最近、気になる事がニュースで報道されていた。

変なメールが日本やアメリカ、ロシアな

どの政府機関に届いたらしい。その内容

は、

「我々は星からの使者である、

我々はそちらの西暦で、2048年

12月 25日に地球へと向かう、

それまでに迎える準備をせよ、

出来なければ、都市に向かい兵器

を使う。これは警告ではない、

命令だ。」


このような内容だ、信じる人間はいない

だろう。しかし無視もできない、なぜなら

テロの予告も同時にされていたからだ。クリスマスになんて事を予告してんだか。

カップルに何か恨みでもあるのか、

各都市では結構ピリピリムードが続いている。

でも、そんな事は僕には関係ない、

何処に攻撃を仕掛けるとは言っていないが、こんな何も無い街は襲わないだろう。都市といえば都市だが、ここは無いな。日本の警察ガンバレ、(適当)





僕には凄い所がある。突然なので空気なん

て物は読んでいないが、ここで教えておこ

う。僕の凄い所は全てが平均な事である。

が、しかし稀にブレる事があり平均ではな

くなるので、存在感がほぼ皆無、影が薄い

凄い所というかコンプレックスみたいにな

ってしまったが、一応凄い所だ。


あなたのクラスにはいませんか?

休み時間寝たふりをし、団体でいる時は完

全モブキャラ、女子と会話をすると目が泳

ぐ、という冴えない男子。それが僕です。

こんな人間はありがちでつまらないかもし

れないが、僕は僕なりに生きている。


しかしなぁ、コンビニに行くにしても自転

車で15分の距離の所が一番近いというのだ

から、とても疲れる。あーあMP消費していいからル◯ラとか使えねぇかな。

そして、自転車を漕ぎながら残りの冬休みをどう過ごすか考えていた。その時、周りに違和感を感じた。


自分以外の人が皆、上を見上げていた。

上を見ようとした時ひとごみの中に凛火さ

んを見つけた。今は昼の時間で、凛火さん

はお昼を買いに来ていたようだった。


「凛火さーーーん!!!」


手を振りながら声を出してみた、しかし

こちらに気付いた様子はない。

自転車を降り、凛火さんに声をかけよう

とした、その時だった。

「おい!なんか降ってきてるぞ!!」

「何なのあれ!?」

2人の男女の声を聞き、上を見た。見てし

まった。上からは落ちてきていた。それが

何かはわからないが、僕と同じくらいの大

きさでマルイ何かが。

次の瞬間、僕を中心とした、範囲1キロが

消えた、何も残さず。




そしてここで、僕の平凡な日常は、終了を迎えた。





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