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どうして、どうして?

「どうして、私が気にいるとお思いに?」

 私がエリアルさまに訪ねると、思いの外嬉しそうな笑顔で、答えられた。

「それは、『つなぐ』ことが役割だからですよ。つないで生み出すこと。」


「つなぐ?生み出す?」

 私の持っている皇后のイメージは、お付きの人に何もかもを制御されたお人形。毎日城内サロンで、退屈暮らし。でも、しきたりがいっぱいで。これは、ニッポンでミュージカルの見過ぎか。


「グレイトドラゴンは、SSを超えたクラスだと精霊王女さま方は言いました。このクラスでは、グレイトドラゴンを神格化したり、恩恵を与えて貰うのを待つ様な関係ではありません。勇者さまと、そのパートナーさまの役割は『グレイトドラゴンさまの仲間』つまり同等なんですね。」

「グレイトドラゴンさまと同等!?」

「で、恩恵の影響範囲は、この世界全て。ですので、この世界全体に恩恵をもたらすお立場として、皇帝の座を用意しました。気づいておられましたか、謁見の間に集っていた王族の方々は、53ヶ国全ての国が揃っていたことを。ルナさまの育成期間中、我が国の国王は全ての国に使者を送り、グレイトドラゴンさまの出現を知らせ、帝国の建国について協議を重ねられたのです。そして全ての国が、自国の上に帝国を戴くことに賛同しました。ただ、帝国は、全世界の政治を行うような役割ではありません。各国の自治制は保ったまま各地の良い所同士をピックアップして新しいものを生み出して行く役割なのですよ。」


 その役割を確認するために聞いてみた。

「例えば、ミュージカル?我が国最高の踊り子さまと、隣国最高のオーケストラ、そして出会うはずも無い程遠くの国の育った文化も異なる演出家、作曲家。今まで見たことのない世界が表現されるかもしれないわ!」


 エリアルさま、海辺の街でサトゥーさまと話してた時のような満面の笑みだ。

「そうです!閉じこもっていたら絶対に得られない何かを組み合わせると、何が起こるかわからない。そのことによって、世界全体を豊かにし、前向きな気持ちを持つことで人の心も豊かにする。それが、グレイトドラゴンさまと勇者さま夫妻の役割なのです。」


「素敵。」

 うっとりと聞いてしまう。

「そして、帝国を作ったのは自国の利益のみにとらわれない発想で、惜しみなく人的、物的資源を出し合える環境作りと、今まで1国あたり対数カ国しか開かれていなかった国交の全ての国々への拡大を実現するためなのです。かっこ」


「え、じゃあ自由に行き来できるの?世界中を」


「そうなりますね。グレイスさまに乗っての超高速移動も可能です。その際、広く深い知識役割調査が必要になることもあるでしょう。そのために私は、我が国の宰相ではなく、帝国の宰相となってご支援申し上げることとなったのです。セオロナさまのご指名で。」


 エリアルさま・・・詰め寄ったりして心の底からすみません。私、わたしがんばりますわあああああ。




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