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公爵邸に帰ってみれば

 飛行訓練初日は順調で、明日以降は手綱もなしで、何日か自由に乗ってみようということになり、今日の訓練は終えて、公爵邸に帰ってみた。


 その夜、私の育成訓練は2ヶ月で一旦の合格となったのか夕食時間にはセオロナさまも同席されることとなった。お母さんまで一緒だ。


「瑠奈さん、ご相談があるのだけれど。」

 自然にテーブルマナーも実践できるようになった私に公爵夫人が語りかける。

「今月末には王都に出立することになるのだけれど、出立前、この公爵領にある神殿でセオロナと結婚式をあげられないかしら?」


 え、婚約期間の間数日しかあっていないのに?短いっと思いつつ、訳を聞く。

「王都に帰ると、勇者一行は大変なもてなしを受けるし、いくつもの帰還の儀式を受けるわ。その時に、瑠奈さんにはセオロナの妻という盤石な地位についていてほしいの。」

「はあ・・・。」

 よくわからない理由ながら納得しようとしたところ、エリアル様がほんとの理由を話しだす。


「セオロナは勇者となる前から王都だと女性の嬌声を浴び続ける人気だ。」

「モテモテってことね。」

 お母さんがそのまんまの表現でフォローする。

「そんなセオロナが結婚するとなれば、どんな嫉妬を受けるかわからない。いくらグレイトドラゴンさまが認められた人といえ、女性達の中には理性より感情で動く人もいる。無事に結婚式までたどりつけるかどうか・・・。」

 と、エリアル様が続けた後、公爵夫人がそ例外にも捕捉する。

「それになんといっても、花嫁の親族であるお母さまに、しっとりとしたいいお式を見せたいわ。お披露目会は盛大でもいいのよ、王都での儀式の後に。でもお式だけは、セオロナがお母さまから瑠奈さんをお預かりする大切な場よ。公爵領の誇る神聖な教会で最高のものを執り行いたいわ。」

「なるほど、安全な公爵領にいる内にいいお式を挙げた方がいいということですね。」

 私がうなづいていると。


 ブルートさまがポツリ。

「そして何より、この帰還の儀式の中に僕とライユの結婚式も入っているしな。結婚式が連続すれば、否応なしに、花嫁同士が比較されたり・・・。相性とか地位とかそういう問題じゃなく、花嫁の話題って美しさだったりして・・・しまうしね。」


 本音そこー!?

 たしかにどんなラフな服装をしていても、勇者さまを超えてしまうかもしれない美しさを誇るライユさま。8頭身を優に超えるスラリとした全身にどの角度から見ても美しいお顔立ち。

 この世界一の技術を持つ人にお化粧・ヘアアレンジをしてもらい、どんなに豪奢な婚礼衣装をまとっても確かに『元が良い人』に勝てる技はありません。

 そして確かに、結婚式って複数あると、参列者は残酷にもつい比較してしまうものだよね。花嫁同士の美しさ。くうううううううううっ。ある意味ご配慮ありがとうございます。

 

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