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魔法馬車(改)とは?

 セオロナさま、グレイスとともに工房の街に向かう。魔法馬車で何日も移動していたのがうそのようにグレイスでの移動は早い。

 大陸間移動もすいすいできそうなその勢いは素晴らしいが、領地・国境を勝手に超えるのはもしかするとなんらかの問題があるかもしれない。そこは慎重に行こうと思い直す。


 工房の街に降り立って、いったんグレイスには郊外で待っていてもらい、ある工房へと入った。

「魔法馬車を改装したんだ。」

 そう言って、じゃあああああん!とばかりにセオロナさまが魔法馬車を指し示す。


「はい?」

 見たところ、外側も、円形のテーブルを囲む素敵なリビング席もなにも変わっていない。

「まあ、乗って。乗って。」

 と、魔法馬車でグレイスの待つ街の郊外に向かう。2ヶ月ぶりに味わう魔法馬車の乗り心地に、公爵邸に向かうまでの、短いながらもドキドキした冒険と恋心を思いだす。いい旅だったな。


 ん?とその頃を思いだしてみれば、若干、座面が高くなったような。

「気づいてくれた?あ、瑠奈さんは馬車から下りないでね。」

 郊外に来て馬車を下りると、セオロナさまが馬車の下からソーラーパネルっぽいものをひっぱりだした。そして、馬車の中に再び戻ってくると、グレイスとウィンクをしあう。

 もしかして、もしかして?


 ブワアアアン・ブワアアアン、グレイスは何度か翼を上下に動かし、そして足先のとがった爪でトンっと

 ソーラーパネルらしき鉄板をたたく。


 ゴロゴロゴロゴロ。典型的な雷鳴がし、鉄板に向かって真っすぐな閃光が走る。雷が落ちたのだ。

 ものすごい衝撃を感じたと思ったら、すぐに黒雲は山火事を消した際と同じようにあっという間に霧散する。


「魔法が使えるものが行き先とルートさえインプットしておくか、遠くから魔法で操作をすれば、魔法使いが乗っていなくても、雷のパワーを蓄積しても動くようになるんだよ。」

 と、改良点を示すセオロナさま。


「電気自動車・・・。」

 私にはそうにしか見えないが、セオロナさまとこの世界にとっては世紀の大発明に違いない。

 たしかに便利は便利なようで、セオロナさまが魔法で命じたところ、魔法馬車は無人で勝手に公爵邸に帰っていった。自動運転付き電気自動車・・・。わたしは、とても便利な世の中に嫁ぐようだった。




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