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なぜなぜどうして?

 「お母さんまで召喚されたの?どうしたの?」

 と、母のもとへ駆け寄る。


 スラッと背が高く細身で、緩やかにウェーブをかけた髪をひとつにまとめ、大きな目と高い鼻、キリッと結ばれた口許年齢不詳の昭和的表現でいくと、バタくさい美人。子ども時代「瑠奈ちゃんのお母さんってホントのお母さん?」と、ストレートに質問を浴びたことも1度や、2度ではない。


 しかも、結婚する前は、当時もきっと今も花形職業、国際線フライトアテンダントだったそうだ。私そっくりの、ちっこくて、童顔丸顔一般庶民の父とは、幼馴染みとはいえなぜ結婚したのか、は永遠の謎だ。


 私が母親からの遺伝子を受け継いでいるとすれば、それは何にでも好奇心をもつことと、柔軟に何でも受け入れることができるその性格ぐらいだろう。


「ゴージャスな三名さまが、昨日うちに来られてね。凄い宝石だったわ、私もあの大きさははじめてみたわ。」

 流石もと国際線フライトアテンダント、あの宝石が本物だと見抜くなんて。

「で、瑠奈に起こったこと、全部お話ししていかれたわよ。で、瑠奈ももう帰らないかもって言われて、お父さんももういないし。」

 父は、2年前、若くして病気で他界していた。そうか、お母さん寂しくなるよね。だから、連れ戻しにきたんだね。


「だから、お母さん。私もその世界で住むお部屋とか、お仕事とかないのかしら?って聞いちゃったわ。ニッポンでの仕事のあと整理なんかも瑠奈の分もちゃんと記憶含めて綺麗にしてくれるというし。じゃあ、私もダメですかって。」


 そうだった、旅が大好きで、凄まじい競争倍率を勝ち抜いて国際線フライトアテンダントになったお母さんが、こんな遠出のチャンスを見逃すわけは、なかった。


 母の無茶苦茶なお願いに精霊王女さま方は公爵夫人にご相談されたところ、

「お住まいは第1別邸と第2どちらがいいかしら。あら、でも折角だから家造りからの方がいいわよね。本宅なら、湖畔あたりも爽やかだけど、薔薇園の丘も素敵よね。」

 と、ノリノリの回答だったそう。


 お仕事は全く気にしなくても良いともいわれたという。ただ、出来ればグレイトドラゴンさまが、生まれたてのうちはコミュニケーション(あの頭に直接的に来る声か)が勇者さま、パートナー、その血縁のみしか取れないからお世話を手伝って欲しいとも言われたとのこと。

 きゃあ、子育て~、ワクワクとうちの母の承諾は答えを聞かなくてもわかる。


 まあ、確かに公爵家のこの目を見張るほどの財力からすれば、扶養家族が一人増えるぐらいは、誤差にも値しないでしょうが、空き部屋でなく、家を建てるってどんなノリなんだ?


 とにもかくにも、公爵夫人がうちの母親と、気が合うなんて。この世界に最強母親コンビが誕生しそうな予感。こわい。

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