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「勇者さまご一行、こちらでーす。」添乗員はじめました。異世界で。  作者: 爽村 愛
サマソニア・そして神殿へ
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魔王の最期

 扉へと向かうセオロナさまは、手にロンのときと似たジュエリーボックスをてにされていた。

「それは?」

 と、聞いてみると

「魔王の核だ。魔王をこの聖剣ディスカバリークオリアで魔王を斬った。その時、魔王の外観は消滅し、このジュエリーボックスの中にある涙の形をした核がその場にのこった。色は、吸い込まれるような空色だよ。」

「危険は迫ってないんですよね?」

「おそらく。色合い的にも邪悪な感じはない。魔王を討伐したとき、すごく心が癒されて長い苦しみから開放されたときのような、気持ちが伝わってきたんだ。魔王から。それに心にありがとうという声が響いた。」

 しっとりと、静かにその時を想い、口を閉ざしたセオロナさまを気遣うようにエリアルさまが続ける。

「一緒にいた私たちも、世界が救われた以上に、魔王自身が救われたとのを感じたよ。声が聴こえた訳でもないが、なんというか魔王の最期の瞬間の表情を見たからかな。」

「僕たち3人も背後を守っていたが、背後から攻撃してきた魔物たちも、それまでは切りつけるとそのまま消滅していたが、魔王が滅びる瞬間は一瞬ほっとした表情となって一斉に消滅した感じがしたよ。」

 ブルートさまたちPTメンバー全員も清らかな気持ちで、魔王の最期を見届けたらしい。


「だから、きっと何も心配することはない。一人で行ってくるよ。気持ちを落ち着けて、魔王の幸福な封印のため祈りを捧げて待っていてほしい。」

 と、そんな言葉を残して、セオロナさまは扉に向かった。


  セオロナさまが、扉の向こうに消えてから沢山時間がたった。魔王は討伐しているし、核が破裂したりしてまがまがしい世界が復活することもないと、さっき語られた話で信じていられる。セオロナさまを除く4人の皆さまと私で、魔王の幸福までもに配慮する勇者セオロナさまのために真剣に祈りを捧げながらただ待ち続ける。


 かすかな足音が聞こえ、大きくなって、やがて扉が開いた。勇者セオロナさま無事のご帰還のようだ。 

 

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