恋バナから生き方へ
防御することで、相手も味方も傷つけず、自分の強さを使って相手を退散する。人間や動物相手では、最も理想に近い戦術だ。
そして、国家的にもそうではないかと思い立ったブルートさまは、辺境警備の任を持つために訓練を重ねているクレイさまと日々討議、討論し自分の役割を定めていった。
ひとたび役割が分かると、攻撃にしても相手に最大の怯えを持たせながらもダメージを抑える策等、人並みとはかけ離れた身体能力があるからゆえに使いこなせる技も身につけていく。
いつのまにか、クレイの隣の家の駄目な子は、国の警備を司るに相応しい青年に。
また、より強くなるため、強さの柱護るべきものが必要と、それまでは秘かに想っていたライユさまへの想いも隠すことなく全面に押し出して生きていくこととした。(ここで、ライユさま若干ゲッとした顔を。ブルートさまが人として好きなのと暑苦しいのが好きなのとは別みたい。)
その後、勇者パーティに選ばれた後は、退散することなく消滅しかない魔獣相手に護りのみでは通用しないかと、思いきや、それは違った。
魔力攻撃の際に勇者さま、賢者さまへの接近を抑えたり、武力攻撃の際には「背中を任せる信頼にたる者」として唯一無二の存在になり得た。
一方でライユさまも、辺境警備、王都の護りに関する討議、討論に触れて感銘を受けると共に、自分に出来ることの模索も始める。
自分の最大の長所は、どんな相手をも魅了させてしまう踊りの才能。それを利用して、敵を取り込み、味方を鼓舞する。そこまでの品質に高める学習のため、語学・話術・作法あらゆる角度の才能を磨くことにした。一見関係のないことにみえるが、書物・口伝えあらゆる情報から、魅力と踊りについて学び、実践出来るよう訓練に活かした。
まあ、元々の容姿からして絶世の美女であったため、ことその方面に関しては努力してはいないそう。(神様、ずるいです。)
勇者パーティでの踊り子の活躍具合は凄まじく時には魔王ですら「みとれ」状態になったり、応援を受けたパラディン(まあ、ブルートさまだからね)が押し勝ちしたり。
あとは秘技毒々のダンスなんかも繰り出したそう。
この人を前に三三七拍子音頭(いまや音頭としか言えない)を披露していたなんて、恥ずかしすぎる私。
話しは大きくそれたけど、そんなこんなでこのお二人、恋のついでにお互いスーパーマンにご成長され、今やみんなラブラブなのも世界平和のためと認められるカップルになったそう。
そして、この長話は夕食が終わっても続き旅初日の夜はふけていった。