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「勇者さまご一行、こちらでーす。」添乗員はじめました。異世界で。  作者: 爽村 愛
平和の森からシーズナルブラン村へ
20/82

夜は恋バナの始まり

 夢のようなキャンピングカー、天然温泉(精霊温泉?)で湯上がり、ほっこりしたあとはみんなでわいわいの夕食タイム。


 今回の夕食のネタは、ブルートさまとライユさまのこれまでの経緯だった!


 ライユさま、踊り子というからには平民の出かと思いきや、なんと裕福な男爵令嬢だった。

 道理で他の皆さまとの馴染み方がしっくりいっているかと。


 で、王都に構える邸宅が、なんと辺境地伯爵であるクレイさまのタウンハウスのお隣で、さらにそのお隣のブルートさまの邸宅とは御近所とのこと。


 勇者さまとお仲間が幼なじみグループというのは、よく聞く話だけど、皆さまのはタウンハウスだとか邸宅とか、いちいちゴージャスだわ。ふつうは、そこって村のご近所さんじゃ。


 まあ、それはいいとして、ブルートさまは、今の爪の欠片からも想像出来ないぐらい、幼い頃は弱虫で、騎士の家系ゆえの訓練の日々に心が潰れそうになっていたそう。

 剣の稽古は素振りから始まり、木の棒相手や動物、そのあとは対人訓練に行くらしいけど、木の棒はともかく、生き物・人をみるとブルートさまは優しすぎて相手の気持ちに同化してしまい、剣を向けているイコール向けられて悪感情を持たれていると思うと心が折れてしまうようになったとのこと。

 平和な国から来た私には、しっくり納得がいく話だったけれど、騎士国家の騎士の家にうまれ、魔獣がはびこる世の中で生きていく運命に生まれては、まったくの駄目な子扱いだったようだ。


 まあ、それはそうか。


 でも、お隣さんのクレイさまは、誰に対しても公平に優しく、面倒見も良い素敵な男の子だったようで、遊ぶときには必ずブルートさまを入れるようにしていた。


 また、ライユさまはライユさまで、ダンス以外の社交界デビューに向けた教育には全く身がはいらず、勉強中もずっと頭のなかに音楽が流れている状況。


 語学のレッスン中に突然歌い出し、先生を驚かせながらも、あまりの美声にアンコールの拍手まで貰ってしまったり。


 お茶会の作法のはずが、舞踏会の話題にちょっと踊って見せようとして、周りを魅了して虜にしてしまったりで。


 悪い子なのか良い子なのかの不安定な綱渡りの中にあり、本人としては、常に苛立ちが潜んでいる感じだった。


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