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極刑  作者: 沢田和早
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二***年 中学社会科資料「新しい法律」より抜粋


●極刑とは


 極刑は新しく制定された刑罰のひとつです。


 死に地獄よりも生き地獄の方が遥かに地獄らしいという考えに基づき、死刑以上に有効な殺人抑制手段として導入されました。


 衆目の前で恥を晒すのは死ぬより屈辱的であると考える、いかにも日本らしい刑罰であると、海外では評されています。




●定義

 ・極刑とは基本的人権を剥奪されて社会の中で生きる刑です。



●極刑囚

 ・極刑囚が移動出来るのは白銀の線上だけです。


 ・極刑囚の首には自動監視装置が貼り付けられ、二十四時間監視されます。



●遺族代表

 ・被害者の三親等の遺族、もしくは親権者の中から、遺族代表が一名選ばれます。遺族代表は実質的には極刑囚の権利者です。


・三親等の遺族や親権者がいない、もしくは遺族全員が遺族代表になることを拒否した場合、極刑囚は死刑囚へと減刑されます。


 ・遺族代表は希望により極刑囚を死刑囚へと減刑させることが出来ます。その場合、 刑は死刑囚に減刑された日から二週間以内に執行されます。


 ・遺族代表はいつでも望んだ方法で極刑囚を殺害出来ます。

  補足:一般人が極刑囚を故意に殺害した場合は死刑になります。



●極刑囚の義務

 ・極刑囚には労働の義務が課せられます。


 ・極刑囚が労働によって得た賃金は、全て遺族代表に渡されます。


 ・極刑囚が七日連続して労働の義務を果たせなかった場合、もしくは直近一ヶ月の労働日が二十日に満たない場合は、自動的に死刑囚に減刑され、二週間以内に執行されます。これは病気やケガなどのやむを得ない場合にも適用されます。


 ・極刑囚は最低月に二度、遺族代表と面会しなくてはなりません。



●極刑囚の権利

 ・極刑囚には再審請求の権利があります。ただし、死刑囚に減刑された極刑囚は、この権利を剥奪されます。


 ・再審請求中は極刑囚の生命は保全され、再審が開始された時、刑の執行は停止されます。ただし、これは請求人が極刑囚本人である場合に限ります。


 ・再審請求中に極刑囚が死刑囚に減刑された時、請求は直ちに棄却されます。


 ・極刑囚は自由に自殺できます。 




        二***年 中学社会科資料「新しい法律」より抜粋




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