小さな小さな国
子供と一緒にニュースみていてふとこぼしてしまった。
「なんでこう私たちの声を訊いてくれないのかね」
「パパとママも同じだよ」
「へ?」
「僕の言うこと訊いてくれない」
「それは、欲しい欲しいが多いからだよ!全部はできないよ」
「でもママたちは好きなもの買うじゃん!僕より高いもの!」
「あれはパパママが頑張って買うの!」
「僕だってお手伝いとか勉強やってるよ!」
「それはやらなきゃいけないことだから」
「...」
そのまま、子供は黙ってテレビを観ていた。
私は夕飯を作るために立ち上がった。
「ママ」
「なに?」
「僕はどれくらい頑張ればいいの?」
「え?」
「何すれば声を訊いてくれる?」
「そうねー」
と私は色々考えた。
ニュース番組を観ながら。