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file-1 red and blue

久しぶりに書くと自分がどんな感じに書いてたか思いだせないぜ…

そんなわけで遅くなりましたが本編開始です。

 人間悩みなんて誰だって持っているものだろ?

 どんなに悩みが無くて幸せそうに見えても、何かしら悩み事は抱えてるものだ。

 俺の友達に凄く明るく脳天気なやつがいるが、そいつには父親がいなくて母親の仕事が安定するまではかなり苦労したそうだし、バイト先のオーナーも気さくな人だがかなりのビビりで、近所で事件が多発しているせいか、最近は店に某サイボーグの活躍する映画に出てくる旧式のウィンチェスターを置くほどだ。そんなものを強盗が食らえば一撃で吹き飛ぶだろうに。

 まぁ兎に角誰にでも悩みはあるのだ。勿論この俺…朱羽恭介にだって…

 『京介さん?どうして開けてくれないんですか?私はこんなにあなたのことを愛してるのに…』

 あぁ…そうだった…現実逃避してる場合じゃなかったんだった…

 俺の悩みの原因はどうやったか知らないが『二階』にある俺の部屋のベランダによじ登って既にガラス越しの目と鼻の先にいるのだ。まぁ問答無用で引き戸をぶち破らない事に関しては好感が持てるぜ…処理が面倒くさいし。

 しかしまぁそんなのも時間の問題なワケで、事実数日前に俺がバイトで留守中にコイツに侵入されている。ご丁寧にガラスカッターでだ。

 そしてガラスの交換が終わったのが今日の昼頃。はっきり言ってまたガラス屋のお世話になるのはゴメンだ。

 「わかったよ…蒼崎…てか何でお前は玄関から入ってこないんだよ」

 そう言って俺は引き戸のロックを外す。

 「恭介さん!」

 そしてすぐに戸が開かれてベランダにいた女…蒼崎千鳥が俺に抱きついてきた。

 黒く長い髪

 整った顔

 スレンダーな身体に細くしなやかな四肢

 恐らくは百人が全員彼女のことを美人だと言うだろうし、そんな彼女が抱きついてきたら間違いなく世の男は抱き締めるだろう…だが俺は。

 「てい!」

 「にゃっ!」

 蒼崎にチョップをお見舞いし、彼女は間抜けな声を出し悶絶した。

 「なにするんですか…恭介さん!」

 「なにするんですか…じゃねぇよ!!毎日のごとく後ろからつけ回すわ、鞄の中にGPSと盗聴器は仕込むわ、この間なんて俺の部屋のガラス戸破って侵入してやがって!!」

 「恭介さん少し間違ってますよ」

 「あんだよ…」

 「前回侵入した時に義母さんに挨拶して、この部屋に盗聴器とカメラを仕込みました」

 「余計にタチが悪いわ!てか最近お袋が俺見てニヤツいてた原因はそれか!?その前に盗聴器とカメラ外しやがれ!!」

 ここまでくればどんなに馬鹿なヤツでもわかると思うが、俺…朱羽恭介はこの女…蒼崎千鳥にストーキングされているのだ。

 蒼崎は学校では容姿端麗、成績優秀でクールな女として有名だ…いや、有名だった。

 だが一ヶ月前の進級によるクラス替えの時に初めて同じクラスになったのだが、俺を見た瞬間いきなり『これは…運命!』とか訳の分からないことを言い、それ以来ずっとこんな感じだ…

 最初こそ遠目から見てるだけという可愛いものだったが、次第に四六時中つきまとうようになるわ、鍵を開けっ放しにしていれば部屋に侵入するわ、最近じゃ他の女子と話をしたらその女子を問い詰めたりしやがる。そのせいで今じゃクラスの女子は誰も俺に近づかない。

 それどころかクラス内じゃ朱蒼夫婦とか言われる始末だ…ちくしょう。



 「それにしても千鳥ちゃん、いつの間に遊びに来てたの?まぁ狭いところだけどゆっくりしていって。なんだったら今日泊まってく?時間も時間だし、最近は物騒だから」

 蒼崎の侵入から二十分後、俺と蒼崎は俺のお袋とリビングで飯を囲んでいた。

 理由は単純にあの後すぐにお袋が飯の時間だと言って部屋にノックも無しに入ってきて蒼崎を夕飯にさそったからだ。それにしても正直ノックくらいしろよ…愛読書読んでたらどうすんだよ畜生…

 まぁその肝心の愛読書達である『ろりろりぱれーど』も『夢のひんぬー王国』も『スレンダースイミング』も俺の隣で生姜焼きをもぐもぐしてる奴に先日焼き尽くされちまったがな。

 ちなみにこの脳天気な台詞をほざいてるのが俺の母親、朱羽鈴である。

 「はい恭介さんあ~ん」

 「さんきゅ。あぐっ」

 「あらあら、千鳥ちゃんは本当に恭介にお熱ねぇ~恭介もまんざらじゃないみたいだし」

 本当に脳天気過ぎる…というか…

 「ちょっとぉ!あんたら馴染みすぎじゃねぇか!?てか蒼崎さぁん!?なに自然にあーんとかやっちゃってるのぉ!?しかもつられて俺もなにやってんのぉ!!」

 「なに言ってるのこの間家に遊びに来てたときに会ったじゃない」

 「そうですよさっき言ったじゃないですか恭介さん。それに恋人どうしなんですからあ~んくらい当然じゃないですか。あとなんだかんだ言いつつも食べてくれる優しい恭介さんが大好きですよ」

 それは遊びに来たんじゃなくて不法侵入だぜmammy…

 それに何時俺と恋人どうしになったんだいhoney…じゃなかった蒼崎よぉ…

 あとそれは優しいんじゃなくて甘くてお人好しなだけなんだぜ。

 しかもさらっと愛の告白をしてきたなおい!

 そんなことを思いつつ蒼崎からあーんされた生姜焼きをもぐもぐしているとBGM変わりにつけてあるテレビから不穏なニュースが流れてきた。

 『本日未明、暁夢市鋼山町でまたもや変死体が発見されました。

 被害者は同市に住む戸塚昭夫さん三十五歳で、路上で人が倒れてると』

 ニュースキャスターがそこまで言った所で俺は適当にチャンネルを変えて、テレビ画面にはニュースの変わりに太った芸人が美味そうに海鮮丼を食べている旅番組に変わった。

 「恭介さん?」

 「おっ!この海鮮丼美味そうだな…って場所熱海かよ…まぁ夏になったらバイクで旅行に行くのも悪くないかな?」

 そう言って俺は誤魔化す。

 正直あのニュースは食事時には最悪だぜ…

 暁夢市連続変死事件…先ほどお袋が最近は物騒と言っていた最大の理由であり、俺達の住んでいるこの暁夢市全体で起きている訳の分からない事件だ。

 それというのもこの事件で発見された死体はすべて体の内側から破裂していたからだ。しかも噂だと火薬や何かで破裂させているわけではないらしい。

 俺がチャンネルを変えたのもそれが理由で、飯時に人体破裂なんてグロテスクなニュースなんて聞いたら気分が悪くなるどころの話じゃないからだ。しかも今日の夕飯は“肉”だし。

 それにしても適当に変えたチャンネルが旅番組…しかも芸人が出てる笑いを誘う感じやつで良かった。こういうのは場の空気を変えてくれるし…そう思って蒼崎の方を見るとなにやら顔を真っ赤にしていた。しかもお袋はニヤニヤしてるし…

 「恭介…あんた以外に大胆なこと言うのねぇ」

 そこまで言われてようやく気づいた…蒼崎はかなーり歪んだ形ではあるが俺に好意があるわけだ、そんな事は俺もわかってるし、蒼崎自身も俺が蒼崎の好意に気づいてるという事を“理解”してるワケだ。

 そんな中で夏に旅行に行こうかなという発言は明らかに一緒に行こうぜと遠回しに誘っているようなものだ。しかも蒼崎なら尚更そう思うに決まってる。

 (あぁ…こうやって気がついたら外堀も内堀も埋められていくんだろうな)

 いまだに顔を真っ赤にしている蒼崎の顔を見ながら俺はそんなことを思い頭を抱えるのであった。



 「それじゃあちゃんと送ってくのよ!あんたは銃の腕だけは頼りになるんだから、千鳥ちゃんが危なくなったら遠慮なく脳天に鉛弾ぶち込んでやりなさい!」

 なんだか物凄く物騒な事を言っているお袋に見送られながら俺は蒼崎を送るために家を出た。

 まぁ犯罪率が高くなった今の日本じゃ普通な言動なのだが、息子に殺人を推奨する親っていうのもどうなのよ…

 そう思いつつ俺は腰のホルスターに差した“相棒”の感触を確かめる。

 トンプソンセンター“G2コンテンダー”

 5.56mm×45NATO弾を撃つことのできる単発式の“ハンドガン”。

 弾は一発ぽっきりで撃つごとにリロードしなくちゃならないし、ライフル弾を使っているのもあって反動も洒落にならないとういう、誰が見てもゲテモノとしか言えないしろものだが、その威力は一級品で命中精度も抜群という拳銃。

 特に俺のコンテンダーはグリップやフォアグリップをパドック材のものに変えて、さらにグリップを自分の手に馴染むように加工したカスタム品で、フレームの側面には初代コンテンダーのジャガーエンブレムをイメージした鴉のエンブレムや羽のエングレーブが彫られている。

 はっきり言ってかなり手間のかかった最高級の銃なのだが、実はこの銃のカスタムを手掛けたのは今俺と一緒に歩いてる蒼崎なのだ。

彼女の父親は商店街で銃砲店を営んでり、蒼崎もその店でよく店番をしていている。彼女と初めて会ったのも学校ではなくその店でだ。

 コンテンダーに関しても買う時に彼女が自らカスタマイズさせて欲しいと言ってきたのだ。しかもカスタム代は無料で。

 一体何故蒼崎がそんなことを言ってきたのか今でもわからない…いや、それだけではなく彼女がストーキングするほど俺に好意を持ってくれていることもだ。

 学校で美人だ優等生だという話は聞いていたがまともに話すのはその時が初めてだったし、カスタマイズされたコンテンダーを受け取った後もたまに銃弾を買いに来た時に会って軽く世間話をする程度だった。

 その程度の繋がりしかない俺に対してあの日蒼崎は『運命』と言ったのか、あれからもう2ヶ月近く経とうとしているのにいまだにその理由がわからなかったのだ。

 「なぁ蒼崎…「私がなんで恭介さんのことを愛してるか?ですか」!?」

 大当たりだぜ…そんなに顔に出やすいのか?俺…

 「恭介さんはなんだかんだでわかりやすいんですよ」

 驚いて何も言えない俺に蒼崎がそう言ってくる。

 「それに恭介さんを愛してる理由はさっきも言いましたが、あなたが私が知っている誰よりも優しいからですよ」

 確かに夕飯の時に蒼崎はそんなことを言っていたしす既に何度も聞いた言葉だ。

 だけど俺は…

 「そいつは勘違いだぜ蒼崎。俺は優しいんじゃなくてただ甘いだけのお人好しだ」

 そう言って俺は蒼崎の言葉を否定した。

 正直優しいと言われて恥ずかしかったのもあるけど、俺の言ったこともあながち間違いじゃないはずだ。

 「ふふっ…そうかもしれませんね。だけどその甘くてお人好しいいうのが、優しい人ってことなんですよ。その証拠にほらっ!」

 そう言って蒼崎はある建物を指差す。そこには蒼崎銃砲店という少しウェスタン調の看板が掛けられていた。

 どうやら俺はいつの間にか蒼崎の家の前まで来ていたようだ。

 「少なくとも、優しくない人が家の前まで送ってくれるなんてことはないでしょう。だから…」


 「自分を否定しないでください」


 そう言って蒼崎は静かに、そして少し悲しそうな顔をして微笑んだ。

 これだよ…コレだけストーキングされているのにも関わらず俺が蒼崎を通報しない理由…

 確かに俺がお人好しってのもあるが、蒼崎が時々するどことなく憂いを帯びた微笑…それのおかげで大抵の事は許せてしまう。

 それに俺自身この滅茶苦茶な日常を決して嫌ってない。寧ろ気に入っているような気がするくらいだ。まるで全て蒼崎の掌の上の様な感じもするがな…

 「まぁ出来るだけ善処するよ。ソンじゃ俺は帰るわ」

 「はい、それではお休みなさい恭介さん」

 そう言って俺は来た道を戻り家に帰ることにした。

 これが俺の日常。

 どんなに悩みがあろうともなんだかんだで楽しんでるほんの少しの非日常。

 


 だがそんな日常は…



 「っ!?」



 ほんの些細な事で簡単に壊れてしまうことを俺は理解してしまった…

 濃厚な血の生臭い香り…突如としてそれは俺の鼻を刺激した。

 確かにさっきまではこんな臭いはしなかった。なのに突然こんな臭いがしたということは…そう思い俺は臭いの濃い方…裏路地を覗き込んだ。

 そこには…






 大量の血と臓物を撒き散らした人だったモノと元は腹だった場所に空いている穴から這い出てくる無数の白い蟲のようなナニカだった。

前回1ヶ月と書いていたのに、余裕で過ぎてるという事実…

単純に地の文を取り戻すのに時間がかかったのもありますが…やっぱり遅い。

まぁその分東方紅蓮録を書いていた時の一話分の文字数の2倍以上になっていますが。

とりあえず解説コーナーですが、正直書くことがあまりない…

今回は主人公とヒロインが登場したのと事件に足を突っ込んじゃったって事だけで、この世界観の説明などはfile2でやるつもりですので、下手に書くとネタバレになりかねないという。

まぁとにかく見た目だけになりますが主人公の朱羽恭介は黒の短髪ツンツンヘアーで頬に十文字の傷痕(幼少時喧嘩でやられた)があり三白眼で童顔という消して悪くない容貌(とは言っても三白眼と十文字傷でAPPは8程度)で背はあまり高くなく千鳥より少し高い程度で細身ですが、結構筋肉はついてます。

ヒロインの蒼崎千鳥は作中でも書きましたが、黒髪ロングでひんぬーと言う名のスレンダー体型の美人さん…てか正直イメージがアイ○スの如月○早です…声のイメージも…

身長も160前後くらいです。

そしてストーカーなヤンデレラです。

正直私の好み前回なキャラです。

次に武器に関してですが、恭介の武器はトンプソンG2コンテンダーと言うトンプソンコンテンダーの後継の銃です。

当初は普通にコンテンダーにしようかとも思ったのですが、一応未来の日本ということもあり旧式のコンテンダーは手には入らないのではないかと考えアップデート版のG2になりました。

それだったら大口径弾の撃てるアンコールの方がいいんじゃないかとも思われますが、一応file2で説明する武装法ではライフル弾はあくまで対人用のモノを使用しなくてはならず、大口径のライフル弾を使用するには狩猟免許の取得が義務づけられているという設定があるのでG2になりました。

ちなみに拳銃弾は射程のや弾速の問題から一部(デザートイーグルの50AEやM500の500S&Wなどの大口径)意外は問題なしとなっています。

ちなみにショットガンやライフルも狩猟免許がないと所持できませんが、ライフル弾を使うハンドガンは問題なしです。

ちなみに恭介のコンテンダーはパドック材のグリップとフォアグリップを使用していますが、この木材は重く頑丈なためグリップに使うとすり減りづらく一度馴染めば長い間そのままになってくれ、フォアグリップに使うことでリロードの調子を整えています。

さらに綺麗な朱色をしているため黒い銃身によく合います。

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