第三次世界大戦における平和条約
連盟国及び連合国は、両者の全ての国民が、今後永久に平和であることを望み、
国際社会が平和であることを目的とし、安全を維持するために至上の幸福を回復することを望み、
今後、一切の戦争が想起されぬように、それらの災厄をあらかじめ取り除くことを望み、
今次の悲惨な戦争が完全かつ最終的に終結すること及び平和が回復されることを宣言し、
よって、連盟国及び連合国は、この平和条約を締結することを決定し、以下の代表の者が示した全権委任状が良好妥当であると認めた後、次の規定を協定した。
・第1章 平和
第1条
各連盟国及び各連合国の戦争状態は、この条約に署名し、その効力が発生する日に完全に終了する。
2、この条約を署名してから効力が発生する日までに、戦闘を行ってはならない。効力が発生してからも同様である。
第2条
各連盟国及び各連合国の国民は、互いに平和であり、親睦があるべきである。
・第2章 領域
第3条
各連盟国及び各連合国は、皇紀2740年即ち西暦2080年より以後に領域支配した領域を、全て復する義務を負う。
第4条
各連盟国は軍事的に支配している地域は、兵の武装解除を行った上で全て撤兵し、復するものとする。
2、各連盟国及び各連合国が政治的に支配している地域は、全て国民投票を経て、必要であるならば国境を変更する。
第5条
欧州連盟はロシア連邦に対する戦闘行為を即時中止し、武装解除をした上で定められている国境線まで撤退する。
第6条
中国共産党は、中華民国、チベット・ウイグル共同連邦及び満州国の完全無欠の独立を承認し、以後、一切の政務(外交、国内政策、資源、防災、軍備など、国内国外への影響力を問わない全ての国家が執り行う行為。以後同じ意味として扱う)について、干渉をしない。
2、中国共産党は、中華民国、チベット・ウイグル共同連邦及び満州国への派兵を即時中止し、武装解除の上撤兵する。
・第3章 安全
第7条
各連盟国は、一切の軍備を持たない。ただし、国内治安の為の必要最低限度の警察力を有することは認められる。
2、前項が達せられているかを判断するため、各連盟国は、1年に1回、国際連合安全保障理事会(以降、安保理と称する)に全ての軍備、警察力及び各地の火器類、車類、航空機類、鉄道類、道路類、港類、船類を報告する義務を負う。
第8条
各連盟国の、君主はそれぞれ存続する。ただし、衛兵は古儀そのままに存続することができる。その場合、衛兵は武装を許されるが、攻撃は許されない。
第9条
武装解除がなされるかを見守るため、武装解除監視多国籍部隊を編成する。
2、編成は、以下のようにする。
一 中国共産党…ロシア連邦、アジア連邦、日本皇国、オーストラリア、ニュージーランド
二 欧州連盟…ロシア連邦、日本皇国、北米条約連合、南アフリカ連盟、北アフリカ共和国
三 インド共和国…日本皇国、北アフリカ共和国、中東連盟、南米経済共同体、中米連合
四 朝鮮王国北部…ロシア連邦、日本皇国、大洋州国家同盟、朝鮮王国南部
3、前項以外の地域において、武装解除監視多国籍部隊が必要である場合は、ロシア連邦、日本皇国、北米条約連合から派遣を行う。
第10条
朝鮮王国は、中国共産党が完全に撤兵が完了した後に、南部の政府が北部を領有する。
2、日本皇国及びロシア連邦は、朝鮮王国が安定的に政務が行えるように、後援を行い、場合によっては人員を派遣する。
第11条
各連盟国の主権は、保たれる。但し、軍備に関しては例外とする。
2、各連盟国は、各連合国と条約を結び、軍を配備することができる。この場合、必要な費用は各連盟国が6割を負担する。
・第4章 政治及び経済
第12条
各連盟国は、この平和条約が発効して以来、1年以内に民主的な方法により選挙を行い、議員及び必要であるならば大統領を選出する。
第13条
2080年に戦争状態に入る前の、全ての民間契約は有効である。
2、2080年1月1日からこの平和条約が発効するまでの間に時効を迎えた契約は、時効から条約が発効するまでの間の期間に3年を足した期間、さらに存続する。
第14条
各連盟国の経済については、各連盟国の裁量に任される。但し、必要に応じて各連合国が介入することができる。
第15条
各連盟国は、正義の名のもとに行われる、2080年からの第3次世界大戦の戦争犯罪者を裁くための軍事法廷を開会しなければならない。この場合、各連盟国及び各連合国の裁判官による合議体によって法廷は運営される。
2、各連盟国は、軍事法廷の判決を受諾する義務がある。
3、戦争犯罪者の指定は、以下の各号に従って行うほか、この平和条約が発効すると同時に発行する議定書によって指定する。
一 捕虜を虐待した罪
二 非人道的兵器を使用した罪
三 戦時国際法に違反した罪
四 人道に対する罪
五 一般的な戦争犯罪
4、前項各号の罪の詳細は、各連合国及び各連盟国の合議体によって、またはすでに締約され発効している国際条約に基づいて決定される。それ以外の罪において、軍事法廷において裁かれることはない。
第16条
各連合国は、各連盟国の経済状況並びに政治状況を加味し、それぞれに今次世界大戦の賠償金を請求する権利がある。
2、各連合国は、前項の賠償金を請求するためには、第15条における軍事法廷においてその点について審理をしなければならない。
第16条の2
必要であれば、各連合国及び各連盟国は、国際刑事裁判所もしくは国際司法裁判所において審理を請求することができる。この場合、戦争犯罪人の処罰ではなく、定義の審理のみとする。
・第5章 捕虜
第17条
各連盟国は、各連合国の捕虜を即時に解放し、安全かつ確実に各連合国の領域へと輸送する義務を負う。
2、各連合国は、各連盟国の捕虜を即時に開放し、安全かつ確実に各連盟国の領域へと輸送する義務を負う。
第18条
捕虜として扱われた将校、兵士、軍属その他市民並びに国民は、国籍国へ輸送されなければならない。
2、捕虜は、国籍国へ輸送された後、差別的待遇を受けることはない。また、捕虜とならなかった者と同等の取り扱いが保証される。
第19条
軍事法廷において戦犯であると指定された者は、特別捕虜として、本章の規定を受けない。
2、前項の場合、常に安全であり、身分に沿っての待遇は保証されなければならない。
・第6章 最終条項
第20条
この平和条約は、今次の世界大戦に参加した全ての国において署名され、批准されなければならない。
2、前項の国以外において、この平和条約に国名が記載されている国は、署名し、批准しなければならない。
3、本条の規定によって署名し、批准する義務がない国において、必要に応じて署名し、批准することができる。
第21条
この条約は欧州連盟、中国共産党、インド共和国、北米条約連合、日本皇国及びロシア連邦の全ての国が署名し、批准した時に、発効する。
2、全ての批准書は、原本を国際連合もしくはそののちに創られる国際機関(以下、国際連合を称する)へ寄託しなければならない。
3、国際連合は、安保理において、この条約発効の日において、この平和条約の議定書もしくは付随する条約において行われる通告を、全ての署名国及び批准国に通達する。
第22条
この平和条約が批准され発効した日を以て、それ以後に、今次の世界大戦における一切の請求を完全に行うことができない。
第23条
連合国は、次の各国のことを指す。
一 日本皇国
二 アジア連邦
三 オーストラリア
四 ニュージーランド
五 ロシア連邦
六 北米条約連合
七 中米連合
八 南米経済共同体
九 中東連盟
2、連盟国は、次の各国のことを指す。
一 欧州連盟
二 中国共産党
三 インド共和国
第24条
第23条の各号に記されている国以外は、中立国とみなす。
2、中立国は、連合国の一致によって連合国とみなし、第23条第1項の連合国とみなすことができる。
第25条
この条約に規定されていない事柄については、各連合国及び各連盟国の会合において制定される個別の条約、個別の議定書、多国間条約、多国間議定書によって規定される。
第26条
この平和条約は、それぞれの国の間に締約される個別の条約の効力を妨げるものではない。
2、戦争以前もしくは以後に互いに結ばれる条約は、二国間、多国間を問わずこの平和条約の効力を妨げてはならない。
この平和条約は、西暦2083年9月15日にエジプト、アレクサンドリアにおいて、ひとしく正文である日本語、英語、ロシア語、中国語、ヒンディー語によって作成された。
・この条約に対し署名し、締約を確し、また遵守することを誓約した全権委員、特命全権大使、及び同様の権限が各国より与えられた使者
略
参考サイト
・東京大学東洋文化研究所 田中明彦研究室 日露講和條約
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/pw/19050905.T1J.html
・東京大学東洋文化研究所 田中明彦研究室 日清媾和條約
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/pw/18950417.T1J.html
・中野文庫 日本国との平和条約
http://www.geocities.jp/nakanolib/joyaku/js27-5.htm