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さつこい! 麗編  作者: おじぃ
修学旅行編
39/69

やっぱり面白くないかも

「いらっしゃいませいかがですかー」

「らっしゃいらっしゃーい!」


 まだ朝9時過ぎだというのに島内は案外賑わっている。


 私たちは不入斗いりやまずさんの先導で食べ歩きをしながらお土産屋さんが所狭しと立ち並ぶ勾配を上っている。いま頬張っている一口サイズのおまんじゅうは、しっとりとした生地に上品でさらりとした甘さの餡が美味しい。


 勾配を抜けると神社前の広場があり、有料エスカレーター『エスカー』乗り場と、左側には木々に囲まれた鬱蒼としながらも神聖な雰囲気のある石段、右側にはやや開けて歩きやすそうに綺麗な四角形に整備された石段がある。私たちは左側の足元が悪そうな石段を進むことにした。


「うおっ!?」


「どうした?」


「滑って踏み外しそうになった。Hey everyone! Please be careful!」


 英語キマッたぜ! みたいな顔をする神威くん。訳すと『おいみんな! ご注意ください!』と横柄と丁寧が入り交じった口調になる。


「さすがねっぷせんぱい! バイリンガル!」


「がははっ! そうだろそうだろ!」


 神威くんは不入斗さんに誉められて気を良くしたようだ。


 石段にはまだ朝露あさつゆが残っていて、神威くんは滑落しそうになったようだ。足元に注意して進もう。


 所要1分弱の短い石段を上り終えた私たちは、石畳を進んで庭園のような開けた場所に出た。神威くんは何故か試練に打ち勝ったと言わんばかりの爽やかな顔をしている。


「うおお、ここ見晴らしいいな」


 庭園を通過すると、先程より足元が良く緩やかで広い石段がある。眼下には相模湾に浮かぶ無数の白い帆が整列したヨットハーバーや、腰越こしごえ、旧表記で『子死越』の町並みや、背後には木々生い茂る山々が見える。


 腰越といえば龍の伝説。あのアニメのシンドロームはあれが題材になったのかな?


「ねっぷって、神様なんだよね」


 上幌さんが神威くんに絡み始めたけれど、長万部くんへの幼稚な接し方のお陰で少し気持ちが冷めてしまった私はあまり嫉妬心を覚えなかった。


「イエース! アイアムゴーッドゥ!」


「じゃあ空飛んでたみの生活を見守りに行かなきゃね」


「おっーと! 残念ながら俺は翼をもぎ取られちまったんだ! いわば地縛神じばくがみさ!」


 地縛神様なのに北海道から出てる…。


「な~んだ、役立たずな神様ね」


「なんだと!? 翼は役立たずでもチ〇コは役立つぞ!!」


「ちょっ!? 公衆の面前でそういうこと言わないのっ!」


 うぅ、二人ともなんか楽しそう。やっぱり面白くないかも…。


「ヒヒヒ、自分で飛べねぇならアタシがアツイビートで魂ごとブッ飛ばしてやんよ!」


 はわわわわ!? もう一人の過激派がっ! でも音楽でいい気分になれるならいいよね♪


「そうだな! 静香のギターはB’zでも通用しそうだもんな!」


「ギャハハ! わかってんじゃねえか!」


 岩見沢さんは気を良くして神威くんの肩をドスドス叩いている。またも人の良い点について思ったことをストレートに言う神威くんであった。


 石段を上ると右手に神社がある。私たちはそこで賽銭を投げて願い事をし、お守りを購入して広場へ向かった。

 ご覧いただき本当にありがとうございます!


 ヨットハーバーや腰越海岸を見下せる石段は江ノ島のさりげない名所です! 通路が狭いので周囲に人が居る時は立ち止まり厳禁です!

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