第7話 『市場価値ゼロ? 姫を煽る聖女を、札束(スパチャ)爆弾で分からせる』
魔王城のテラス。
夕陽がオレンジ色に差す中、アイリスは嬉しそうにマサトの隣を歩く。
「今日、一日楽しかったです……♡」
「そらよかった。引っ越し手伝ってもろたからな」
黒猫は二人の足元。
リュミエールは少し後ろ、聖女スマイル。
「……ねぇアイリスちゃん」
「はいっ?」
「あなた、マサト様のお役に立てる特技は?」
「え……ええと、健気に支えること……とか?」
「市場価値ゼロじゃない?」
「っ!」
アイリスの靴音が止まる。
「私は広告塔。
マサト様が望む世界、数字で実現できます。
でも……あなたは?」
「ま、待ってください……っ」
黒猫は即座に前へ飛び出し、
低音で唸る。
「この聖女、ホンマ許さん」
そのとき──
テラスの外から、鋭い声が響く。
「姫に何をしている!!」
風と共に現れたのは、
青いマントを羽織ったイケメン剣士。
「俺はクレイ。王国騎士団剣士長代理だ」
イケメン、登場した瞬間に
視聴者数+3万
《イケメンきた!》
《主人公どっち?w》
《嫉妬だ嫉妬!》
「姫を謀っているのは貴様か?」
「は?」
「貴様のような平民が、姫を惑わすな!」
アイリスが慌てて間に入る。
「ち、違うんです! マサト様は……!」
「アイリスは勇者と結ばれるべきだ。
俺が守る」
クレイは強引にアイリスを掴む。
その瞬間。
「離せ」
マサトが軽く指を鳴らしただけで、
札束の雨がクレイの足元に炸裂──
大爆発
「なっ……!?」
「うおっ!?なんちゅう威力……!」
コメント欄、大爆笑。
《札束ドーンwwww》
《金は拳より強い》
《クレイ吹っ飛べww》
リュミエールは
その光景を見て目を細める。
(やっぱり……マサト様の課金力……
利用価値MAX♡)
アイリスは震える手で、
マサトの袖を掴む。
「マサト様……わたし、信じています……!」
黒猫、低く呟いた。
(これ……修羅場まだ序章にゃ)
次回:「聖女と剣士、裏で手を組む」
毎日、16:00公開中。




