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第7話 お仕置



時間は少し前に巻き戻り、奏が紅魔館へ到着した頃。






奏多side



「ありゃぁ……。」


館らしき場所へ着いた。

中では轟音が鳴り響いている。……多分戦闘中なのだろう。


時間があまりないので迷わず中へ入った。

そして、すぐさま目に入ったのは倒れているメイドさんだった。


「大丈夫か?」


声を掛けるが返事はない。

「うぅ……。」と少し苦しそうではある。

僕はメイドさんのお腹に手をかざし、能力を使った。



能力と言っても僕にある能力は


「破壊と再生を司る程度の能力」


という能力。

''再生''する物の解釈を広げれば、何だって再生が可能になる。


手をかざすと、再生が始まる。

光の粒子が傷を覆い、瞬時に傷は消え去った。


命に関わるような外傷は無い。

骨や内臓にも特に異常はないな。


(気絶してるだけだ。……もしかしたらここは危ないかもな。)


再生している最中に感じた、先程より大きな気配。

多分あれが敵側なら、勝てる人物は限られてくる。


僕はメイドを物陰へと移動させ、瓦礫よけに結界を貼っておいた。




場所は移り、大広間へと辿り着く。

そこにまた1人、少女が座り込んでいた。


近づく僕にも気づかない。


「私のせいで…………フランが。」


何か話してる。

だが声が小さすぎて聞こえない。


「大丈夫か?」


声を掛けると、少女はその声に跳ね起きた。

そしてすぐさま距離をとる。


「あなたっ!!誰!!!」


「勝手に入って来たのはごめんなさい。僕は白銀奏。ちょっと地響きが凄かったから様子を見に来たんですよ。」


「……私はレミリア・スカーレット。この館…紅魔館の主よ。」


「主様だったのか。……それより、これ。」


僕はポケットから1つ飴玉を取り出す。

この飴は僕特製の飴玉。……能力を使って制作した飴で、身体の傷を、瞬時に再生する優れもの。

言うなれば「回復薬」だ。


ちなみに味はいちごだよ。


「僕が作った飴です。傷もすぐに治る優れもの!」



「受け取るとでも……?」


やはり警戒心は解いてはくれない。


「受け取ってくれたら嬉しいかな。……別に敵意がある訳では無いから。だってレミリアさん傷もあるし。」



レミリアさんは僕の目をしっかりと見つめる。

数秒見つめた後、「はぁ……」と言いながら飴を受け取った。


「一応受け取っておくわ……。けど私には今やる事があるのよ、だからもう帰りなさい。一般人がどうにかできる物は無いわ。」


そう言いながらレミリアさんは上を見上げる。

天井には大穴が空いており、その先で無数の弾幕が飛んでいた。


「なるほどね……。けどレミリアさんもその体力じゃ何も出来ないんじゃないか?」


「なんですって…………?」


その言葉と同時にレミリアさんは、距離を一瞬で詰め首に爪を当てる。

少し長い爪がナイフのように、皮膚を易々と裂く。

血が少し流れ出るが、一瞬で治るし問題ない。


「私の妹が……ッ!私のせいで狂気に飲まれちゃって……ッ!!!今より飲まれたら後戻り出来ないッ。妹を……フランを殺さなくちゃいけない……。、私にはそれを止める義務があるの」


レミリアさんは一息着いたあと話し出す。


「これ以上邪魔するようなら、首を飛ばすわよ。」


威圧感を振りまきながら語りかけてくるレミリアさん。

……とりあえず今ので状況は把握できた。

今やばいのがフランって子で、霊夢はそれと戦ってるて事ね。

それも狂気に飲まれかけのフランと。


「いーや邪魔させてもらうね。何よりそんな状況で彼女らやレミリアさんを見殺しにはできない。」


「しつこいッ!!!」


レミリアさんの手に力が込められ、首を切られる直前。

僕はその手を掴み妖力少しを解放する。

その量は今のレミリアさんの妖力の軽く10倍はある。


「……ぇ……」


冷や汗をかき、狼狽えるレミリアさんの足を軽く軽く払い、そのままお姫様抱っこをする。


「ちょっ……と!!何して!!」


「僕の実力わかってくれましたか?…それにここまで来て見殺しにするのは僕には出来ない。今のレミリアさんの様子を見て、あのフランって子を止めれるかは正直分からないです。だから僕が行きます。」


「………わかったわよ……。でも私も後で行くから。」


「それまでに終わらせますよ。」


少し笑ってそう返し、レミリアさんを地面へ下ろす。

僕はそのまま、天井を越えてフランの元へ向かうのであった。







そして時は現在にもどる。





「結構飛ばしすぎた……。」


軽く投げただけなんだけどな……。


木々を何本もへし折り、地面を削った痕跡が残る。

土煙が舞う中、その中心でーー少女、フランはゆっくりと立ち上がった。


こちらを見据える目は濁っている。

まだ焦点はあっていた。


(……完全には飲まれてない。)


姿は堕ちている。

それでも、まだ奥には確かに''フラン''が残っていた。


ジリっと空気が軋む。

次の瞬間、フランの姿が視界から消えていた。


(来るな……。)


背後。

間に合うと判断した瞬間、拳が迫る。


「おっと」


身体を左に流す。

だがフランは止まらない。

身体を無理やり捻り、炎の剣が追撃してくる。


熱気に眉を細めながら、フランを蹴り飛ばす。

衝撃は炎の剣を貫き、フランに確実なダメージを与えた。


そのまま掴んだ腕ごと叩きつけた。


衝撃が遅れて広がり、地面が悲鳴をあげる。

クレーターさえ生まれる一撃だが、フランは意に介さない。


ーー痛覚が、消えている。


僕の身体を踏み台に、頭を狙った強引な蹴り。

左手で受け流すが、蹴りは空気を裂き、衝撃が地面を抉って爆音を放つ。


(……それに妖力の出力も上がってるな。)


本来の身体能力、狂気が持つ異常な妖力。

噛み合って居ないはずなのに、無理やり融合させていた。


(倒すだけなら、脅威じゃない……。)


足を掴んで、力いっぱい正面へ投げた。

何本も木々をへし折り、フランは飛ばされていく。



視点を切り替え、フランの内側を見る。

意識は、狂気とほぼ同化していた。


ここまで侵食してたら、

''狂気だけを取り除く''なんて器用な真似は出来ない。


……面倒だ。



森の暗く深い闇を裂き、フランは一直線に飛んでくる。

握りしめられた拳を、僕は真正面から受け止めた。

衝撃は身体を貫き、

背後のの木々や地面をまとめて吹き飛ばし、悉く破壊していく。


(出力がさらに上がって、比べ物にならないな……。)


だが、それでも僕は動かない。


「……ッ!!」


その瞬間、フランの顔は歪んだ。

驚きーーだけじゃない。


触れられた事への、拒絶だろう。


同時に流し込まれた''再生''の力。


この再生でフランと狂気が混じり合う前まで巻き戻す。ーーーだが使うには接触が不可欠。


なら押さえつけるのみ……。


空中で静止したままのフランの顔を掴み、木へ叩きつける。幹が軋み、砕けた。


「……大丈夫だ。」


誰に向けた言葉かは、自分でも分からない。


「ギァァァァァァァ゛ッ!!!!」


フラン……いや、狂気が叫ぶ。

衝撃波が黒い嵐となり、空間を歪めていく。


殴られ、蹴られ、腹を貫かれても

再生を止めなかった。


ーー今。



一瞬、同化緩む。

その隙を見逃さない。

迷わず、対象を ''狂気'' のみに絞り、破壊する。


パリン、っと

フランの奥底で、何かが砕け散った。


「よし……終わりだな。」


フランを抱きかかえたフランの身体から、

漆黒の膜が塵となって剥がれ落ちていく。



元の姿を取り戻したフランは、

人形のように整った顔で、眠いっていた。


……レミリアさんと瓜二つだな。


「とりあえず、みんなの元へ帰ろうか。」


僕は静かに寝息を立てるフランを抱え、

森を後にした。




















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