表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/12

第6話 少女の狂気


奏side


里の人々の治療がある程度片付いて、少し休憩している頃だった。


「……!」


「……奏……!」


「うん…わかってる。」


ハウラも気付いたようだ。

(何かの大きな気配……)


それも人里の近く。方角で言ったら、ここから北西の方だ。


博麗の巫女の強さは知っている。

だがそれでも少し厳しいんじゃないかな。


「ハウラはここに残って里の人の様子を見てて。僕が向かうよ。」


「わかった!奏なら心配ないだろうけど、油断はダメだよ!」


「そりゃもちろんわかってるよ。すぐ終わらせてくるさ。」



僕はハウラにそう言い、気配のする方角へ向かっていった。








霊夢side



状況は苛烈を極めていた。

迫る弾幕の密度と破壊力が、桁違いだった。


「ッ!!!霊夢これはまずいんじゃないか!!!」


「わかってるわよッ!!!けど……!!!!」


決定打になる隙がない。

避けても避けても弾幕しか見えない。


しかもその弾幕があったった物は粉々に砕かれていたのを、視界の端で確認した。


フランの能力か、それともただ弾幕の威力が桁違いなだけか。今のフランの妖力を見ればどっちが正解か、なんてわかりゃしない!!



「アハハハハハハハハッ!!!!」


狂喜乱舞するフランの猛撃は止まらない。

魔理沙も私も、耐えているのが奇跡であった。


「じれったいのぜッ!!!恋符『マスタースパーク』!!!!」


そう聞こえたと同時に、魔理沙の八卦炉から極太のビームが放たれる。


マスタースパークが弾幕を消し去り、フランまでの通路が作られた。


(……ッ!!今……ッ!!)


3重の結界を張り、私はそこへ全速力で飛行する!!

3重と言えどこの弾幕の質量じゃ、持って5発!!


最速でフランへ向かう。


「魔理沙ッ!!、」


「わかってるんだぜッ!!」


魔理沙は対抗すべく、追尾型の弾幕を発射する。

フランが飛ばしてくる弾幕を少しでも削り、その隙に私が背後へ回る!


「アハッ!!!まだ足りないわッ!!!!」


だがフランもその行動は読んでいた。

炎の剣で、私に切りかかる。


「あッつ!!!!!!!」


ギリギリの所で交わすが、剣の熱気で喉が焼かれるように痛い。


これじゃあ、札は熱気で燃えてしまう。

やるなら私も弾幕で対抗するしかない。


「霊符『夢想封印』!!!」


スペルカードを発動したら、巨大な勾玉が4つ出現した。

その勾玉を、私はフランと魔法陣に向かって放つ!!!


「キャハッッ!!」


二つがフランの元へ向かうが、炎の剣によって両断される。

だが、1つは魔法陣の破壊に成功した。

禍々しい紫色の魔法陣はパリンっと砕け、光を反射する。


その少しの目眩しは、魔理沙のマスタースパークによってより大きな目眩しへと変わる!!


「キャアアアアアアアアッ!!!!!」


そのマスタースパークはフランへ直撃した。

3秒後、そのマスタースパークは止むが私は休憩の暇を与えない。


4つ出現した勾玉の内の1つは、私の手のひらで圧縮させている。


その勾玉が乗った掌底をフランの腹へとお見舞いしたッ!!!


「がぁッ!!!!!」


胃酸を散らしながらフランは吹き飛んでいき、館の屋根へと激突した。



「はぁ……っ、はぁ……っ!」


「かなりギリギリだったんだぜ……っ」


2人して息を切らしながら、フランを見据える。

動く気配はない。


「流石にもう起き上がらないでよね…っ。」


「…今のうちにフランのお姉ちゃんのところに言って、フランを何とかしてもらわないと……!!!」


魔理沙はそういい、姉の方へと向かって行く。

私もそれについて行かなく…………ちゃ……?



バギッ!!!!!!!!


私と魔理沙は一瞬で振り返った。

轟音と共に、館の一部が崩れていたのだ。


フランが立っていた。


「魔理沙……今さっきのマスタースパーク威力弱め過ぎたんじゃない?」


「そんなわけないのぜ、全力の全力だったのぜ……。」


「私も本気でやったわよ。……………なんで立ててんのよ……。」



それに先程とはまた雰囲気が違う。

狂気に飲まれていても自我は保てていたのであろうが、今回は自我がないとわかる。


狂気じみた笑顔すら消え去り、赫の瞳は虚空を見つめているようだった。


フランが体制を低く構える。


「魔理沙……来るわ………」


一瞬でフランは私との距離を詰める。

そしてお腹に一発。


「ッッ!!!!!!ッ」


「霊夢ッ!!!!」



声が出ず、されるがままに吹き飛ばされる。

先程のフランと同様に館の屋根へ激突した。


「…………ぁッ…………がッ……!!!!」


(息ッ!!!!……息がッ!!!)


鳩尾にモロに入り、内蔵が悲鳴を上げていた。

何とか霊力でお腹を覆い最小限に減らしたが、それでも20mは飛ばされてしまった。


(魔理沙……ッ!!)


ドゴーーンッッッ!!!!!!!


(ぇ……っ?)


地面が揺れると同時に魔理沙も、吹き飛ばされていた。…………ていうか動いていない……??


(……大丈夫ッ!!!気絶してるだけよっ!!……少しでも動ける私が何とかしないと……っ!!)



拳を握りしめ、体に力を込める。

だがその手をフランは問答無用で踏みつけてきた。


「ぅ゛ッ……!!!」


踏みつける力が段々と強くなってくる。

瓦に亀裂が走り、それが次々に伝染していく。


……死ぬの…………?

……私。


「大……じょう…………ぶっ!!!」


魔理沙ならこんな事で諦めない…………ッ!!!

私が少しでも隙を作って……ッ!!!


踏みつける足を退かそうと、フランに対抗し力を込める。…………少し……少しずつ!!


「ぁぁぁぁぁ゛ッ!!!」


今出せる渾身の力でフランの足を振り払った!!!

その隙にスペルカードを……ッ!!!


「ッ!!!」


上に視線を向けると、眼前に炎の剣が迫ってきていた。


(ぁ…………)



振り下ろされた剣は私の顔面を、焦がし……両断し………灰へと還元され…………。




「ストップ。」


……………………なかった。

張り詰めた空気を崩すような、少し明るめの青年の声が間に割って入ったのだった。


「…………ぇ……?」


「ごめんよ、少し遅くなって。」



(どうやってここに…………ていうか剣を…………っ)


高熱を放つ炎の剣。一瞬で手を溶解してもおかしくない物を、青年は何事もなく掴んでいた。


「傷が痛むだろう?……これっ」


片手でポイッと投げられたのは……飴玉……?


「僕特製の飴玉。食べたら傷もすぐ治るさ。」


「あ……あの……。」


「自己紹介とかは後で!今はこの子を何とかしないとね。」


そーれっ!という掛け声と同時に、青年は炎の剣を掴み、フランごと振り回す。


そのまま手を離し放物線を描きながら、館を超え奥の森にフランは飛んで行った。


「もう大丈夫だよ。頑張ったね。」


もう大丈夫……という言葉に体の奥が燃えるように熱くなった。そして込み上げてくる涙。


死を悟ったからなのだろうか……。

もう何も分からないけど。今はただ自然に涙が溢れてきた。


「えっ!ごめん!!なんで泣くのさ!!」


青年は困惑しながらも、涙を指で拭ってくれた。


「隣の友人…?も治療はしておいた。今は気絶してるだけだよ。……一先ず、あの子をお仕置してくる。」


青年はそういうと、フランの方へ飛んで行った。












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ