第4話 図書館に巣食う者
魔理沙side
霊夢と別れてから数分後。
私は図書館へとたどり着いていた。
「ひえーーーーッおっきい図書館だぜ……」
自分の部屋にもそれなり広さの場所があるけど、ここはそれを軽く凌駕してる。
ウロウロしながら棚に置かれている本を見ていると、一際光るものを見つけた。
手に取って確認してみると、私が見たかった魔導書が置いてあった。
「これって!!私が探してた魔導書!?」
どこの書店を巡っても見つからなかった魔導書がそこに置いてあった。
「人の本を何勝手に触ってるのよ。」
「わ!!……びっくりしたんだぜ……。」
物音が一切せず、気がついたら背後に私と同じくらいの背の魔女がいた。
(私が言えないってるのはわかってるんだぜ。)
ピンクのふんわりとした服を着ていて、紫色の長い髪を先でリボンで止めている。
……よく良く考えれば、魔女というより寝巻きに近いんだぜ……。
「ごめん、私は霧雨魔理沙って言うんだぜ!お前はなんて言うんだ?」
「パチュリー・ノーレッジよ。この大図書館に住んでるのよ。」
「パチュリーって言うのか!……なぁパチュリー、この本借りてもいいか?」
「……まぁ、別にいいけど。」
「やった!!また返しにくるんだぜ!」
私はその本を持ち、図書館を後にした。
出て気づいたけど、私異変解決しに来たんだった。
魔導書が手に入った今、私は「今すぐに読みたい」欲を噛み殺しながら館を捜索していた。
そうしたら地下に繋がる階段を発見。
「地下もあるんだな……全く豪華な屋敷だぜ。」
好奇心の赴くままにその階段を進んでいく。
だがその道中で少しの違和感を感じる。
壁紙が爪で引っ掻かれたように破けていたり、壁の一部が壊れていたりしているのだ。
あからさま不穏な雰囲気を感じる。
先程までルンルンで降りていたのに、今は1歩降りるのにプレッシャーを感じる。
それはこの奥にいる者のものなのか。
「うっわ……」
思わず声を漏らした。
1番下にあったのは鉄で出来た重く閉ざされた扉だった。
ここに来て「開けなきゃダメか?」と躊躇ってしまう。
だが、勇気をだしてその扉を開けることにする。
私が扉に手をかけた瞬間…………
「誰かいるの……?」
「ふぁっ!!?」
これで本日二回目だ。
ここの人は驚かすことが好きなのだろうか。
狭く重い雰囲気を纏うこの空間に、か細い声が聞こえたのだ。その声の主は扉の奥に居るのか?
「誰なんだぜ?……扉の奥に居るのか?」
「うん……ねぇ、私をここから出して。」
出してって……もしかして捕らえられてる人間??
私はあまり深く考えず助けることにした。
「いいぜ。今からこの扉を壊すから離れてるんだぜ!!」
「わかった……。」
聞いたところ少女の声だ。
私は新しく作ったこの「八卦路」に魔力を込める。
「行くぜっ!!!」
溜めた魔力が最大まで溜まり、それを思いっきり扉へ放つ!!!
八卦路から放たれる魔力の塊は一線のビームと化し、扉を破壊した。
ゴゴゴゴ……と砂埃を立て館が揺れるのがわかった。
少し……やりすぎたかもしれないぜ……。
砂埃が舞う中で、扉の奥の光が間から差し込んでくる。
視界が開け、目に入ってきたのは少し広い子供部屋だった。だが、転がっているぬいぐるみや壁に掛けられている絵画。
部屋にある全ての物が、無惨に破壊されている。
そしてその端にポツンと居る少女。
しなやかな金髪と人形のように整った顔立ち。
ただいるだけなら、本当に人形と勘違いできるレベルの美貌を持っている。
「……ごめん、これ全部壊しちゃった??」
「…………ううん。……全部私がやったの。…………みんなが私を……1人にするから。」
「そうなのか……………。」
話を聞きながら、状況を整理した。
地下に1人閉じ込められている少女。それにここで暮らせるように用意された子供部屋……。
中の者は全て自分で破壊した。
…………考えられるのはここでの軟禁……?
「私は霧雨魔理沙!お前は?」
「私はフラン……フランドール・スカーレット」
「フラン…ここでひとりって言ってたけどずっとひとりなのか?」
「そうだよ。……お姉様もパチュリーも咲夜もみんなみんな………………私を1人にするの……」
段々と体と声が震えて行く。
それを鎮めるように、自分の体を抱え込む。
よく見れば目の端には涙が浮かべてある。
(うーーーん。どうすればいいんだ??)
まぁ、けど今までずっと1人だったのだったら何かして発散すればいいんじゃないか?
そう思った私はフランに提案した。
「なぁ、フラン。ここで合ったのも何かの縁だし、少し遊ぼうぜ!暇だろ!!」
「……え?」
目をうるわせながら、私を見上げるフラン。
そしてすぐに笑顔になり、私の提案を承諾した。
「やったぁ!!……遊ぶ!魔理沙遊ぼ!!」
「おう!いいぜ!ままごとでも「じゃあ!これ避けてよ!!!」……ッ!!!!!」
私はすぐさま飛び退き飛んでくる弾幕を回避した。
「おいおい……遊ぶってそっちなんだぜ!!?」
嬉々とした表情で私に笑いかけるフラン。
「そうよ!!ずっとずっとずーっと遊びたかったの!!!……でもみんな私を避けて!1人にして閉じ込めて!!!」
少しまずい…………否、勘の鈍い私でもわかるほど嫌な予感がする。
「許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない!!!!!みんな壊してやる!!!!!」
気がつくとフランの背中には翼が生えていた。
だがその翼は異質その物。
羽ではなく、色とりどりな宝石が等間隔で付いている。見とれてしまう程綺麗な翼に思わず立ち尽くすが、それどころではない。
私とフランの戦闘が開始する!!!




