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異世界巫女はVtuberになりました。~除霊で登録者100万人目指します~  作者: 鍵谷端哉


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第24話 巫女と孤独な少女と、かくれんぼの終わりに

「……なにやってんだ、お前?」


 小声で話しかけると、ギギギと目線だけ向けてくるルーナ。


「やべっ。バレた」

「随分と器用なことやれるんだな」


 体の縦半分の服と皮膚だけを透明にしていた。

 神気を使った術か何かだろう。


 ルーナはキリっと決め顔をしている。


「器用つーか、これが限界」

「限界まで頑張って透明にできるのが服と皮膚だけなのか?」

「そゆこと」

「全然、役に立たねーな」

「……けど、今までマネーたち、気付いてなかったじゃん」

「まあ、そりゃそうなんだが」

 

 実は理科室に来た時に速攻で目についてたんだよな。

 変な人体模型だなって。

 あの違和感は服を着ていたからか。

 人体模型が服着てるって意味わかんねーもんな。


 ……なんで、気付けなかったんだろう。

 不思議だ。


 てか、内臓を生で見ると結構グロイな。

 ドクドクと動いているし。

 トラウマになりかねん。

 とはいえ、早く花ちゃんに見つけてもらうか。


「隠れてるんじゃなくて、何かに化けてるかもな」


 大声で独り言を言う。


 だが、花ちゃんはジッとこっちを見るだけで特に大きな反応がない。

 

 ちょっとわざとらしかったか?


「……あっ! 人体模型!」


 俺の言葉で気付いた花ちゃんはポンと手を叩いた後、ルーナのところへ走っていく。

 マジマジと半分だけ透明になったルーナを見ている。


 よし、これでルーナを無事に発見できるだろう。

 

 ルーナもヤバいと思ったのか、顔を引きつらせている。

 そんなルーナの体を、ジロジロと色々な角度から見ている花ちゃん。


「うーん。なんか胃が荒れてる。脂っこいものばっかり食べてるのかな? この人体模型」

「え?」


 斜め上の花ちゃんのコメントに、ルーナはポカンとした表情をしている。


 どうやら花ちゃんはルーナだと気付いておらず、いきなりダメ出しを始めた。


「腸も疲れてるみたい。生活リズムが乱れてるのかな? あんまり運動もしてなさそうだし、部屋に引きこもり?」

「うぐっ!」


 指摘されるごとに、悲痛な声をあげるルーナ。


 凄い。よくわかったな。

 その通りだよ、花ちゃん。


 ルーナは引きこもりで、食っちゃ寝の生活リズム崩れまくりの巫女だ。


 そして花ちゃんはまるで医者のように、ルーナの内臓の診断をしていく。

 その言葉を聞くたびに、ルーナの顔色が青ざめていっている。


 花ちゃん、実は気付いてて、わざとやってない?

 もしかして、いままで見つけられかったことへの腹いせか?

 ……なんてことはなさそうか。

 

 花ちゃんは真剣な顔をして、本気でダメ出しをしているようにしか見えない。


「でも、肝臓はすっごい綺麗。ピンク色だね」

「いやああーーー! 恥ずかしい!」


 さっきまで顔を青ざめていたのを、真っ赤にしながら、ルーナは自分の体を抱きかかえるようにして、しゃがみこんでしまう。


「……恥ずかしいか? 内臓見られるの」

「内臓だって女の子の一部だもん!」

「あっーーー! 人形が動いた! ……って、あれ? お姉さんだ! みーつけたっ!」


 花ちゃんがビッとルーナを指さした。


 やっぱり、気付いてなかったのか。


「しまったぁ! 見つかっちゃったっ!」


 頭を抱えるルーナ。

 

 ……いや、あの状態で見つからないのは無理があるだろ。



 ***

 


「お兄ちゃん、お姉ちゃん、稲荷ちゃん。ありがとう」

「遊んでくれてありがとうございました!」


 花ちゃんと稲荷様が手を繋いでキャッキャしている。


 姉妹みたいでなんだかホッコリするな。

 一人は幽霊で、もう一人は神様だけど。


 花ちゃんがにこりと笑って、こっちを見る。


「私ね。かくれんぼを最後までやれたの初めてだったんだ」

「……そっか」


 花ちゃんはかくれんぼだと思っていたようだが、それは違う。

 子供たちは肝試しをしていて、花ちゃんを見て驚いて隠れただけ。

 

 花ちゃんが一方的に、一緒に遊んでたと思っていただけだ。


 それでも花ちゃんはずっとトイレで待っていた。

 一人で孤独に。


 しかも廃校になった学校だと、さらに来る子供なんていなくなる。

 来たとしても、それは肝試しをするやつらで、花ちゃんが求めている人間ではない。

 ここにいる限り、花ちゃんはずっと一人のままだ。


「あっちにいったら、人魂のお姉さんとかメリーちゃんといっぱい遊んであげて」

「うん! わかった! 任せておいて!」


 花ちゃんがグッと親指を立てる。

 

 うん、お姉さんなら花ちゃんと上手くやってくれるだろう。


「ルーナ、よろしく頼む」

「ほいほい! じゃあ、いっくよ!」


 ルーナが花ちゃんに向けて手をかざす。

 同時に花ちゃんの体が光り始めた。


「逝ってらっしゃい!」


 しまった。ダサい決め台詞のままだ。

 ……まあ、いいや。

 あとで一緒に考えよう。


 花ちゃんの体が徐々に薄くなっていく。


「あのねあのね! すっごく楽しかった! ありがとう!」


 満面の笑み。

 こうして花ちゃんは成仏した。


 『8888』『マジ感動』『神回』

 コメントが流れる。


 そして、なんと登録数が10増えたのだった。

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