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異世界巫女はVtuberになりました。~除霊で登録者100万人目指します~  作者: 鍵谷端哉


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第22話 巫女と子供の霊と、誰もいなくなった教室

「かくれんぼがしたい!」

 

 トイレのドアを開けると、子供らしい無邪気な笑顔を浮かべて、そう言った花ちゃん。


「知ってるー! ぬいぐるみを包丁で刺すやつでしょ?」

「……ルーナ。それはひとりかくれんぼだ」


 花ちゃんがいるのに、さらに幽霊を呼ぶ気か?


 にしても、一昔前に流行ったよなぁ。ひとりかくれんぼ。

 配信者がよくひとりかくれんぼの動画をアップしてたから、それを見てたんだろうな。


 これ以上、幽霊を追加するわけにはいかないし、そもそもひとりかくれんぼなら、花ちゃんだけでできる。

 当然、俺たちはやるのは普通のかくれんぼだ。


 花ちゃんが鬼に決まり、俺、ルーナ、稲荷様の3人は学校内に隠れることにする。

 さすがに学校全体だと広すぎるので3階だけに絞ることにした。


「いやー、意外と健全な遊びの指定だったね」


 ルーナが楽しそうに言いながら、隠れる場所を探している。


「デスゲームとかを期待してたんだけど」

「期待すんなっ!」

「その場合、最初の犠牲者はマネーだよね」

「なんでだよ?」

「私が殺すから」

「……」


 お前、敵だったのかよ。


 ただ、俺、ルーナ、稲荷様、花ちゃんというメンバーなら、確かに一番最初に犠牲になる自信がある。

 ……デスゲームじゃなくてよかった。

 本当に。


「私、ここに隠れます!」


 稲荷様が教室のカーテンの裏に入った。


 うーん。実に可愛らしい。

 あんよと尻尾が見えてますよ?


「鬼が花ちゃんでセーフだったね」

「なぜだ?」

「だって、幽霊で透明になれたら終わりじゃん」

「む!? 確かに」


 そんなチート技を使われたら、夜明けどころか一日中探し回っても見つからなさそうだ。

 だが、花ちゃんがチート技を使ってまでかくれんぼをしたいのかと言うと微妙な気がするが。


「……あっ、そうだ!」


 ルーナがポンと手を叩いて理科室の方へ走っていった。


 なにか思いついたらしい。

 どうせ、ろくでもないことだろうが。


 やれやれ。これじゃ2人とも速攻で見つかるな。

 ここは俺が気合入れて隠れて、花ちゃんを楽しませてやるか。



 ***



 静寂。

 

 ジッと息をひそめていると、ガラガラと教室のドアが開く。


 ヒタヒタという歩く音。


 さすが幽霊なだけある。足音が怖ぇ。

 ……って、あれ?

 花ちゃん、靴履いてたよな?

 わざわざ脱いだのか?


 足音が近くで止まった。


 心拍音がMAXになる。


 やべぇ。すっげぇ怖ぇ。

 かくれんぼというより、モンスターに追われているモブキャラみたいな感じだ。

 これ、絶対に殺されるパターンじゃん。


 ……。

 いやいや、大丈夫だ。見つかるわけねえ。

 こんな場所に隠れてるなんて、思いもしないはずだ。


 ロッカーのドアがギギギと開く。

 そして子供とは思えないほどの低い声。


「み~つけたぁ」

「ぎゃああああああーーーー…………!」


 そこで俺の意識は途切れたのだった。



 ***



「おはようございます」


 目を覚ますと、稲荷様がこっちに振り返る。

 どうやら花ちゃんに発見された後らしい。


 くそ。最初に見つかったのは俺かよ。

 納得いかん。

 カーテン裏に負けるなんて。


「やっぱりかくれんぼは最高だよね!」


 花ちゃんが笑顔を浮かべながら、稲荷様と一緒に教室内を探している。


 そこまで楽しめるなんて、逆に凄いな。

 楽しいか? かくれんぼ。

 怖いだけだろ。


「花ちゃんは、よくやってたのか? かくれんぼ」

「一週間に一回は、学校に忍び込んでくる子がいたからね」

「へー……」

「泣きながら隠れてた子もいたよ」


 ……それは遊びじゃなくて、ガチで逃げてたんだと思うぞ。

 怖かっただろうな。可哀そうに。

 経験者だから、よくわかる。

 あれはトラウマ級だ。

 

「でも、最近は誰も遊びに来てくれなくてさ……」


 寂しそうな顔をする花ちゃん。

 

 うん。そりゃね。

 だって、ここ廃校しちゃってるもん。


「だからね。お兄さんたちが来たときは、実はちょっと嬉しかったんだ」


 ぺろっと舌を出して笑う花ちゃん。

 

 こう見ると普通の可愛らしい子供なんだけどな。


「やっぱりさ、一人は寂しいから」

「……」


 基本、幽霊同士で集まることなんてない。

 もしかして、幽霊が人間を襲うのは寂しいからだったりするんだろうか?


「花ちゃん。成仏してみないか?」

「え?」

「友達100人欲しいっていうお姉さんがいる。向こうに行けば会えるはずだ」

「ホント?」

「お姉さんもこっちでは、ずっと一人で寂しがってたんだ」

「私と同じだ……」

「だからさ、そのお姉さんと友達になってあげてくれないかな?」

「……う、うん。わかった。それなら友達になってあげる」


 よし!

 これでお姉さんにも友達が増えるし、花ちゃんも孤独じゃなくなる。

 一石二鳥だ。


「あとは、あのお姉ちゃんを見つけるだけだね」


 そうと決まれば、さっさとルーナを見つけて、かくれんぼを終わらせよう。


 俺たちは必死にルーナを探す。

 が、まったく見つからない。


 そして1時間後、変化が訪れる。


「……また見つけられないの?」


 花ちゃんの顔が別人のように歪んでいくのだった。

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