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異世界巫女はVtuberになりました。~除霊で登録者100万人目指します~  作者: 鍵谷端哉


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20/24

第20話 巫女と紫おばあちゃんと、全部のドアが閉まってた件

「丑三つ時にこんばんは! 異世界巫女Vtuberのルーナちゃんだよ!」


 2回目のライブ配信。

 一応、SNSで宣伝したからか、視聴者はなんと10人アップの12人。


 とはいえ、喜んでばかりもいられない。

 中途半端な企画は、返って『巫女ちゃんねる』の評判を落とす。

 

 だからこそ、俺は1日かけて、企画を練りに練ったのだ。


「今日は廃校になった小学校に来てるよー」


 両手をフリフリと振って笑顔で視聴者に話しかけるルーナ。


 初回のライブは考えなしに視聴者の邪気を払うという企画だったのわけだが。


 今、改めて考えるとかなり恐ろしいし、怖さ知らずだったと思う。

 誰ともわからない配信で人が来るという前提の企画。

 しかも、初配信で、だ。


 視聴者0の中、呆然と立ち尽くしているのならまだいい。

 最悪なのは視聴者がいながらも、邪気に憑りつかれている人がいなかった場合だ。


 あのときはたまたま2人のうち、1人が邪気に憑りつかれていたから助かった。

 けど、もしいなかったら、完全に企画倒れになっていた。

 しかも、邪気は稲荷様で、結局祓ってない。


 下手をしたらあの時点で、このチャンネルは終了していた可能性だってある。


 ……うお。

 怖すぎる。


 ということで、ある程度、視聴者数が増えるまでは順当に心霊スポット巡りをすることにした。

 

 みんな大好き心霊スポット。

 ベッタベタだけど、狙い過ぎて空振りするよりはずっといい。


 だから学校を選んだ。


 ほら、怪談ていえば学校でしょ。

 みんなが知ってる場所だし、ネタとしても強いと思ったわけ。


 しかも、今回のこの心霊スポットで出現すると噂されているのは、かなり有名なやつだ。


「ここで、紫おばあちゃんを祓っていくよ!」


 ルーナがピースを目のところに当てる決めポーズをする。


「上手く祓えたら、チャンネル登録、よ、ろ、し、く、ね★」


 まずは巫女であるルーナを『お祓い系Vtuber』として定着させる。

 他にこの手の配信者はいないから、この界隈は総取りできるのだ。


 ふははは。

 どう? 完璧じゃね?


 ……まあ、この界隈にどのくらい需要があるのかはわからんけども。



 ***



 学校の廊下をヒタヒタと歩く。


 前回の廃病院もそうだったけど、夜っていうのは不気味さが3000倍になる。

 昼間に来れば、なんてこともない、ちょっと古めの学校なだけだ。

 なのに、夜ってだけで、本当にヤバい。

 

 うん。

 やっぱり夜に来るものじゃないね、学校は。

 

 今にもガラガラとドアが開いて、幽霊が飛び出してくるんじゃないかって思ってしまう。

 想像するだけで膝がガクガクするし、心臓がドキドキしてパンクしそうだ。


「けどさー、なんで紫おばあちゃんって学校に出るんだろ? おばあちゃんなら老人ホームとかじゃない?」


 ルーナはまったくビビる気配もなく、視聴者に向かって呑気な話をしている。

 一応、コメントを見て答えてるってテイだが、実際、ルーナは神気で書き込みを声として聴いているのだ。

 俺の場合は、俺の視界がカメラになっているから、視界の端にコメントが流れて見えている。


 うーん、便利。


 『用務員が幽霊になったんじゃない?』


 視聴者からそんな書き込みがされる。


「えー。用務員っておじさんじゃないの? 用務員のおばさんっているのかな?」


 ルーナの斜め上の感性は、割と視聴者受けがよさそうだ。

 コメント欄も賑わっている。


「学校ですか。私も通ってみたいです」


 俺の横には稲荷様が立って、ニコニコとしながらルーナの配信を見ている。

 寝てていいと言ったのだが、面白そうだからとついてきたのだ。


 俺としては心強いから助かる。

 なんせ、稲荷様は神様だ。

 幽霊よりも上位といっていいだろう。

 

 ……って、あれ? 稲荷様って邪気じゃなかったっけ?

 そのへん、どうなってるのか聞くの忘れてた。

 これが終わったら聞いておこう。


「あ、トイレあった! じゃあ、突撃だー!」


 ルーナが2階の女子トイレに入っていく。

 もちろん、カメラである俺も後に続く。


 ……なんつーか、廃校になってるとはいえ、女子トイレに入るのって背徳感があるな。

 興奮……じゃねー、なんか悪いことしてる気分だ。


「むっ!」


 ルーナと稲荷様のお気楽な様子を見て、俺はいつの間にか緊張感が解けていたみたいだ。


 だが、それが一瞬で吹き飛ぶ。


 ヤバい。マジでヤバいぞ。


 なんと、女子トイレのドアが全て『閉まって』いた。


 なに? 紫おばあちゃんて6つ子だったりする?


「じゃあ、ノックしていくね。コンコン!」


 ノックしていくが、反応はなし。

 それが5回続く。


 そして6個目の個室にノックする。


 すると――。


 コン、コン。


 それは間違いなく返事だった。

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