タイトル未定2025/05/07 21:38
「今日から宜しくお願いします!なんとお呼びしたら良いでしょうか?」恐る恐る聞いてみた、
「源氏名、ホクトで宜しく。ちなみにさ、海斗君は何のためにホストになったの?教育係として、任された仕事はしっかり取り組みたいし、お互いの目的を知っていた方がより仕事しやすいと思うんだよね。
ちなみに俺はここで稼いだお金を担保に資産構築をしてもう一生労働とはおさらばする生活を送るためだから。」
自分と違う目的、しっかりとした目標を掲げて仕事にプライドを持っているホクト先輩の話を聞きたじろいでしまった。
絶対に「もっとモテるようになりたい。自分の今の性格を変えて、海斗君変わったね。と今までの友人にもちやほやされたい。」なんて口が裂けても言えなくなってしまった。だから、その場の雰囲気で、
「私は親が病気でその治療費を稼ぐために入りました。」と偽善者ぶった。
「あっ、それは良い動機だ。俺も教え甲斐がありそうだ。」と言って、開店前の準備を一から教えてくれた。
しばらくして、準備も出来、あとはお客さんとのコミニケーションにおいて気をつけること、この店では来た女性の事を「〜姫」「〜プリンセス」と呼ぶと教えてもらった。うわー、めちゃくちゃ違和感あるが、仕事と割り切るしかない。そうやって、ソワソワしていたら裏から
「おはようございます!今日もめちゃくちゃかっこいいです!宜しくお願いします。」
とホクト先輩が言っているのが聞こえた。
自分も挨拶しないとと思い、小走りで裏方に行ったら、尋常じゃないオーラに甘い香水の香り、男も惚れるであろうイケメンが立っていた。圧倒されて、一瞬声が出なかった。
そんな時、ホクト先輩が
「おい、早く挨拶に来い!セブンのトップでこの新宿3丁目でも売上トップ、指名トップのキラこと菅谷蓮さんだ。」
菅谷さんは、
「全然大丈夫。今日、体験入店の海斗君だよね❓店長から聞いたよ。まあ気楽に楽しんでよ。よろしくね。」とめちゃくちゃ物腰も柔らかくて、心が熱くなってしまった。自分に無いものを全て持っている気がした。