人間と魔族の情報得よう
「もしかして、父さんも雛も……この世界の情勢とか知らないんですか?」
……イエス!!だって生まれたばかりだもん!!
「あまり興味ないし?ほら、懐かしいゲーム思い出して神殿みたいにダンジョンマスターの間を改造するのに忙しかったんだよ?あぁ、でも知り合いのシスターもそこは詳しく知らなくてね」
私とパパは、顔を見合せて頷き合った。
「わかりました、それでは僕が人間に擬態して情報探って来ます。一番近いのは……」
フォンッ
さすがは翔也兄さん!!
魔法とかも感覚だけで使って、目の前に世界地図を広げたよ。
指先で世界地図を拡大して見えたのは、ダンジョンの現在地がある人間の国ヒットデーナシ王国。
「人で無し?……名前からして嫌だなあ」
……私も、もう行かなくても性悪そうな国だよ。
私とパパは以心伝心。
「名前から連想しては駄目ですよ。まずは近い町、ターマヤから調査してきます。それまで父さん、雛を頼みましたよ」
「任せてよ、ふふ……伊達に五人育てないさ!!」
翔也兄さんに頼まれパパはどや顔する。
「心配だな……取り敢えず夕方には戻りますね」
翔也兄さんは、心配しながらも姿を人間の神官に変えるとその場から姿を消した。
「夕方か……」
よし、レベルアップの為に狩りに行こう!!
「雛も成長すると良いね」
赤ちゃんから脱却望む!!
以心伝心な私とパパは、再び森へと向かうのだった。