テンテレレー♪インテリメガネ神官が出てきた!!
早速ダンジョンに戻った私とパパは、ステータスオーブンしてみた。
ふむ、本当にレベル20になってる。
ダンジョンポイントは400。
「400あれば、モンスターを召喚できるよ。結城も、やりこんで召喚していたよね。懐かしいな~」
パパは呑気に笑って言うと、いつの間にか半纏着てその中に甚兵衛着てるよ!?
そういや、パパは普段着が甚兵衛&半纏だったなと改めて思い出す。
うっかりマスコミが家に突撃した時は、蜜柑食べつつ居間から顔を出したパパにびっくりしていたなと。
「ラフな普段着が一番だからね」
うん、しっかり心の声が聞こえてるわ。
「あうやや!!ちゃい!!」
面倒臭いので、私は魔力?を両手に纏うと、モンスターを召喚する魔法陣にぶつけてみた。
「え?そこ、呪文言わない?」
……乙女ゲームや、悪役令嬢以外のゲームには詳しくないし適当で充分だよ。
「え~?」
パパ、何故か残念そうだった。
すると、魔法陣が紫色に光る。
魔法陣から現れたのは、悪魔の角を生やし、神官の格好をした眼鏡の青年だった。
「なんか既視感あるな」
私もだよ、パパ。
パパと私はテレパシー要らず!!
「もしかして父さんと……雛?」
ほーら、気付いた眼鏡が涙目になった。
「やっぱり、翔也?」
パパが苦笑して眼鏡に近付く。
……オカンよ、久々だな。
うん、私も声を掛けた。
「父さん!!雛!!」
眼鏡……翔也兄さんが私達に駆け寄る。
葉山翔也(18)。人気俳優の葉山奏多(38)の長男で、人気バンド【ドールナイト】のヴォーカル兼リーダー。
元々、幼なじみ五人で始めたバンドが路上ライブを得て人気を集めメジャーデビューを果たす。
通り魔事件が無ければ、来月には全米デビューもする予定だったの。
冷静沈着で、家族想い、そしてシスコンなオカン。
葉山家で、私と結城のお母さんしていた。
「……って事なんだ」
……なのだよ。
私とパパは、翔也兄さんが落ち着いてから真実を話す。
「……異世界……しかもゲームのような世界にモンスターとして転生?……はは、そんな冗談は……」
翔也兄さんは認めない。
……ならば致し方あるまい。
「えい」
ザシュッ
パパは、自分の右手を剣で切り落とした。
「ぎゃあああ!?何やってんですか!?」
翔也兄さん大絶叫。
「ほい」
ポーションをパパが切断した右腕に掛けたら、あらあら不思議。
断面から右腕再生。
「三刀流!!」
パパ、調子に乗って切り落とした右腕掴んでウキウキ。
その内、三◯世界とか、鬼斬り言いそう。
「アホ!!」
ペシッ
「あいた!!」
すかさず翔也兄さんがパパに拳骨。
パパは涙目になる。
「信じるしかありませんが……魔族と人間が対立しているのでしょう?我々の立ち位置はどうなるのです?」
「……中立?」
……引きこもる
大変だ、意見が二つに分かれた。