第一話転生したらダンジョンマスターでした。
鮎川雛菊(35)。仕事が出来るけど、彼氏居ない歴35年の喪女。
私の友達や、周りの後輩、先輩達が結婚して赤ちゃん産まれる度に泣きたくなった。
毎晩、終電ギリギリまで居酒屋で梯子していたの。
そんなある日、私は飲酒運転の車に牽かれた。
あー、私の人生男に恵まれなかったな。
『ならば、貴方の新しい人生は男運を強運にしますね』
は?
意味分からん。
だが、一番最初に会うならイケメンエルフが良い。
頭の中にそんな声が聞こえて私は真っ暗になった。
次に目覚めた私は、知らない場所に居た。
RPGにありそうな神殿?かなんかの中で、私の目の前に謎のイケメン。
金色の長い髪、耳長い、色白、軽装の鎧を着た美青年。
「初めまして、私の名はアールナヴァ。このダンジョンでマスターに初めて産み出されたモンスターです。ランクはZランク。主にマスターの身の回りの世話や護衛を務めさせていただきます」
にこやかにアールナーヴァさんは自己紹介した。
「あう?……うきゃ?」
……ん?……もしかして私……
自分の声を聞いて呆然とする私は固まった。
「ミゼリア様はダンジョンマスターとしてまだ産まれたばかりです。誠心誠意お世話させて頂きます」
ニッコリ笑ってアールナーヴァさんは言った。
……なんじゃこりゃあああ!?
私の絶叫が心の中で響き渡るのだった。