山田くん、異世界壊すってよ。
俺の名前は山田太郎!中学2年生、バリバリの陰キャだ。
どの記入例にでもいるような名前なのでよく偽名と疑われるかわいそうな男だ(壊れ
女子「山田君って名前は陽キャなのに機嫌悪い時の
座布団取りにくる人みたいな雰囲気あるよね!・・・ごめん!聞こえてた?」
トイレ帰りの教室で凄い暴言を貰ってても、俺にはは?王色の覇気があるから
スゴムだけで女子が謝る。(壊れ
俺の中学には帰宅部が無い。いわゆる「絶対部活入って放課後は
用事がないなら18時まで学校に居ろ」系なあれだ。
だから、俺はパソコン部に所属している。
文芸部も選択肢にはあったのだが、正直俺は図書室においてある本は借りればいいし、
いまどきの最新の伝奇やなろうがいっぱい読みたかったからだ。
そこに感想を語り合う友人は要らない。(壊れ
田中「お!山田!今日はほたるいか太郎読んでるのか!」
要らないと思っていても、狭い空間に数時間も人を閉じ込めておけば、
全自動的に絡んでくるやつもいる(壊れ
田中太郎。困ったやつなんだこいつが本当に。
去年は同じクラスに「山田」と「田中」がいた影響で
よく間違えて俺が怒られてた(壊れ。
だが放課後の教室でみーちゃんの縦笛を吹いた件については絶対許さないから
俺はコイツきらい(壊れ。
山田「まず人が何か読んでる最中に話しかけてくるな。(壊れ」
言っても無駄なことをわかってても言ってしまう俺もまだまだだな(壊れ
中田「んんwwwwほたるいか太郎ですと・・・!!!!」
きたな中田太郎。名前以外割と謎の転校生。(壊れ
なぜかいつも俺より先に俺のよもうとしてる最中のなろうを・・・
中田「蜃気楼姫のたてもん飛び降りシーンは涙を禁じ得ないですよな!」
おかしいだろ本当にコイツ。いっつもネタバレしてくるの!!!(壊れ
田中「へぇ、俺は三行で読むのやめたけどな!」
中田「んんん!この作品は読めば読むほど味が出てくるやつですぞ!!!」
はやく家に帰りたい(壊れ
帰ってスマホで読みたい。パソコンより読みにくいから困るけど。
きーんこーんかーんこーん。
半分心を無にしていた成果が出た。
当然特に何も得てはいないが(壊れ
もうとにかく俺はぎりぎり怒られない速度で廊下を競歩し、
下校RTAを・・・あ、赤信号だ。
といっても、限界ぎりぎりで走っていたため、俺の呼吸はばてばてだ。
田中「おーい!待てよー!!!」
そう、コイツが紛らわしい原因のひとつはきっと、家の帰る方向が同じことにある。
何となくやだなあ、追いつかれたら。後ろを向いて距離を確認する。ヨシ!遠い。
中田「山田くん!後ろー!!!」
今振り返ったのに、騒音待ったなしの大きい声をだしてなんだっていうんだよ。
あ。そんなん後ろー!じゃわかんねえよ。(壊れ
神様「で、トラックにひかれた、と。」
山田「そうなりますかねえ・・・(壊れ」
目の前が真っ暗になったかな?と思ったら
なんかもう、ちょっとかわいい感じの金髪美女が生前のこと根掘り葉掘りきいてきて
割と投げやりな気持ちである。
神様「人生にくいはあるかな?」
そんなんで、ないわけないだろう。
山田「そっすね、いつか、なろう作家になりたかったですね(壊れ」
神様「そこで大事な大事なあたっくちゃ~んす!
この箱の中にいっぱい入ってるクジには君の来世の可能性が秘められている!」
山田「もしかして:異世界俺TUEEはじまる?(壊れ」
神様「かもよ!?」
いい話じゃねえか!(壊れ
早速引いて中身を見る。
山田「夢なろう・・・だと・・・」
神様「へぇ・・・面白くなってきたね・・・!!!」
急に説明やめて意味深な顔するのやめてもろて(壊れ
神様「で、名前はどうするかな?」
山田「転生するのに名前選べるのか(壊れ」
自分の名前について不満はまあある。あるけども、それ以上に愛着がある。
山田「じゃあ山田太郎で。」
神様「本当に大丈夫?日本と違って手続きして家庭裁判所で名前変えたりできないよ?」
そんなもん適当に名乗ったらそれが俺の名じゃないのか?
山田「そんなに重要です?名前って?」
神様「好きにしなよ!」
好きにしようとしてるのに口出しすんなよ!!!!(壊れ
山田「じゃあやっぱり山田太郎で。」
名前はもう、わりとどうでもよかった。どうせ異世界なら
もう被りで怒られることも無いだろうし。
それよりも俺はもう、異世界チート無双できそうな雰囲気に
胸がいっぱいいっぱいだった(壊れ
山田「転生はよ!はよ!(壊れ」
神様「はいは~い!」
うぉっまぶし!!!
目の前が輝きだして、白くなったかとおもいきや
徐々に色を取り戻していく感覚・・・これが・・・異世界・・・
目の前に広がるは、草原・・・
そして・・・見慣れた・・・俺の手・・・体・・・・
山田「って、異世界転移やないかーい!(壊れ」
魔法使えるんだろうか?
山田「ファイアー!」
出ません。
山田「サンダー!」
出ません。
山田「ブリザド!」
出ません。
山田「ケアル!」
俺ははげてません。
もしかして:
山田「俺は魔法使いでは・・・ない・・・?」
夢なろうってなんだよ(壊れ)
山田「アイテムボックス!」
あ、箱出てきた。
なんかすごく分厚い本と、白紙と、ペンと、お布団と金貨が3枚・・・
山田「これは・・・どうなの・・・」
異世界転生的に、恵まれているのかとても怪しい。
好奇心を代償に俺はいろんなことを尋ね損ねていた。(壊れ
数ある「最初から俺TUEEE系」主人公たちは控えめに言って
いろんなものを最初からもらっていたり、
たよりになる相棒が最初からいたりした。俺にはそれが無い気がする(壊れ
しょうがないので、せめてもの配慮かアイテムボックスに入っていた紙とペンで
日課の自作小説をかく、
「エルフスレイヤー」
俺は、横に長く伸びている耳を持つタイプの創作キャラが好きだ。
だから、そういう娘が、ゴブリンに襲われている話をちょくちょく描いてる。
ゴブリンは、亜人の中でも多種多様な亜人で、
大勢で村に押し入っては異種族の娘を強引な男らしさ(壊れ)で
嫁に貰っては仲間を増やそうとする生き物だが、特にエルフが大好きなのだ。
その戦闘力はハサミを持った小学生程度から、格闘技チャンピオンまで、
まさにピンキリ、強いゴブリンの群れに襲われた村は、ご愁傷様というわけだ。
とまあ、なんだかそこまで紙に書いただけなのに、凄く眠くなってきたので
まだ真昼間だけどお布団を出して寝ることにする。(壊れ
ーそしてその後世界は壊れた。(壊れー
1 話 完