レフトビハインド2
父が勤める研究所があるビルはその崩落箇所のギリギリのところに建っていた。
本社ビルから少し離れたところに研究棟があって、そこにいたところで被災したとのことだった。死体が発見されていないので死亡扱いにならず今現在では行方不明として処理されている。
これだけ多くの人たちが被災し、亡くなっているだろうにも関わらず行方不明としている原因、それはその崩落現場に電子機器などを損傷・破壊する電磁パルスのような現象が起こっていて、なおかつ人体に有毒と思われる未知のガスも発生していて調査、捜索もままならないらしい。
現在では高さ20メートルの壁で周囲を覆いつくされ中の様子を窺い知ることはできなくなっている。
ちなみに崩落開始時の現場の様子は現場周辺に落ちていたスマホに動画データが残されていたらしく、一時期はなぜ崩落中心部の撮影データが崩落箇所外に落ちていたのか、連日検証番組が放映されていたが、5年経った今ではその話題もすっかり鳴りを潜めている。
ただ今日この日だけはあちらこちらで追悼集会が行われたり、テレビでの振り返り特集が放送されるのだ。
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