決着と始まりについて
重なっていた二つの想念が離れ、崩壊する。
その衝撃に、妖異と化していた者たちは昏倒し――シャボン色のカケラがハラハラと降り注ぐ。
その中で、黃旺サラは黙って黒峰十束を見る。
十束もサラを見ていた。
戦いが終わっても定まっていないものがある。
敵か、味方か。
サラは用賀邦に宣戦布告をした。
十束はどうするのか。
サラのものであると受け入れるのか、違うのか。
二人の関係性は、一体なにか。
「ケンカする?」
「ああ」
おどけ混じりの言葉に、真剣な返答があった。
サラが諦めの笑みを浮かべる合間に、十束はとっとと進み出す。
「え」
「ケンカを売るんだよね、用賀邦に。行こう」
サラは口を開け、呆然とした。
あるいは、常に先頭を行く彼女にとってそれは初めて見るものだった。
自分よりも先に進み、戦おうとする者の背中だ。
「あはっ」
スキップするように追い付く。
「さすがあたしのだ!」
嬉しくてたまらない。
だから「サラのじゃない」「俺は男だってことを――」などの戯言は聞こえない。
了
新作もあるのでお時間があればどうぞ。
「家にドラゴンがきたらどうしよう」
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