しゃぼんだま
飛んでいるのか、飛ばされているのか分からない。
ただ1ついえるのは、ぷかぷか宙に浮いている。
風が吹いては流される。好きな所に行くのは難しい。
前に飛んでいたところに戻ろうと思った。でも、それもできない。
真っすぐに飛ぼうと思っていた。けれどもちっとも真っすぐに飛べやしない。
ほかのしゃぼんだまがやってきて、うれしくてとなりに並んでみた。
近づいてみたら思わずぶつかって離れてしまった。
今度は離れまいと遠くから見守ってみた。
そしたら、いつのまにか見失ってしまった。
ともに並んで飛びたかったのに、いったいどこへ行ってしまったのか。
それでも風に流されてほかのしゃぼんだまがやってくる。
どうも私は飛び方が下手なようで、いろんなところでぶつかった。
それでも割れてはなるまい。と、そう踏ん張っている。
もう真っすぐに飛べなくたっていいじゃないか。
低空飛行でもいい。
弾んでぴょんぴょん飛んだっていい。
ぐるぐる回って風を起こしてもいい。
なぜ真っすぐに飛べないのだといわれたら。
しゃぼんだまだ!といえばいい。
いつかは割れてしまうかもしれないさ。
でも今は浮いていればいい。
しゃぼんだま
なぜ飛んでいるのか、どこへ向かっているのか分からない。
ただ1ついえるのは、ぷかぷか宙に浮いている。
しゃぼんだまのような今日この頃。