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☆エピソード2 封鎖された大渓谷の獣人少年と赤い竜

獄級職、及び魔王種の場合

出目3以下:Atk10上昇/HP100上昇(これ×Lv倍が最低値)

出目4/5:Atk15上昇/HP150上昇

出目6:Atk50上昇/HP500上昇

このLv5の少年は、攻撃力200以上のSランク魔剣を量産する鍛治の天才だ。今日は、とある魔王とこの少年の出会いを語ろう。


その魔王は赤い竜だった。

その少年は灰色の獣人だった。


灰色の熊獣人トアロ・ベル/上級鍛治士

Lv5_Atk38_HP620/620

「なんでぼくのレベルは上がらないのだろう」


魔物の群れが現れた!


ゴブリンA/低位魔獣

Lv7_Atk10_HP80/80


ゴブリンB/低位魔獣

Lv7_Atk10_HP80/80


ゴブリンC/低位魔獣

Lv9_Atk15_HP110/110


トアロの攻撃!

「……あ、いま無手だったよぼく。やべーやべー。【再錬・猪獣の黒槍】【大回転】」


【再錬・猪獣の黒槍】

過去に鍛治等で己が作った事のある武具を、一瞬で錬成する。代用のきかない様な希少素材を使う場合、それを持っていないと失敗する。

少年が掲げた黒い大牙。それはみるみる内に辺りの砂や魔力を吸い上げ、姿を変えてゆき、堅牢な槍となった。


猪獣の黒槍(Sランク)

Atk220/耐久値150/150


トアロはよしと頷くと槍をぶんぶん回して構えをとり、魔物の群れへと駆け出した。ゴブリン達が【こんぼう攻撃】をしてくるが、難なく回避し、素早く懐に潜り込むトアロ。


「ここでっ……!」


【大回転】

判定開始。2d4を振り、出目=攻撃回数とする。武器の届く敵味方へ全体攻撃。伏せている者には当たらない。判定のダイスは……4、1。5回攻撃。総火力、258×5。


ゴブリンAに1290ダメージ!

ゴブリンAのHP80→0

ゴブリンAは闇の霧となって消えた……


ゴブリンBに1290ダメージ!

ゴブリンBのHP80→0

ゴブリンBは闇の霧となって消えた……


ゴブリンCは【パリング】を発動した!


【パリング】

判定開始。1d6、4以上ならばダメージを半減する。判定のダイスは……6。半減は成功だ。


ゴブリンCは645のダメージを受けた!

ゴブリンCのHP110→0

ゴブリンCは闇の霧となって消えた……


トアロは魔物の群れをやっつけた。

「レベルは……うん、上がってないね。ちょっと戦いってモノが虚しくなるかも?もう少し手応えないとね?やっぱりぼく、根っからの生産系肌なんダナ~」


灰色の獣人トアロ・ベル/上級鍛治士

Lv5_Atk258_HP620/620


ゴブリン達の名誉のために述べておこう。ゴブリン3体に襲われたら、普通の獣人は絶望するものだ。特に今回のゴブリンCはかなりの手練れであったはず。


「見事なものだ。我とも遊ばないか」


赤鱗の竜人族ゼオール・バガン/獄級ドラゴノイド

Lv16_Atk260_HP3250/3250


ゼオールの攻撃!

「竜種のブレス攻撃は、真の強者と認めた者にしか使わんのだ。光栄に思え。【ファイヤーブレス】!!」


トアロは防ぎに動く。

「……は?なんなんだよ赤い鱗のお兄さん。リザードマン……いや、もしかしてワイバーン種なのか?それにしては角と翼がやたらデカいような……まあいいや。【グラディア・ブレイク】」


【ファイヤーブレス】

判定なし。1回攻撃。全体攻撃。回避された場合でも、半減威力で貫通ダメージを与える。打ち消された場合はこの限りではない。総火力、260。


【グラディア・ブレイク】

判定開始。1回攻撃。更に10d6を振り、合計値10につき攻撃を2割打ち消す。出目0は10とみなす。判定のダイスは……32。トアロは披ダメージの6割を打ち消した!総火力、258。


トアロは104ダメージを受けた。

トアロのHP620→516


ゼオールは258のダメージを受けた。

ゼオールのHP3250→2992


トアロの振るった剣の斬撃は炎を突き破って地を駆け、ゼオールへ炸裂した。トアロもまた、火の粉を被る。痛み分けだ。


「………なにぃ?」

「ん!お兄さん、今ので倒れないんだ」


「それはこちらの台詞なんだが……だって我、魔王だぞ……しかも竜種って並みいる魔王の中でもかなり強い……ボソボソ……」


ビシィッ!切り裂かれたゼオールの鱗が何枚か弾け飛んだ。

「な……痛み、だと?いやいやおかしいぞ」


「次、来ないの?遊ぶんでしょ。来ないならこっちから行くよ。【スパイラルランス】【ドライブアサルト】」

「スキルの宣言を2つした!?平然と2回行動してくるつもりか!?」

「この槍、持ってると時々、素早く動けるんだ。時々だけどね」

「!手の内を晒すとは愚か!愚かなり!では、その槍を破壊すれば良いと言う事だな!ならば食らえ、【デストロイ・ブロウ】ッッ」


【スパイラルランス】

判定開始。相殺や半減を受けない1回攻撃。回避は可能。1d6を振り、4以上なら2倍ダメージ。6なら3倍ダメージ。1なら失敗する。

判定のダイスは……5。2倍ダメージ。総火力は258×2=516。


【ドライブアサルト】

判定開始。3d6を振り、10以下なら1回攻撃、12以上なら2回攻撃、14以上なら4回攻撃、16以上なら6回攻撃、18なら10回攻撃。5以下なら失敗する。ダメージ軽減を受けない。完全な無力化はその限りでない。

判定のダイスは……6、6、5。怒涛の6回攻撃だ。総火力は258×6=1548。


【デストロイ・ブロウ】

判定開始。1回攻撃。更に10d10を振り、出目の数値だけ、相手の武器の耐久力にダメージを与える。10面ダイスの0は10換算とする。判定のダイスは……53。


総火力260、更に武器耐久値へ53ダメージ。


「フハハ!ご自慢の獲物、粉々にしてやろうぞ!!」

「他人のオモチャを壊す事を楽しそうに言う奴と遊ぶのは、ちょっと嫌だなぁ……ま、これで終わりだし。いいか。ホラホラァー!!捌けるかい、お兄さん!」


トアロの攻撃。

トアロは大きく跳び上がると、体ごとグルグルときりもみ回転しながらゼオール目掛けて落下するように突進した。まずはスパイラルランスが炸裂する。

バゴォォォォン……

スパイラルランスをまともに受けたゼオールの周りにクレーターが出来上がる。

ゼオールに516のダメージ!

ゼオールのHP2992→2476

「グゥワァァァァ!?な、な、なんだこの威力は……!こんのォッッ!!」


ゼオールの攻撃!

デストロイ・ブロウによる破壊の一撃。豪腕による殴打がトアロに……トアロの武器に炸裂する。ゼオールは黒槍ごとトアロを殴り抜き、吹き飛ばした。


トアロは260のダメージを受けた。

トアロのHP516→256


猪獣の黒槍(Sランク)

Atk220/耐久値72/150


すたっ。何事もなかったかのように着地するトアロ。

「いたたた……やるね。でもぼくの攻撃は終わってないよ、まだまだ体が軽いんだ。隙だらけのお兄さん!」


トアロの攻撃。ドライブアサルトによる凄まじい連続攻撃がゼオールを襲う。それはもはや、槍の嵐。渾身の拳撃を振り抜いた直後、一瞬の硬直中であるゼオールの視界はまだ、トアロを捉えてはいなかった。砂ぼこりから飛び出してきたトアロに、ゼオールは不意を突かれてしまう。


「…………!速い!?グゥワァァァァ!!」


ゼオールは1548のダメージを受けた。

ゼオールのHP2476→928


「遊びはこの辺にしとこうよ、お兄さん」

「……待て、まだ本気を出していないと言うのか?これ以上は………我がもたん。我の敗けだ。」

「うん。だから遊びは終わり。楽しかったよお兄さん、また遊んでね!」


トアロはばいばーい!と手を振って楽しそうな笑顔で去っていった。毒気を抜かれたゼオールは膝を付いた。戦いが更に激化するのかと身構えてしまったが、杞憂だったようだ。


「何者なんだ……我は赤竜の魔王ゼオールだぞ。我を半殺しにするとは……それにあの槍……何故あの一撃で壊れないんだ!?これは奴を調査する必要があるぞ!」


こうして、獣人トアロには魔王ゼオールの側近が影ながら監視として付く事となった。


獣人トアロ・ベルはやがて、運命の悪戯により戦争に巻き込まれる。行く先々で強敵をこっそり倒して友人知人等を気紛れに救うが、その度に魔王ゼオールは冷や汗を滝のようにかく事になるのだった。仲のいいお兄さんとしてたまに自ら接触しに(遊びに)行く事もあり、魔王ゼオールのレベルは5年で60まで上がった。名実ともに世界中から畏れられる大魔王はこうして誕生したのだ。


「今日も来てくれたんだ、お兄さん。お兄さんと戦うとレベルが上がるから楽しいんだよ。ぼく今Lv42」

「ああ。わ……お兄さんも、Lvろ……40くらいになった所だよ、うん。今日も沢山遊ぶとしよう。お手柔らかに頼むぞトアロ君!」


トアロを不満そうに頬を膨らませる。


「お手柔らかになんて言ってないで、頑張ろ、頑張ろ!ぼくに勝てたら、また特注の魔剣作ってあげるからねー!」

「!それは楽しみだな……!よし、お兄さん本気出すし!【第三形態・解放】サア、アソボッカァァ!?」


トアロは楽しそうな笑顔になった。


「そー来なくちゃね!いっくよー、お兄さん!」

「グルォォォォォォォォォン!!」


赤き破滅の竜は大渓谷にて吠え猛り、猛然と火炎を吐いた。


二人の出会いから5年。トアロ達お気に入りの遊び場《ゼオルの大渓谷》では、今日も神話級の戦いが繰り広げられる。頻繁に“謎のクレーター“が多発するその地は、もはや何者も住めない極限環境だ。人々は愚か、力ある神獣も魔獣も、名のある悪魔も聖霊も決して近付かない場所として、都市伝説の地となってゆくのだった。その周囲には沢山の関所が儲けられ、法的にも物理的にも忌避の地として厳重に厳重に封鎖されている。


なお、そんな封鎖を見事に掻い潜ってまで《ゼオルの大渓谷》を探索した者達は、みな揃って“武神と竜神の戦いを見た“等と妄言を吐くらしい。そうした者の大半は、さる一神教教会の武装戦闘員に拉致され、異端尋問や記憶操作されてしまっているとか、いないとか。


おわり

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