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エピソード17 銀色の流れ星

銀色の輝き。光の軌跡。路地裏の宵闇に小さな流れ星が走る。その正体は彼愛用のサーベルだ。星は奴の背中を食い千切ると赤く弾けた。ああ、なんと美しい。奴も負けじと銀色の流星を放ってくるが、盾で散らす。


ーー怯んだな?


奴の攻撃は大振り過ぎたのだ。恐怖と焦りが手元を狂わせたのだろう。腕利きの御仁と聞いて来たのだが、可哀想な事だ。真価を発揮する事も能わず、こんな無様に地に臥す醜態を晒すとは。


「は、背後から……何者……ぐはっ」


「もう知る必要もなさそうだが、リックという者さ。いま金欠気味だから、お金持ちの悪い子達とお友だちごっこしてんの」


仕留め損ねていた。苦しいだろう。可哀想に。そんな風に、慈愛に心を満たされた彼は更に流星を放つ。銀色の輝き。光の軌跡。路地裏の宵闇に、三度(みたび)死の流星が走る。


「ぐあッ!ぐむ!」


うるさいので口にも星を突っ込んでおく。すると奴は静かになった。おめでとう、おつかれさま。


お仕事が終わったので、近くのお友だちに音で合図するために、ポーチから小さな木の実を取り出す。こいつを固く平らな地面に落とすと、一瞬だが高く綺麗な音が鳴るのだ。訓練された者だけがその音を拾える、通称「音の実」。その利便性から同業者も愛用しているらしい。


かん、と高く短く小さな音が鳴った事を確認すると、彼は木の実を拾ってポーチに仕舞い、サーベルの血をちょうど足元に転がっていた布で拭い取る。そして人混みは彼を悪とは疑いもせずに向かい入れ、酒場へと(いざな)うのだった。

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