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4神力

ドライアドにお手製ネグリジェを着せられ(前世で時たまドレスを着る機会があった時の侍女に似ていた。)もう二日。直ぐに何処かの国に出ようと思っていたのだがドライアドに“お主に乙女を目覚めさせるのじゃ!だからまだ行くな!”と止められてしまった。あまりの意志の強さに頷いてしまったが、まぁ別に急ぐ旅でもないし垂れ流している魔力を隠す魔法をかけなくて良いから楽だしいっかと言う考えだった。

…のだが昨日から少しづつ体調が悪くなっている。

じゃあ出ていけば良いのだが、恐らくドライアドが私を引き止めたのは上の理由だけではないのだろう。昨日お花摘みやらドライアドの愚痴などを聞いていて感じただけだが。彼女の話曰く下位の精霊は意志を持っていなく会話ができないらしい会話ができるのはこうな精霊だけ。人間と会話をしようとしても魔力量の多いものしかドライアドを見る事も声を聞く事も出来ないらしい。


このことか恐らくドライアドは寂しいのだと思う。


自分しか意志がないその孤独感はもはや想像もつかない。

そんな彼女を一人残していくのは、心が痛んだ。せめて彼女の気がすむまでとは言わないが彼女との会話のネタが尽きるまで。彼女との遊びのバリエーションが尽きるまで側にいようと思っていた。


それから五日目私の体調は滞りなく悪かった。正妃が呪いでも送ってきたのだろうか?わざわざ死んだ設定の私に?ないか


「エリー!今日は西の方に咲いている花畑の方に行くぞ!きっと今日着せた白色のドレスに似合うのじゃ!あ、そうじゃ!白い帽子があったらなお良さそうじゃ!」

そう私を愛称で呼ぶドライアドは魔法で白い帽子を作り私に被せた。

ここ毎日私はドライアドの作ったドレスを着ていた。どれも上品な形のドレスで少しワンピースっぽいドレス。コルセットやパニエはあまり好まない為無いのは有り難かった。

私に白い帽子を被せると満足そうにドライアドは微笑んだ。


「花畑楽しみですわ。どんな花が咲いているのか、ワクワクします。」

実際は体調不良で冷や汗ダラダラだが平気な顔をする。

恐らくこの体調不良神力の取りすぎが理由かもしれない。ドライアドや神力の木(白い木)が歓迎しているからかどれだけ魔力を垂れ流しても出した分以上の量の神力が体に戻って来てしまう。っかと言って魔力を垂れ流しにしなくても勝手に神力は入ってくる為まだ出している方がマシだった。まぁ、日に日に体調は悪くなる一方だ。今日は朝から視点がハッキリしない。


「よし!準備も整ったしそろそろ行くとしようかのぅ!」

「えぇ」


そう言いドライアドに手を引かれ一歩踏み出そうとした。だがその行動は叶わない。気合いで正常を保っているように見えるようにしていたが限界を超えてしまったようだ。

引かれた体はドライアドに倒れかかった。


「……エリー?……エリー!!!」



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