表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/19

2手紙


ベットの中、部屋の大きな窓から朝日が丁度登っている。

天井付きのベットから降り着替え始めるも気分が悪い。理由としては、目が覚めて今日は嫌な予感がしたから。こう言う時は大抵、義母が私に送ってきた暗殺者が来るものだ。

あ、私今世では “エリベティー・アリーヤ・エルダリア” としてこのエルダリア帝国の皇帝の初めての子つまり第一子の姫として産まれました。と言っても正妃が産んだ第二子の姫と産まれた日は二日しか変わらない。私が産まれた三年後には王子も産まれたらしい。

世間一般では私の存在はあまり知られておらず幻の姫とされている。だが王位継承権はまだ私にあるのだ。その理由としては私が第一子だからと言う理由と私にアリーヤの印が有るから。アリーヤとは王位を継ぐ者という意味がありその印が王家の子には時々現れる。名前にこのアリーヤを入れられるのもこの印がある者のみ。その一人が私。前世も持っていた。右太腿の外側に幾何学的な魔法陣みたいな模様が私の体にはしっかりと有る。

あら、話が大幅にずれた。


で、義母が毎回暗殺者お送り付けてくるのだが、多分今日もそうだろう。私の勘は外れない。これは一種の魔法とも言える。有り余る神力を常に垂れ流しているのだ。そうしておかないと体内に溜まった神力が溢れようとして高熱がでる。こうやって神力を垂れ流しておくと自然と魔法が発動されている状態になるのだ。

今日は勘的にいつもより嫌な予感がするから丁度部屋に近ずいてきているエドガーに言っておこうかなぁ、なんて思っている頃扉がノックされた。返事をすると思い扉がいつもより急ぎ気味に開けられる。


「エリベティー様おはようございます。朝早くに申し訳ないのですがお伝えしたいことがあります。食堂へ参りましょう。」

「わかりました行きましょう。」

垂れ流している神力はそのままにしておくとキラキラと輝いて目立つためこのキラキラを見えなくする魔法をかけて出て行く。ついでに、エドガーには神力についてバレたので絶対に言わないよう魔法で約束している。けど、前世のことは話していない。

神力に着いてバレないようにしている理由としては神力についてバラせば国には歓迎され厳重に保護されるだろうけど、私は罪を償うために転生させられたのだろうから輝かしく国を救うのは見合わないだろうから。影でこの国、世界に尽くそうと思っている。例としてはあまり雨が降らなくて作物の成長に影響が出そうな時に魔法で雨を降らしたり魔物が増えすぎると倒しに言ったり。



さっきから心なしか険しい顔をしているエドガーを見上げると目があった。ジッと見ると泣きそうな風にも見える。


「…どうしたの?リヒトが何かやらかした?」

リヒトとは王城に使える暗殺者で時々屋敷に遊びにくる青年の事だ。

エドガーは横に頭を振ると恐らくリヒトが居る食堂の扉を開けた。其処にはやはり立っているリヒトが居る。

リヒトは恭しく礼をすると私に椅子を引いた。私が食事をする机はバカ長く無く丸い机だ。机の上にはサンドイッチにフルーツと紅茶といつも通り。椅子に座り食事を始めようかとも思ったが椅子を用意しても座ってくれない安定のリヒトが手に手紙を持っていたため先に彼の話を聞くべきだろうと思い食事に手をつけない。


「先に話を聞きます。何かあったのでしょうか?」

するとリヒトが持っていた白い封筒に入った手紙を渡してくれる。リヒトが手紙を届けてくれるのは珍しい。きっと重要なことが書いているのだろう正妃からの殺害予告などが過去に届いていたはずだがその時はエドガーが先に目を通し廃棄していた。つまりここに届く手紙はどんな手紙でも必ずエドガーが目を通し私が見るべきものか判別されている。つまりこの手紙は私にとって重要な手紙なのだろう。

封筒には王家の印が押されていた。正妃からだろうか

そう思い手紙を取り出し見た文字は懐かしいものだった。これは、何年かぶりに見る父の文字だった。

驚きと戸惑いでリヒトとエドガーを交互に見ると二人はまだ深刻そうな顔をしている。余程この手紙の内容は酷いものなのだろうか。

読むのに躊躇っているとエドガーが側に寄ってき騎士のように跪いた。そして急な展開に驚く暇もなくエドガーが言葉を発した。いろんな感情の混ざり合った顔をして、だけど強く。


「私たちが居ます、大丈夫です。姫様。」

久しぶりに姫様と言われ、戸惑っていた考えが少しずれて行く。

「姫様と呼ばないでください。私はそんな大層な人間ではないのですから。て、いつも言っていますのに…」

いつもの答えが帰ってきてエドガーが少し笑ったように見えた。


視線を落とし手紙を読んでいくと、其処には私への正しい今世の歩み方を綴っているようだった。


こんな幸せな毎日がずっと続けば良いと思っていた私への罰の様な。


私が転生したのは幸せになるためではなくレオンハルトを殺した罪を償うためだったのにと深く心に突き刺す様な感覚だった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ