高梨ここあ攻撃ヘリコプターを召喚します
「ここあよ、お主に依頼したい事がある」
流石国のトップだけあって真面目な顔をすれば威厳がありますね
「お主にこの突如出現した魔物の調査・討伐を依頼したい」
「か弱い女の子に数千匹の魔物を押し付けるわけですか?」
あっちょっと苦笑いした!私何にもおかしい事は言ってません
「人外のお主の事だ、何とかなろうだろうと思ってな」
「私に依頼するのは構いませんが、まだ前の依頼料頂いてませんよ?」
「大丈夫だ、前回の分とは別にカウントする」
「ラプター、どう思いますか?」
「はい、ここあ様なら数千匹の魔物なんぞ大した事は無いかと、あぁ素晴らしい・・・」
このポンコツに聞いたのが間違いでした・・・
敵の戦力が不明の状態で戦いに行くのは愚策です
しかし、今回は王都という本拠地が襲撃される
これは何としても防がねばなりません
「あの、一つ質問良いですか?」
「何だ?」
「なぜ私に依頼を?前回と違って今回は隠しきれませんよ
軍隊なり騎士団なり他に戦える戦力があるんじゃないですか?」
当然の疑問です、国を守るのは軍隊なのですから
「ふむ・・・それは、魔物だけなら我が国だけで対処しよう
我軍は隣国する帝国程とは行かんが世界有数の大国だ
しかしだ、魔族が関わっているとなると別だ」
なるほど、少し話は見えてきました
「魔族の力は一騎当千、あれと張り合えるのは我が国だけでも5人いるかどうか
上位の魔神となると、ここあよお前しかおらん」
「私ですか?こんなか弱い女の子ですよ?」
「いや、私の前では猫を被らんで良い、お前に仕えてるメイドも相当腕が立つんだろ
騎士団長が言っておった」
「ふふん、当然です、そうで無ければここあ様のメイドは務まりません」
ラプターが強いのは見る人が見れば分かるのですね
「分かりました、その代わりと言っては何ですが
今回の事が済んだら何でも一つ願いを叶えて下さい
それと、今後私の行動に口を出さないで下さい」
「お主の願いとやらは少し怖いが承知した、それで頼もう」
「分かりました、それでは早速出発しますね
敵の部隊の位置は分かりますか?」
「うむ、西門から5km付近を王都に向かって進行中らしい
大群の為、とてもゆっくりだそうだ」
「分かりました、ラプター行きますよ」
「はい、ここあ様」
「頼んだぞ、ここあよ」
王宮を出ると西門へ向かう
そう、歩くのはめんどくさいので高機動車だ
「やはり、これは快適ですねここあ様」
「そうですねーただ、周りの目が気になりますが・・・」
良くて中世並みの文明のこの世界、車はとてもオーバーテクノロジーなのだ
「何だあれば・・・馬の無い鉄の馬車が走っているぞ」
「いや、よく見ろ乗っているのは例の化物女だ仕方ない」
「ほんとだ、なら仕方ないな」
「何が仕方ないのでしょうか・・・」
窓を開けながらゆっくりと走行してるため外の声が聞こえてくる
「ここあ様を侮辱した者を処刑しましょう」
「や め な さ い」
ポンコツメイドを嗜めつつ西門をくぐった
もはや私はフリーパスだ
「ここあ様、王国軍が集結してますね」
門を潜るとそこには数千に上る国王軍が集結していた
武装は槍に剣そして盾、確かにこれは・・・
よく見ると後方に魔術部隊等も居ます
私は司令部っぽい場所へと車を走らせるとそこで降車する
「これはどういう事ですか?」
私が車から降りると数名の兵士に槍を突きつけられた
ラプターを見ると私が危険にあってるせいか、今にも斬りかかりそうだ
「やめい、バカども!!!」
一人の男が一括すると槍を突きつけていた兵士が下がる
「すみません、貴方が高梨ここあ様ですね
私は王国軍司令長官 ドレン・カーターと申します
国王陛下よりご連絡は頂いております」
ラプターも空気を読んだのか剣を下げた
「ふぅ・・・良かったです後少し遅ければ貴方達消えてましたよ?」
私が兵士達を見回すと、ある者は顔を青ざめ、ある者は腰を抜かしている
遠くの方で「例の化け物女だ、良く命が助かったな」等と聞こえてくる
失礼です、とっても失礼です
「もういいですよ、それで敵部隊の位置は分かりますか?」
「はい、魔物の軍勢はこの先の沼地に現在集結しています
その数は推定2000匹です。
中にはワイバーンやミノタイウルス等上位の魔物も居るようです」
湿地帯、これは朗報です
「ここあ様、湿地帯となると車は仕えませんが、徒歩で行きますか?」
「まさか、ここはやはり空からですよ?」
「はい、空からですか?私は舞空術など身につけていませんが・・・」
ラプター貴方結構日本文化詳しいのですね・・・
「いえ、違います司令官さん、ちょっとこの場所お借りしても宜しいですか?」
私は司令部のテントの隣にある広い空き地を指差す
「はい、構いませんが?」
司令官は少し首を傾げている
昨日の魔物の軍勢を退治したおかげか大分レベルが55になってました
ここまでレベルが上がれば行けるはずです
「少し下がってくださいね、いでよAH-64攻撃ヘリアパッチ!」
私が魔力を込めると目の前に大きなヘリコプターが登場した
アパッチはダグラス社が開発した優秀な攻撃ヘリコプターだ
ヘルファイア(対地ミサイル)や30mmチェーンガン等を搭載した
現代兵器が誇る超兵器の一つだ
「ふぅ・・・ぎりぎりでしたが召喚できましたね」
私がアパッチを召喚すると周りがざわついている
「何だあれは、鉄の箱が出てきたぞ」
「何という巨大な・・・」
等という会話が聞こえてくる
すると司令長官が話しかけてきた
「ここあ様、これは一体・・・」
「これですか?これはアメリカ陸軍が開発した攻撃ヘリで対地攻撃
にとても優れ・・・っと言っても分かりませんね
まぁ見てれば分かりますよ」
「はぁ・・・」
司令長官は諦めたご様子です
「さて、行きますよラプター」
「はい!」
私はラプターを促すとヘリコプターに乗り飛びだった