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高梨ここあアシュル村に立ち寄ります

「しかし、ここあ様この乗り物は快適ですね」


「ですよですよー馬車は疲れますからね」


車を走らせること20分、小さな村が見えてきました

いかにもRPGに出てきそうな小さな農村です


「あれが、目的地ですね」


「そうですが少し様子がおかしいですね」


そう、人気がなさ過ぎるのだ

村へ入ると、その原因が判明した


「これは酷いですね・・・」


魔物によって蹂躙された後がある

建物のドアは全て破壊され男は殺され女は陵辱された挙げ句殺された後がある


「ウッ・・・」


私は口を抑える、堪えきれない吐き気が襲う

何とか飲み込むと頭を戻す


「ラプターこれは一体・・・」


「はい、恐らくオークかゴブリンに蹂躙された後でしょう

 先程の魔物の群れとはまた別のもののようです」


私は忘れていた、王都があまりに平和すぎてこの世界の実情を理解していなかった

世界は非常なのだと


「しかし妙ですね」


「どうしましたか?」


「はい、殺された者は女性か子供や老人しかおりません

 それに、村の規模を考えるとあまりにも死体が少なすぎます」


確かにそうだ、あまり見たくはありませんが死体が少なすぎます

もしかして、どこかに監禁でもされているのでしょうか


「王の話によると軍隊を派遣したそうですが、道中軍隊が戦った様子がありませんでした

 これはおかしなことです」


「なにかこの事件裏がありそうですね

 分かりましたラプター急ぎ王都に戻って報告しましょう」


「はい、承知しました」







高機動車を全力で走らせること1時間、王都へ到着した

あたりはすっかり暗くなっていた


「ラプター報告は明日にして今日は家で休みましょう」


「それが懸命かと、晩御飯は私が腕によりをかけてお作りします」


心配事は多いがラプターのご飯は楽しみだ

このポンコツメイドご飯だけは極上です


この日はご飯を食べお風呂に入ると早々に就寝した

ステータスを確認すると残りMPが3割を切ってました、どおりでしんどいわけです






次の日、軽い朝食を済まし王宮へ向かった

王様直々の依頼ということもあり、簡単に王室へ通される


「高梨ここあ様こちらです」


王宮のメイドさんが案内してくれる


「やっぱり本物のメイドは違いますねー」


「むっ、ここあ様私より優れたメイドは存在しません」


この自信は何処から湧いてくるのでしょうか

放置して方室のドアを軽くノックしてから開ける


「失礼しますー」


「うむ、ここあよ早かったな」



軽く挨拶をすると王室にある応接テーブルへ通される


「ふあ~相変わらずここの紅茶は美味しいです」


「依頼を出してから1日しか経っておらぬが何が分かったのか?」


王様は少し疑問があるのか懐疑的な顔で質問してくる

それはそうだ、1日しか経っていませんからね


「結論から言うと魔族は居ました、それも大量の魔物を引き連れて」


「な、なんと!やはり魔族が・・・それでどんな魔族だったか分かるか?」


「交戦した魔族の名は、えーっと・・・ラマ・・・ママ・・・」


「ラマシュトゥです、ここあ様」


横からラプターが補足してくれた


「ラマシュトゥ!?魔神ラマシュトゥか!」


「はい、知っているのですか?」


「知るも何も魔王軍幹部の一人、人魔戦争では奴が現れた地域が尽く壊滅した」


そんなに強い魔族だったのですか、どおりで手強いわけです


「それでラマシュトゥが居たから逃げて帰ってきたわけか、なるほど」


何を勘違いしてるの、この王様?


「いえ、無事追い返しましたよ、残念ながら重症を負わせましたが逃げられました」


「は・・・お主王に偽りを申すと重罰であるぞ、それを承知で口にしてるのか?」


ムッ・・・流石の私も激おこぷんぷんです


「ほんとです!魔神には逃げられましたが一緒に引き連れてきた魔物の群れは大体退治しました 

 全部アイテムボックスに入ってますがご覧になりますか?」


私は無造作に部屋に大量の魔物を取り出す

王室が無駄に広くて助かりました


「まてまてまてまて!信じるからやめろ!」


その言葉を聞くと、ふぅ・・・とため息を付き魔物をまた収納する


「という訳です、それでその先にあるアルシュ村に寄ったのですが

 そちらも魔物に蹂躙され壊滅していました」


「何だと、そうかアルシュ村が・・・分かった調査に向かわせよう

 それで我軍の兵士は見かけたか?」


「そこが不思議なのですが何処にも交戦した後がありませんでした

 まるで軍隊が消滅したような」


「ふむ・・・という事はまだ生きてる可能性もあるという事だな

 それだけが朗報だな」


王様はとても安心したようだ、とても優しい王様なようですね


「以上が私達が確認した事です」


「うむ、ご苦労であった、やはりお主に依頼して正解だったな

 褒美についてなのだが・・・」



王様な言いかけると激しいノックと共に軍服を着た人が入ってきた


「お忙しいところ失礼します!至急お伝えすることが」


兵隊さんの顔がとても慌てている、何かトラブルでもあったのでしょうか


「ハッそれが・・・」


兵隊さんが私の顔をちらりと見る、とても話しにくそうだ


「良い、この者が居ても構わん申してみよ」


「ハッ!王都西より、大量に魔物が集結してるのを確認しました!

 中には魔族も居るようです、」


「なんだと!?数は?」


「はい、それが数千・・・下手すれば1万に届く勢いかと」


「いちま・・・」


中腰だった王様は諦めた様子で椅子に座った


「ここあよ、お主また依頼を受けないか?」


「え・・・?」




高梨ここあ17歳平穏はまだ先のようです

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