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高梨ここあ、王様に会いに行きます

コンコン


「何ですか、こんな時間に・・・」


ギルドを後にした私は宿に戻り倒れこむように寝てしまった

肉体的には疲れてませんが精神的にくたくたです


「は~い、なんでしょうか?」


眠そうな声で合図をする

とうに日は昇っているが、引きこもり体質の私にとっては12時までは朝だ


「高梨ここあ様、お休みの所すみませんが、至急王宮まで来て貰えませんか?」


「王宮?あぁ・・・」


今日王様と謁見できるのすっかり忘れていました

そういえば、昨日優勝したんでしたね

寝ぼけ顔では恥ずかしいので軽く身支度をするとドアを開ける


「お待たせです~」


「失礼します、近衛騎士団団長ジョイ・パットンと申します

 表に馬車を停めていますので一緒に来てもらえますか?」


何だか古い戦車みたいな名前の団長さんですね・・・

もちろん断る理由もありませんので頷く


「はい、分かりました」


「有難う御座います、こちらです」



宿を出て馬車に乗り込む

外装も凄かったが内装も絢爛豪華だ


「あー・・・私凄く目立ってますね・・・」


「はっはっはっ何を今更、ここあ様は王宮・・・

いや今や国中の話題の的ですよ

 あのダグラスシーカーを一方的に倒したんですからね」


「あはは・・・」


私は苦笑いをする


「あの~私こんな格好なんですが良いんですか?」


「ここあ様のご職業は冒険者と聞いております

 ならば、格好や作法などは気にしないで下さい

 我々が招く側なのですから」


「それは助かります」


前世日本で普通の女子高校生だった私が貴族の着こなし何て知る芳も無い

正直助かりました


10分ほど馬車揺られると王宮へ到着した

堅強な門を抜けるとお堀に橋が架かっており、その先に王宮がある

とても豪華だ

それにしても・・・


「あんな少女が・・・」

「かわいい・・・」

「噂によると巨漢の男を片手でひねり潰したらしいぞ」


耳の良い私は兵士達の噂話が聞こえてくる

どうしてこんな華奢な腕で片手でひねり潰せるのでしょうか

心外です


「その・・・ここあ様すみません後で私がきつくしかっておきます」


どうやら、顔に出ていたのでしょうか、団長さんが気を使ってくれる


「いえ、構いません今度見かけたら私が直におしおきします」


「はは・・・ご冗談を・・・」


横を歩く団長さんの顔が引きつっている

冗談なのに・・・女の子の冗談なのに・・・

豪華な絨毯の廊下を歩くとやがて大きな扉の前に到着した


「こちらです、ここから先はお一人で行って下さい」


私は頷くと扉に向かって歩く

両脇に仕えているメイドさん?らしき人がドアを開けてくれる


「失礼します」


中を見ると両脇に数百人の豪華な鎧を着た兵士そして正面に王様らしき人が居る

思ったよりも若い王様だ


「ここあ様こちらへ」


メイドさんに促されるまま王様の前まで到着する


「良く来たな、余がルイ・パトリシアである武道大会見事だったぞ」


「はい、ありがとうございます」


私は素直にお礼を言うが周りがざわついている

良く見ると私以外全員跪いている

コソっとだが「所詮冒険者等・・・」とか聴こえてくる

そんな事言われても17歳の少女に王様との謁見方法何て知りません


「あ、あのすみません私、作法とか分からなくて何か失礼があればおっしゃってください」


「はっはっはっ 良い良い気にするな冒険者とは自由な物、強者とは傲慢なもの

 それよりも、世に何が願いはあるか?あまり無茶な事でなければ叶えてやるぞ」


思ったよりも気の良い王様だ


「はい、あの・・・もし良ければアルカンティアに一軒大きめの家を頂ければ嬉しいです、出来れば良い場所で」


「ほう?家とそんな事で良いのか?」


「はい、私はそこで孤児院をやろうと思ってます」


「なぜ?そんな事を?」


王様は不思議そうな顔をしている


「先日、広場で一人の少女に出会いました、その少女は汚れた服を着て体も痩せ細っていました

 そんな子供達がこの王都に沢山居ると聞いてます

 子供の悲しい顔は見たくありませんから」


「なるほど・・・強くて優しい女の子か・・・

 あい分かった願いを聞き届けよう、確か一軒王族が管理している建物が余っておる

 そこを使うが良い」


「はい、ありがとうございます!」


「ここあよ、お主に一つ聞きたい事がある」


「はいなんでしょう?」


「神人という存在を知っておるか?」


また神人だ、私も何度か言われている


「いえ、知りませんが・・・それはどういった存在なのでしょうか?」


「うむ、神人とは100年前の人魔戦争に現われた英雄で

 そのスキルは遠距離攻撃を得意とし

 そやつの使う武器の破壊力は一撃で魔人を倒したと言われている

 記録に残る武器がお主の物と似ておるのでな」


100前に・・・そういえば転生管理者様が100年に一度送り込めるような事を言ってました

私と似てる武器、第一次大戦頃の兵器・・・そう大砲等を用たのでしょうか


「いえ、すみませんまったく知りません

 お役に立てず申し訳ありません」


「いやいや気にするな、それに記録の物だとお主みたいに出鱈目な物ではないようなのでな

 多分違うだろうと思っておった」


「はぁ・・・」


100年前の地球生まれの人がこっちにも居た!

しかしそれだけの年月がたっていればもう確認しようがありません


「野暮な事を聞いたな、それでは改めて優勝おめでとう

 建物は後日案内させる」


そう言うと王様は立ち上がりその場を後にする


「ここあ様こちらです」


隣に跪いていたメイドさんに出口に促される

そのまま王宮を後にするとギルドに立ち寄ることにした







「馬鹿かお前は!!!!」


ギルドに入るなり大男に怒られた

何ですかいきなり


「な、何ですかギルマスさんいきなり馬鹿って!」


「はぁ・・・お前なぁ心配で見に行ったのは良いが国王陛下相手に立ちながら話す馬鹿が何処に居る」


「そんな事言われても私礼儀作法なんてしりませんよ!」


はぁ・・・と深い溜息を付き頭をぽりぽり搔いている

それにしてもあの場にギルマスさん居たのですね


「まぁ良い・・・いきなりだがここあお前のギルド等級を上げさせてもらったぞ」


「はい、何でですか?」


「決勝でダグラスを倒したんだ、流石に7級ではあいつの立つ瀬がないのでな

 今日から3級冒険者だ」


「え?そんなに簡単で良いのでしょうか?」


「構わん、誰も文句は言わんだろう

 まぁお前に文句を言う命知らずはないだろうがな」


ギルマスは周りを見渡すと、ギルド内に居た冒険者がサッと目を逸らす


「なっ、というわけで受け取れ」


銅色のメダルが付いたペンダントを渡される


「そいつが3級冒険者の証明だ無くすなよ」


「はい、ありがとうございます」


素直にお礼を言いペンダントを受け取る


「すみません、今日は疲れたので宿に戻らせて頂きますね」


「あぁ、俺の用事は終わった、ゆっくり休め」







ギルドを後にすると宿のベットに寝っころがった


「つかれましたーーーーーー」


バサーっとベットに寝っころがる


あーメイドさん可愛かったなー

私もメイドさん欲しいなー


「あっ閃いた!」


ガバっとベットから起き上がる


「私の便利スキルでメイドさん召喚できないでしょうか」


強くて、優しくて、美人のメイドさんっと・・・

私の理想とするメイドを思い浮かべながらスキルを使用する


「いでよ!メイドさん!」





目の前に身長170cm、黒い長髪でメイド服を来た超美人さんがそこに居た

成功です


「ハッ、ここあ様ご用件はなんでしょうか」


え、何で跪いてるの?様ってなーに?私何か失敗したのでしょうか・・・









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