高梨ここあ武術大会で戦います2
試合場へ向かう、すると遠くから大きな歓声が聞こえてくる
到着し対戦相手も確認すると私と同い年位の可愛い少女だ
「なるほど、人気が出そうですね・・・」
ぼやきながら位置につき身構える
相手の格好を見るといかにも魔術師といった格好だ、頭には尖がった帽子が乗っかっている
「貴方が卑怯な手を使って勝ち続けているという冒険者ですわね!私にそんな手が通用すると思ったら大間違いですわよ!」
初対面早々挑発された、私の愛する武器たちを馬鹿にされたみたいで少しムッとした
この世界に来てからそんな事ばっかりだ
挑発には無視することにする「何なんですかあの子」とか何とかブツブツ聴こえる
「Aコーナー、王国最高峰の魔術師集団と言われる宮廷魔術師の中で天才と言われる少女、アリサ・マクウェル様
対するBコーナー、トリッキーな手で勝ち続け破竹の勢いの高梨ここあさんで~す!」
司会の紹介が終わると会場が「おーーー!!!!!」と響き渡る、大盛り上がりだ
「それでは両者位置に付いてくださ~い」
両者位置に付き身構える
「開始してくださ~い」
開始すると同時に腰にある拳銃を抜き相手に標準を合わせる
取り出した拳銃は言わずと知れた名銃スミス&ウェッソンM500だ
「先手必勝、少し痛いですが我慢して下さい!」
相手の足を目掛けて3発発砲する
「バーン!バーン!バーン!」
世界最大の破壊力と言われる拳銃だ、発砲音も凄まじく会場に響く
「貴方の武器見切りましたわ、風の精霊よウィンドガード!!!」
杖を構えたと思ったら緑色の球体がマリサを覆うように現われた
50口径の銃弾がいとも容易く弾かれる
「なっ!?これが魔術ですか、やっかいですね」
「だから、言ったでしょ、私にそんな卑怯な手は通じないって」
マリサは杖を振り上げると攻撃に移った
「次は私の番ですわね、風の精霊よ敵を貫けウィンドアロー!」
今度は緑色の矢が1本現われ襲ってくる
回避は間に合わない
「仕方ありません!」
急いでm-16アサルトライフルを取り出し矢に向けて発砲する
すると矢が掻き消え銃弾がアリサを襲う
「なっ!出鱈目ですわね、ウィンドガード!」
またも銃弾を弾かれる、そしてマリサが次の攻撃へと移る
「火の精霊よ、ファイアーブレス!」
火にブレスが私を襲う
「まるで火炎放射器ですね!火力勝負といきますか」
火炎放射器を出し応射する
「いきますよ、ふぁいあーーー!!!」
火と火がぶつかりあう、しかし火炎放射器に魔術が適うはずも無い
「なっ!貴方も火の魔術を、まっまっまって、、、きゃ~~~~~~」
魔術と火炎放射器がぶつかった影響で爆発が起きマリサが吹っ飛んだ
私は神様譲りの肉体能力のせいかビクともしない
マリサが吹っ飛び唸り声を上げている
「ぅぅ~~~」
チャンスを逃すまいと一気に間合いを詰めマリサ胸に拳銃を突きつける
「はい、私の勝ちで良いですね?」
にっこりと問いかける
「ッッッ・・・仕方ありません、私の負けです・・・」
悔しそうに涙を浮かべながら降参する
何だか私が女の子をいじめてる様で後味が悪いです・・・
「決まりました~~~勝者ここあさんで~~す」
司会の声が会場に響く
「有難う、楽しかったです」
マリサに向かって手を差し伸べる
「今回は負けてあげますわ!次は絶対私が勝ちますからね!」
ツンデレみたいな事言い出した!?
それでも素直に私の手を取り立ち上がってくれた
根は良い人ですね
「はい、いつでもリベンジ受け付けますね」
去ってく背中は少し悔しそうだ
待合室に戻ると、顔が緩みだらしない顔になってしまった
「やったーーーーー無事決勝進めましたーーーーー!!」
一人喜びの声を上げる、少し恥ずかしい
するとコンコンとノックされる、まだ出番にしては早すぎるはずです、どなたでしょうか
「はい、どうぞー」
私が入るように促すと一人の大男が入ってくる、ギルドマスターだ
「お疲れ様、そしておめでとうと言いたい所だがお前さんに忠告に来た」
「はえ、忠告ですか?」
私は首を傾げる
「そうだ、決勝の対戦相手についてなのだが・・・棄権しろ」
何を言い出すかと思えば、私に棄権しろと?
「え?意味が分かりませんがどうしてでしょう?」
ジンは深く考え顔を上げる
「やはり説明が必要か、王都・・・いや王国で一番腕の立つ最上位冒険者だ
勇者に一番近い男とも言われている
普段の練習試合なら良い、しかし今回のルールは武器が使用可能だ
ここあ、お前は将来2級・・・いや前人未到の1級冒険者になれる器だ
こんな場所で潰させたくはない」
それ程やばい相手という事でしょうか?しかしこんな所で引くわけにはいきません
「命の危険があるのは重々承知です、絶対辞退はしません」
強い熱の篭った目でジンを見る
「・・・そうかこれ以上は言わん、だがやる以上は勝て、休憩中失礼したな」
私の目を見て諦めたのかそう言い残すと待合室を後にする
最上位冒険者、一体どれほど強いのでしょうか