私はミリタリーマニアです
私、高梨ここあ(17)は鏡原にある航空宇宙博物館に来ています
え、女の子が何でそんな所に居るかって?
だって私・・・とってもミリタリーが好きだからです!
兄の運転で連れてきてもらっているのですが興味の無い兄はとても退屈そうです
「なぁ、ここあお前女の子だよな?」
「お兄ちゃん失礼だよ!ねぇ見てよ飛行機の胴体ってまん丸としてて可愛いんだよ~~~」
「お前なぁ・・・」
兄はとても、飽きれています失礼です
同級生や友達は皆、私を変な目で見ます
先日もカラオケに誘われて仕方なく付いていったけど、男の話とファッションの話ばかりですぐ飽きました
服なんて体を隠せれば良いのです!新作のお洋服追いかける暇があったら、ラプターちゃんの模型が欲しいです
「ここあは何でそんなに好きなんだ?」
「分かってないですね、こんな可愛い物この世にありませんよ!見て下さい、この戦闘機は太平洋戦争時代の飛行機なのですが
まん丸でとってもキュートです♪」
「そうかそうか、もう2時間も居るんだからそろそろ帰るぞー」
返事がとっても淡白です、興味が無いとは言え心外です
「え、たった2時間?一日中居たっても飽きませんよ~~。」
駄々を捏ねて見ますが、兄はとっても帰りたそうです
仕方なく岐路に付くことにします。
出口の自動ドアを開けると桜の匂いが風に乗って鼻を仰いできます
爽やかな空気を鼻で吸い込み呼吸を整えながら意を決して口を開く
「ねぇ、お兄ちゃん」
「ん、何だ?珍しくまともな顔して」
「もーそんな無神経だから未だに彼女いないんだよ~~」
「お前見たいな兵器マニアに言われたくねぇ!」
キャハハと私は笑いながら真顔を意識して続きの言葉を口にする
「私ね、こんなんだから友達もあまり居ないんだ」
兄は気まずそうに頬をぽりぽりと?きながら答える
「そ・・・そうか、お前も普通の趣味持てよ」
えいっ!と兄の腕に抱きついた
「お兄ちゃんこれからも仲良くしてね」
私はその時とても笑顔だったと思う、あぁ今日と言う日が一生終わらなければ良いのになぁ・・・
その時、背中に激痛が走った
「ここあああぁぁぁぁ~~~~~」
兄が必死な顔をしてこちらに駆けつける
何が起きたか分からない私はお腹に手を当てた
手の平いっぱいに赤い液体が広がった、血だそれも私の...
バサっとその場に倒れこむ
「え、何これ?痛いよ?とっても痛いよ?」
「ここあ、おいしっかりしろ、ここあ!」
横を見ると30前後のパーカーを着た男性が震えた目でこちらを見下ろしている
「ふへ・・・ふへへ・・・お前が悪いんだ俺の前でいちゃつくから」
理不尽、とっても理不尽です、痛みで怒る事すら考えられません
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いイタイイタイタイいたいいたいぃぃぃぃぃ~~~」
「あまり喋るな!今助けを呼ぶからな!」
兄が抱えてくれますが腕も服も真っ赤です
必死に叫んでる声が聞こえますが、それはもう遠く遠くの出来事のようです
私・・・死ぬのかな・・・
悲しみとも怒りとも何とも言えない感情が私の頃を支配します
もう痛みすら感じません
あぁ短い人生だだったな、こんなんだったら冷蔵庫のプリン食べておくんだったなぁ・・・
そのまま私は目を閉じた
目が覚めるとそこにはとっても綺麗な女性が立っていた
「おはようございます ここあさん」