笑ってくれた
底冷えのする 朝方
おふとんに 深くふかくもぐりこんだぼくは
なにか 夢をみていました
こまかいところまで
よくおぼえていませんが
夢のなかで
あなたが
わらっていました
ぼくに
何かを言いました
なにか
他愛もないこと
ぼくの言葉に
耳をかたむけ
静かに 頷いていました
じっとぼくを見つめる 瞳
唇の柔らかな 動き
はにかんで 首をかしげるしぐさ
あなたの髪の 優しい香りまで
漂ってくるようだったのです
あなたはわらってくれました
ぼくに
あなたがわらってくれた
夢の中で
それだけで
うん
それだけです
こういうの あんまり 向いてないぼくは
こんな感じ なんと言えばよいのか分かりませんが
あなたがわらってくれた
それだけで
ぼくは きょういちにち
軽やかで やすらかで いられるのです
あなたがわらってくれた
夢のなかで
それだけで