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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

こんな時あなたならどうしますか?

作者: 小枝

『さぁ!今朝も開店MOCU'Sキッチン!

今回のお便りは…』

「(ジーッ)…。」

「どうした遥翔、箸逆だぞ。」

「…あ。…なんか、最近テレビで料理する俳優とか

増えてるな、って。」

「あぁ…そうだな、今は女性だけじゃなく男も家事

とか出来た方が色々と得だからなぁ。」

「シュウさんどこで料理覚えたんだ?」

「ん?俺は一人暮らし始める時にお袋に何品か

教えて貰ったな、あとはまぁ、自力で調べたり

とかな。」

「へぇ…。」


____数日後、学校にて。____


「おっはよ〜。」

「あっ、おはよ昂!」

「おぅ、来たか。」

「おいちょっとお前の机見てみろよ!」

「はぁ?なに〜?…ん?」

ちょこん

「…なにこれ。」

「さぁ?朝来たらなんか置いてあったぜ?」

「昂って今日誕生日だっけ?」

「いや、違うけど…。」

「だよなぁ、でもなんかカード付いてんぞ?」

「読めば誰からか分かるんじゃないか?」

「ん。」

パラ…

『作ってみた』

「…え、これだけ?」

「うわ、なんだこの某動画サイトにありそうな文…。」

「女子の字っぽくないよねこれ…。」

「女子ならもっとアピールするだろうし…?」

「なぁ〜んだ女子からの告白じゃねーのかよ、

つっまんね!」

「悪かったな!ってかなんでボクが謝らないと…」

「ん?待って、じゃあ女子からじゃないってことは…。」

「…男子?」

「え、おま…マジかよ…?」

「えっ、ちょっ…待って待って!!も、もしかしたらホラ!どっかのクラスの男子が、

間違えてボクの机に置き間違えたとか!

そーゆー事とかあんじゃん!」

「あ、あぁ…だよな。」

「そうかもね〜、でも誰なんだろね?」

「さぁな、てか昂、それどうすんだ?」

「え?…あ〜、う〜ん…ちょっと心当たりあるから、とりあえず預かっとくわ。」

「おっ、何だよ!誰か分かんのか?」

「え〜?誰誰ぇ?」

「プライバシー侵害なのでノーコメントで。」

「え〜気になる〜!」

「誰か分かったら教えてくれよな!」

「あはは、どーしよーかな〜…。(チラッ)」

「…。(フイッ)」


____放課後、下校途中。____


「あれ置いたの、ハルでしょ。」

「…違うけど。」

「ホントにぃ?」

「…。(フイッ)」

「はい、目ぇ逸らした〜!確定!まぁ、

最初からなんとなくそうゆう気はしてたけど。」

「……。」

「んでさぁ、これ何?」

スッ

「なっ、お前…まだ食って無かったのか…?」

「そりゃちゃんと確かめない内は怪しくて食べれないでしょ…ん?てゆうかこれ食べ物なの?」

「…。」

「ちょっと、ちゃんと教えてよ!」

「開けりゃいいだろーが。」

「も〜っ……お、いい匂い。」

「じゃ、帰る。」

「いやいやいや!何でだよ!そこは食べるまで待ってよ!」

「断る。」

「直に感想言ってこその手作りでしょ?!」

「おい離せ、帰る。」

「まぁそう恥ずかしがんなって!大丈夫!不味くても飲み込みはするから!」

「その後吐くだろ絶対。」

「それは遥翔シェフの腕次第ですなぁ。」

「…馬鹿にしてんだろ。」

「というよりかは驚いてるって感じかなー、

だってハルが料理とか…その手はムカつくヤツを殴るためにあるんだとばっかり。」

「やっぱ馬鹿にしてるな、返せ。」

「おぉっと、危なぁい!おっ、チョコの匂い!

スイーツですか〜?」

「てめっ、返せっつってんだろ…!」

「あっはは!あっ、ブラウニー?形にはなってん

じゃ〜ん!」

「おい、いい加減に…」

パクッ

「あっ…。」

「ん〜〜…。」

「……。」

「…美味しい!?」

「…!ホントか…?」

「う、うん…え、嘘…マジで食える!」

「なんでお前の方が驚いてんだよ…。」

「だって絶対不味いと思ってたから!」

「ひっでぇなオイ…てか、そう思ったんならなんで

食ったんだよ…。」

「怖いもの見たさ、ってか味わいたさ?」

「えぇ…。」

「でも、ちょっと見直した!マジで美味しいし、

ハルもやれば出来んじゃん!」

「!…お、おぅ。」


____数日後、同じく学校にて。____


「おはよ…ってまたぁ?!」

ちょこん

「なんだよお前、心当たりあんじゃなかったの?」

「いや、まぁ…あってはいた、けど。」

「んでまた置き間違えたの?」

「やっぱお前宛なんだろ?」

「お、男から…?」

「あーもーほっとけ!」


____下校途中。____


「で?今度はシフォンケーキ作ったの?」

「ん。」

「…う、美味い…!」

「…!」

「うん、嬉しそうなとこ悪いんだけど、ボクの机に

無言で置いとくの止めてな。」

「無理。」

「なんで?!」

「照れる。」

「女子じゃないんだから、そうゆうのキモイだけ

だから。」

「きっ、キモ…。」

「あ〜、でも味はいいんだよな〜。」


____その後一週間に1度は昂の机に手作りお菓子が乗っているのであった、そして今日も。


「なぁ、お前の机って祭壇かなんかなの?」

「誰かが供物置いて祈ってんの?」

「あんた神様だったの?」

「うーるーさーいー!!あ〜も〜…!(ギロッ)」


____下校途中。____


「(シフォンケーキからアップルパイ、次にタルト、そんでもってザッハトルテからのマカロン…着々と

腕を上げてやがる…!今度はやけにデカイけど何だ…?!)」

パカッ

「……………は?」

「…ふっ。」

「い、家デスカコレ?」

「ヘクセンハウス、まぁお菓子の家だな。」

「へー、スゴーイ(う、嘘だろ?!家?!お菓子で

建築までしたわけ?!ちょっと褒めたからって

ブラウニーからの飛躍ヤバくない?!てか絶対一人

じゃ食べ切れない!)」

「(ジーッ)…。」

「(うわめっちゃ見てくる!

期待と自信に満ちた目で見つめてくる!

いくらなんでも少し引いたなんて言えない!)…あ、あ〜うん。か、帰ったら食べるね…てか、さ、

もうお菓子はマスターしたんなら、

今度はなんかしょっぱいお菓子作ってみたら?」

「しょっぱい?」

「そ、そう!甘いものばっかでも飽きるからさ〜。」

「そうか…そうだな、分かった。」


____夕方、昂の家____


「ただいま〜…ってうわぁ!な、なにこれ可愛い〜!!」

「おかえりなさい、凄いわよねぇ〜これ!昂のお友達が作ったんですって!」

「じょ、女子力ってゆうかもうパティシエ並じゃん!」

「それがねぇ、作ってくれたの男の子なんですって。」

「男?!は?!男が一人でこんなメルヘンハウス作ったの?!…んで、なんであんたはそんな突っ伏してるのよ…?」

「あぁ…姉ちゃん…食べたいんなら食べて、

どうぞ…。」

ススス…

「え、いいの?…ん〜美味しい〜♡」

「そうなんだよ…美味しいんだよなぁ…はぁ。」

「あらあら、もうちゃんと言っちゃえばいいじゃないの、そうした方がお友達のためにもなるのよ?」

「?どーゆう話?」

「なんだかねぇ、お友達が毎回お菓子をくれるもん

だから…増えたんですって。」

「何が?(パクパク)」

「2kg…さっき測ったら…増えてた…。」

「あぁ、体重?何よそんぐらい!あんた男のクセして細っこいんだから、むしろもっと太んなさい!」

「そうよねぇ、女の子じゃないんだから。」

「まだ2kgはいいよ…?でもこれから3、4…5…。」

「なら断ればいいじゃない。(モグモグ)」

「無理…なんかもうお約束みたくなってるし…

あっちも凄い楽しみにしてるみたいで…。」

「あ〜…難しいとこね〜。」

「でも断らないとお互いのためにならないわよ?」

「はぁ…だよねぇ…。」


____翌日____


「(とりあえず昨日で甘いシリーズはなくなる、

でもしょっぱいお菓子ってなんかあったっけ…?

せんべい?ポテチ?そうゆうのって家で作れるもん

なの?)」

ガラッ

「おはよ…。」

「お、来た猫神。」

「お猫様のご降臨〜!」

「うるせぇぶっ殺すぞ。」

「うわ物騒な神だなおい。」

「静まりたまえ静まりたまえ…。」

「ちょっと男子ぃ〜!昂、突っ伏しちゃったじゃん!謝んなさいよ〜!」


____休み時間、屋上。____


「はぁ………野菜チップス、…美味い…身体を気遣れてる…。」

ガチャ

「昂〜!あっ、やっぱりそこにいましたのね!」

「…あぁ、なんだアリサか。」

「なんだとは何ですの何だとはぁ!…あら、

それ野菜チップス?ですの?珍しいですわね、

昂がそんなもの食べるなんて。」

「うん、まぁ…食べる?」

「頂きますわ!…あ、美味しい〜!」

「…なら全部あげる。」

「いりませんわ、それよりどうしたんですの? なんだか元気ないみたいですわ。」

「アリサ…そっか、アリサならこんな時どうすれば

いいか分かるかも…それがさぁ」


____数分後____


「まぁ!なんて押し付けがましいんですの!

分かりましたわ、この神宮寺アリサがガツンと

言って…」

「いやお願いだから止めて!アリサは言い方

キツイんだから!…気持ちはありがたいんだけどね…なんか他にいい方法ない?」

「なら捨てればいいじゃありませんこと?」

「すっ、捨て…?!う、う〜んさすがにそれはなんか気が引ける…。」

「でも、いくら恋人の手作りとはいえ…私ポッチャリした昂なんて見たくありませんわ!」

「ボクだって嫌だよ〜…でも断りづらい〜!」

「もう!昂は変なところで優しいんですわ!そこは

キッパリ断らなくてはいけませんことよ!」

「うぅ…分かった…頑張る…!」


____翌日____


「おはよ。」

「あ、神降格。」

「よっ、普通の昂!」

「はぁ?」

「だからもう止めなって!お前らウザイ!昂、もう

貢物尽きたみたいだよ。」

「…へ?」


____下校途中____


「その…悪かったな、俺も…なんか調子乗った。」

「う、ううん。別に…解放…いや美味しかったのは

ホントだし…。でも、なんでいきなり?」

「昨日…またお前に渡すの作ってたら…」

「ち、ちなみに何作ってたの?」

「ホールケーキ。」

「うっ…(マジで救われた…!)」


____昨日、遥翔の家____


「〜♪」

「なんだ、ご機嫌だな。」

「!!しゅ、シュウさん…。」

「最近よくキッチンに立っているが…

何を作ってたんだ?」

「べ、別に…。」

「ケーキか?」

「なっ…?!」

「警察を舐めるなよ?というかそれ位子供でも

分かるぞ…それと、誰かに贈るものだという

事もな。」

「…。」

「頻繁に料理してる割には食卓にはそれらしいものは出てきたことがないからな…花峰君か。」

「!!」

「はは、分かりやすい。お前が手料理を渡すくらいの人間なんて、花峰君以外ではそういない。」

「だったら何だよ…。」

「いや(珍しく照れてる…)……ん?遥翔、今まで

何気なく見てきたがお前、一週間に1度の頻度で

渡しているのか?」

「…そ、そうだけど…。」

「甘いものばかり?」

「この前、は…野菜チップスだった。」

「……花峰君は高校生男子の割には細身だったな?」

「あ、あぁ…?」

「という事は摂取カロリー量も…どれ位増えただろうな?」

「…?………あ。」

「やれやれ。」

____


「(しゅ、シュウさーーーーーーん!!!!)」

「お前がそうゆうの気にする事も、忘れてたわ。」

「い、いいよもう〜!…でも言う通りほんの少〜し

だけカロリー過剰摂取しちゃったからさ、

筋・ト・レ、付き合ってくれるよね?」

「…おぅ。」

「よし決定!んじゃ行こっ!」

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