表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
始終なき世界で  作者: 黒
第一章 学園編
8/8

実力検査

目を覚ます。

上半身を起こし、軽く伸びをしてから、窓の外、時計へと順に目を移す。

いつも通りの時間に起きたらしい。

昨夜はなかなか眠りにつけなかった事を考えると、もう少し寝ていたかったが、体に染み付いた習慣のせいで、ハッキリと目が覚めている。

授業開始時刻まで、まだ時間はあることを確認してから、自室をの扉を開け、共用の部屋へ行く。

いつもならば、起きるとコーヒーを飲むが、残念ながらインスタントコーヒーすらない。

それどころか、食材が何一つなく、あるのはやけに立派なキッチンや冷蔵庫、浴室といった、設備だけだ。

基本的に、学食は昼しかやっていないため、朝と夜は自炊するか、外に出るかしかない。

残念ながら、お金にも限りがあるため、なるべく自炊したいが、今夜は仕方がないだろう。

することもないため、椅子に座り、これから数日の予定を考える。


今日は授業、というか、説明会や検査があるため、何処かに出掛ける時間はない。

明日は何もないので、食材を買うとしたら明日だろう。

明後日からは、今日の検査の結果を見て、各々の能力に応じたレベルの授業を受けることになる。

レベルは、X,S,A,B,C,D,Eの7段階。Xに近いほど上位ということになる。

しかし、XやSは滅多に居ないため、一番多いB、Cクラスを2つに分けて7クラスにしているらしい。


何分考え込んでいたのか、ガチャっという音に反応して、反射的に顔を上げる。

視線の先には、金色の目を眠たげに擦りながら、部屋から出てきた相手を見る。

昨日から同じ部屋で暮らすことになった、いわゆるパートナーである。


「……おはよう」

「あぁ、おはよう……起きるの早いな…」

「………習慣だからな…」


時計に目をやれば、ゆっくり準備しても余裕で間に合うくらいの時間だった。

準備といっても、着替えるくらいしかないのだが。


____________________


「欠席者、遅刻者はいないよな?それじゃあ、今から検査の説明をするぞ」


教室に着くなりそう声を掛ける教師。

昨日と同じ教師のため、恐らくこのクラスの担当なのだろうが……。


「…えーと、時間がないから、手短にいくぞ。検査は………」


と、言葉は続いていく、が。

時間がないと言ったのは、ほんとその通りで、本人が遅刻したからだった。

何か事情があるのか分からないが、こんな大事な日に遅れるのは教師としてどうなのだろうか。

まぁ、それはいいとして、話を聞く。

今日の午前は素因検査。お昼を挟んで能力と魔法検査がある。

素因検査と言っても、体内を循環してる素因を少し抜き取るだけなのだが。

素因を体内に持つ者は、持たない者に比べて身体能力が格段に上がる。

そのため、素因を少しでも抜き取ると、気持ち悪くなったり、脱力したりと症状が出ることがある。

だからといって、魔法や能力を使用した後だと、正しい結果が出ないため、素因から調べることになる。

本来は、入学式を終えた後、魔法、能力検査で、次の日が素因検査だったのだが、まぁ、あんな事故が起きたら仕方ないだろう。

ある程度の説明を受けてから、素因検査の会場、医務室に行くことになった。



学食。素因検査を終えて、昼食を食べるために集まる生徒。

その表情には、喜びや落胆、絶望したような生徒まで様々だ。

結果は、その場で伝えられるため、自分の素因属性や規模はすぐに知ることになる。

規模は素術の威力だけではなく、身体能力にも関わってるため、大小は結構重要なのだろう。

また、属性も、魔法の威力に関係するため、自分の得意魔法と同じ属性じゃなかった場合もショックが大きい。

そんなわけで、学食は賑やかだった。


「瀬琉は何属性だったん?」

「……氷だった…」

「まじでかぁ……闇属性って、需要あんのかな…」

「………さぁ?…」

「…うぅ~……」


そんな会話をしつつ、お互いの頼んだものが出来上がるのを待つ。

なんとなく、あらゆる方向からの視線を感じるが、気にしないでいると、1つの足音が近付いてきて、すぐ横で立ち止まる。


「おい」

「……なにか?…」


ぶっきらぼうに掛けられた声に対し、相手に目を合わせるのではなく、声だけで答える。

特に何かした覚えはないし、そもそも、この学園に入学してから関わったのは、目の前に座る白鈴くらいだ。

そのため、用件は特に思い当たらず、思案してると、また声がかかる。


「お前、素因が氷と言ったな?」

「……そうですけど……それが?…」

「丁度いい、人が居なくてな。俺の研究チームに入れ」

「……遠慮しときます…」

「色々な属性の素因の持ち主を集めて、お互いに競い合うと今まで以上の力が手にはいるぞ。まぁ、まずは、お前の素因の規模だな。どのくらいの規模かによって、練習内容が異なるし」

「…いえ……あの……」

「その後は、ただひたすら鍛練だ。面白そうだろ?だから、入れ」

「…………」

「お?何だ?嬉しすぎて言葉も出ないのか?そうかそうか、それならばよかっ……ってぇぇぇ!!何でいきなり殴る!」

「…こうすれば、静かになると思った……」


もちろん、嘘である。

腹に軽く1発打ち込んだくらいでは、静かになるはずがない。

ただ単に少し、ほんの少しだけイラッとしたからだ。


「……あなたが誰なのか知らないけど…」

「ん?あぁ、自己紹介してなかったな。俺のn「あ、結構です」


相手の言葉に被せるように、というか言葉を遮る。

どうやら、喧嘩を売りに来たわけではないようだが、上から目線だししつこいので、その場を後にすることにしよう。

丁度、注文してたものが出来たらしく、白鈴と共に取りに行く。

さすがに追いかけてはこなさそうだが、明らかに目をつけられただろう。


「………はぁ……」

「あはは」


思わず出たため息に、白鈴は苦笑いで答える。

午後は何もないことを願いたい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ