能力
戦闘シーンを書くのは初めてなので、少しおかしな文があっても、あまり気にしないでください。
7つの剣は、ドラゴンの周囲を飛び回りながら、傷を作っていく。
何故、剣が飛んでいるのか。全くもって不可解だった。
誰かが操作してる可能性もある。けど、1度に7本の剣を操作するなんて、とても集中力が必要で、こんな状況で簡単に出来ることじゃない。
だからといって、一人1本操ってるとは思えないほど、息が合った動きをしている。
くわえて、空間の外からは、操作不可能だ。
ならば、考えられるのは1つ。
剣自身が意識を持ってる可能性。
空間に、ドラゴンの怒った咆哮と、剣の空気を切り裂く音のみが響く。
何分経っただろうか。ずっと同じ姿勢でいるため、足が痺れそうだ。
ドラゴンの注意は完全に剣の方へ向いているが、それでも、体は動かない。
いまだに心臓が、自らの緊張を表すかのように、力強く脈打ってる。
なんとか冷静さを取り戻した頭をフル回転させる。
誰かに助けを求めたい、けど、いったい誰に求める?
生徒は扉の前で固まっているが、恐らく戦えるものは居ないだろう。
教師がいるなら話は別だが、残念ながら、扉は閉ざされたままだ。
自分の力でどうにかするしかない。
そんな、どこから湧いたのか分からない使命感を抱きつつ、何とか立ち上がる。
わざわざ、剣を使って、近よる必要はない。
ドラゴンに背中を向けず、動きに注意しながら徐々に距離を取る。
7つの剣に必死なのか、こちらの動きに気付いた様子はない。
時間がゆっくりと流れる感覚に陥る。
両脇にある剣の1つ1つに軽く触れながら、後ろに下がる。
重さや長さ、効果は触れた時に感覚で感じとる。
およそ20歩、10本程の剣に触れ終えた辺りで立ち止まる。
さすがに気付いたのだろうか、こちらの方を見て、咆哮を上げる。
しかし、今なら、襲いかかってきても問題ない。返り討ちに出来る。
そんな、確かな確信を抱きつつ、しかとドラゴンを見据え、先程触れた剣1つ1つを思い起こす。
想像と現物に多少の違いはあれど、問題はない。
右手をドラゴンの方へ向ける。
7つの剣よりも、こちらを最優先事項と捉えたのか、ドラゴンはこちらを向き、剣を気にしながらも、その口に青白い光を溜めてくる。
しかし、もう遅い。
想像した剣の1つ1つへ指令を飛ばす。
操作と呼ばれる系統の力は、自分の想像の強さに比例する。
つまりそれは、いかに冷静になれるか、想像をどれだけ精密に出来るかが重要になる。
自分でも驚くほど冷静に、淡々とした声で。
「…切り裂け………」
そう、呟く。
その一言で、自分の想像した通りに剣は動く。
ギリギリ視認できない程の速度で。
指令を受けた、10本の剣は吸い込まれるように。
ドラゴンの青白い光が集まってる口へ。
自分の勝ちを確信した。
…しかし、それら10本の剣は、何かの障壁に阻まれて、破裂音を響かせ、砕け散る。
ほんの一瞬の出来事に、唖然とし、急速に思考能力を失う。
__勝てない、無理だ__
倒れ行く体。能力の反動だろうか、はたまた痛みを感じなくするための防衛本能だろうか。
薄れ行く視界の中、意識を手放す直前、黒い光と声が聞こえた。
______リフレクト_
最後の声、聞き覚えがないはずなのに、涙が出るほど懐かしく、とても安心できる声だったのは。
気のせい……だったのだろうか………。




