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始終なき世界で  作者: 黒
第一章 学園編
3/8

巨大な武具庫

「出来たか?」


騒がしかった教室が、徐々に静けさを取り戻していく。

ルームメイトとなる相手を決め始めてから数分。

どうやら全員、ちゃんと決まったらしく、それぞれが隣同士の席に腰掛ける。

皆が席に着き、教室が静かになったところで、教師は教室を見回しながら、再度口を開く。


「…よし、それじゃ、これから部屋番号とキーを渡すから、どっちか片方が取りに来い」


こうなった場合、大抵はジャンケンで決める。自ずから行こうとする者は少数派だろう。


「ジャンケーン」

「……ポン…」


この二人も、例に漏れず、ジャンケンで…

勝った方、瀬琉と名乗った青年が取りに行くことになった。

部屋番号は違えど、どの部屋も全く同じ広さの、全く同じ構造になっている。

そのため、先着順に部屋は割り振られる。

部屋番号、715。

つまり、7階の部屋と言うことになる。

部屋番号と2つのキーを受け取り、席に戻る。

その動きは、まるで何度も練習したかのように、機械的な動きで、否応なしに周囲の視線を集める滑らかさだった。

そのまま、瀬琉は席に着き、隣に座る白鈴に部屋番号と、キーの片方を渡す。


2つのキーは、部屋への鍵、部屋から更にそれぞれの部屋に続く部屋の鍵、そして、ロッカーやお金の引き出し等に共通して使われる鍵だ。

よくある鍵の形をしているが、使い方は鍵穴に差し込んで回すわけではない。

まず、詳細設定、それぞれの鍵のパスワードを入力し、セキュリティも追加して初めて使用可能になる。

彼は、流れのまま詳細設定を入力しようと手を動かすが、ふと手を止める。

この話は、まだ誰からも聞いていない。

そして、この学園でしか使われてない鍵なので、前から知ってる訳がない。

しかし、直感的に手は動いた。使い方も、確かに記憶にある。

そんなはずはないのに。

咄嗟に隣に座る相手を見る。

その視線の先では、普通に詳細設定を入力してる姿があった。


「あれ?……詳細設定、教わったっけ?…」


隣のこれから相棒として過ごしていくことになる彼にだけ聞こえるように問う。

彼は、ちらっと此方を見てから、口を開く。


「……入学書類に、書いてあった……」

「……あ、あぁ、道理で…」


少し気が動転してるのだろうか、どうやら書類に書いてあった文字より、その時の想像が頭に浮かんだらしい。

他の人も詳細設定を入力してるところを見れば、少し出遅れたと気付いたのか、少し急ぎ目で入力し始めた。



「瀬琉は何にするん?」

「……着いてから考える……」


移動中。

教室を出て、廊下を歩く。教室は魔法により、防音となっているため、廊下でいくら騒いだところで、緊急の速報以外の音は大抵聞こえない。

それ故、移動の間中はこれからのパートナーと他愛のない会話をしたり、改めて自己紹介をする時間として使われることが多い。

後は、これから向かう場所で行うことの会話ぐらいだろうか。


「……白鈴は決めてあるのか?……」

「んー、決めとらんな。適正な物があるのかも定かじゃないし」


これから向かう場所、訓練所や闘技場と呼ばれる大広間で、一人一人が使用する3つの武器を決めることになっている。

人には武器に対する適正があり、相性の良し悪しで決める人、ただ単に憧れの武器を使う人などがいる。

適正の武器であれば、初めからその性能を存分に発揮できるし、適正じゃなくても、使ってるうちに波長が合ってくることもある。

まぁ、どうしても合わない場合も当然ながらあるため、その場合は諦めるしかないのだが。

そんな思考を巡らせてる内に、目的地に到着する。

そこには、武器の名前と見本が置かれたいくつもの扉があった。

剣、弓、銃、杖といった一般的な物はもちろん、木の枝や飴、文房具などまであるらしい。

もちろん、これらは全て武器で、この数多ある中から、3つ選ぶことになる。


「扉は、その手前に置いてある見本と同じ種類の物が並べられた空間に繋がっている。各々、一時間以内に3つの武器を選んで、またここに集合すること、分かったか?」

「「「はい!」」」


教師の言葉を聞き終えるや、直ぐに生徒達の勢いのある返事が揃う。

既に先に来てるクラスもあったのか、扉を出入りしている生徒が多数見られる。

それを見れば、わくわくせずには居られないだろう。今にも飛び出さんとするかのようにうずうずしてる者が見られる。

それもそうだろう、世界中どこを探しても、こんなに武器が揃ってるところなどないのだから。


「すっげぇ、こんなの見たことない……」


驚きと感嘆の入り交じった声を聞きつつ、軽く見回す。


「それじゃ、一時間後な、解散!」


その声と同時に、ほぼ全員の生徒が走り出す。

この闘技場はとても広いため、ぶつかって怪我することはないだろうが……。


「……武器は逃げない……」


なんでそんなに急ぐのだろうと、そんな素朴な疑問を呟きつつ、瀬琉は1つの扉目指して歩き出す。

それにつられるように、白鈴も着いていく。

向かう先には、黒色の扉があった。

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