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ミリアの心情

デイヴィッドとの出会い、そして彼の真剣な探求心に触れたミリアの心情を描きます。


ーーーーミリア視点ーーーーー


わたしは正直なところ、最初は二歳児のデイヴィッド様が、これほど真剣に魔法の探求をしていることに驚いていました。彼の言葉の端々から、年齢に見合わない深い知識と洞察力が垣間見えて、その度にわたしは内心で息を呑んでいました。とても幼児とは思えませんね。その瞳の奥には、まるで何百年もの時を生き抜いた賢者のような、深遠な光が宿っているように感じられました。


エルフであるわたしにとって、人の年齢はさほど重要ではありません。わたしは数百年を生きる種族でして、人間の子供が大人になるまでは、瞬きにも等しい時間ですよ。ですが、デイヴィッド様は、その短い生の中で、わたしがこれまで出会ってきたどの人間よりも、いえ、もしかしたら同族のエルフの賢者たちよりも、真摯に魔法の真理を追い求めているように見えました。彼の知的好奇心と探求心こそが、彼を協力するに足る人物だと確信させてくれましたね。


初めてデイヴィッド様がユニーク魔法について語った時、わたしは衝撃を受けましたね。それは、教会の古文書にも記されていない、全く新しい魔法の概念でしたよ。彼の言葉は、既存の魔法体系を根底から覆す可能性を秘めていて、わたしの知的好奇心を激しく刺激してくれました。わたしは、デイヴィッド様が切り開くであろう新たな魔法の世界を、間近で見届けたいと強く願うようになりましたね。彼の探求に協力することは、わたし自身にとっても、エルフとしての長い生の中で得難い経験となるだろうと直感しましたよ。といってもわたしはまだ、18年ほどしか生を経ていないのですが。


もちろん、現実的な理由も無視できませんでしたね。ドバルコ家は、教会への多大な寄付をしてくださる貴族ですもの。そのご子息であるデイヴィッド様を無碍に扱うわけにはいきませんね。神官見習いとして、教会の運営を支える貴族との良好な関係を築くことは、わたしの務めでもありましたよ。ですが、それはあくまで表面的な理由に過ぎませんね。わたしの心は、すでにデイヴィッド様の魔法への情熱に強く惹きつけられていましたよ。


デイヴィッド様との日々は、わたしにとって刺激的で、発見に満ちていましたね。彼の純粋な探求心と、時折見せる子供らしい無邪気さに触れるたび、わたしの心には温かい感情が芽生えていくのを感じていましたよ。彼は、魔法の検証に夢中になると、まるで幼い子供のように目を輝かせ、成功すると無邪気に喜んでくださるのです。その姿は、わたしの心を和ませてくれますし、同時に、彼がただの「賢い子供」ではないことを再認識させてくれましたね。


そして、わたしの心には、もう一つの秘めた目標が芽生え始めていましたよ。それは、この幼いデイヴィッド様を、わたしの理想とする「男の子」へと育て上げていくこと!まるで光源氏の逆バージョンですね。エルフであるわたしにとって、人間の成長は驚くほど速いですから。だからこそ、この貴重な時間を、彼と共に過ごし、彼の成長を間近で見守りたいと願っていましたよ。彼の知性、探求心、そして時折見せる優しさに触れるたび、わたしの胸の奥には、淡い恋心の予感が静かに、しかし確かに育っていましたね。


わたしは、デイヴィッド様が魔法の検証に没頭する姿を、慈愛に満ちた眼差しで見つめていましたね。彼が新しい発見をするたびに、わたしもまた、自身の回復魔法の可能性を広げるヒントを得ることができましたよ。デイヴィッド様は、わたしの知識や経験を尊重して、真剣に耳を傾けてくださいますものね。その信頼関係は、二人の間に確かな絆を築き上げていきましたね。


ある日、デイヴィッド様が「ミリアの回復魔法は、本当にすごいね。僕のユニーク魔法と組み合わせたら、もっとすごいことができるんじゃないかな?」と無邪気に仰った時、わたしの心臓は小さく跳ねましたね。彼の言葉は、わたしの心に、これまで感じたことのない温かい感情を呼び起こしてくれましたよ。それは、単なる協力関係を超えた、特別な感情の萌芽でしたね。


わたしは、デイヴィッド様がこの異世界で何を成し遂げるのか、そして彼がどのような大人に成長していくのか、その全てを見届けたいと願っていましたよ。彼の隣で、彼の探求を支え、彼の成長を見守ること。それが、今のわたしにとって、何よりも大切なことでしたね。この淡い恋心の予感は、わたしの胸の奥で静かに、しかし確かに育っていましたよ。それは、エルフとしての長い生の中で、わたしが初めて抱いた、人間に対する特別な感情でしたね。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

今回は、ミリアがデイヴィッドと行動を共にするに至った心情を、彼女の視点から深く掘り下げて描いてみました。

デイヴィッドの知的好奇心と探求心がミリアの心を動かし、さらに「光源氏の逆バージョン」としての秘めた目標と淡い恋心の予感が芽生える様子が伝われば幸いです。

次回の「エピソード8 MP回復の模索」では、二人の協力関係がさらに深まっていきますので、どうぞお楽しみに!

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