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秋津皇国戦記  作者: 金剛愛宕
プロローグ
4/12

地中海に於ける戦い


 1940年、地中海ではヴェネチア王国対大英帝国の戦いが活発化していた。世界第3位の海軍力を誇る英国に、海軍力第6位のヴェネツィア王国がどこまで通用するのかが注目された。

 特に、1940年7月9日には、世界初の空母対空母の戦いが起こる。


 カラブリア海戦だ。


 ヴェネチア半島のつま先にあるカラブリア半島沖で起こった海戦であり、威尼斯(ヴェネチア)王国の第一艦隊、第二艦隊、第三艦隊が参戦した大規模な戦いである。



・第一艦隊

戦艦『ヴィットリオ・ヴェネト』

戦艦『リットリオ』

重巡洋艦『トレント』

重巡洋艦『トリエステ』

重巡洋艦『ザラ』

重巡洋艦『フィウメ』

重巡洋艦『ゴリツィア』

重巡洋艦『ポーラ』

軽巡洋艦4隻

駆逐艦12隻


・第二艦隊

空母『フランチェスカ・カラッチョロ』

空母『フランチェスカ・モロシーニ』

空母『アキラ』

空母『スパルヴィエロ』

重巡洋艦『ボルツァーノ』

軽巡洋艦2隻

駆逐艦16隻


・第三艦隊

戦艦『コンテ・ディ・カブール』

戦艦『ジュリオ・チェザーレ』

軽巡洋艦4隻

駆逐艦8隻


 ヴェネツィア海軍第一艦隊所属の戦艦は『ヴィットリオ・ヴェネト』級戦艦の一番艦と二番艦である。ガリア海軍の『ダンケルク』級戦艦(215m、30000t、33cm4連装砲二基)、『リシュリュー』級戦艦(247m、43000t、38cm4連装砲二基)への対抗策として建造された戦艦である。

 史実よりも約一年も就役が早かった『ヴィットリオ・ヴェネト』級戦艦は二隻が第二次大戦開戦に間に合い、三番艦・四番艦は進水が完了している。


 第二艦隊は空母四隻を中核とする機動艦隊で、174機の艦載機を(よう)している。史実には存在しない、それもかなりの機動部隊である。

 艦載機の内訳は空母『フランチェスカ・カラッチョロ』が67機、空母『フランチェスカ・モロシーニ』が25機、空母『アキラ』が43機、空母『スパルヴィエロ』が39機である。


 第三艦隊は旧式戦艦の艦隊である。

 現時点でのヴェネツィア海軍の戦艦は、新鋭戦艦が二隻に留まっており、旧式戦艦も貴重な戦力なのである。



 一方、英国艦隊はH部隊を陽動として、地中海艦隊25隻を動員し、北アフリカに向かう輸送船団護衛のため出撃した。


 攻撃部隊(地中海艦隊)

戦艦『ウォースパイト』

戦艦『ロイヤル・サブリン』

戦艦『マレーヤ』

空母『イーグル』『アーガス』

軽巡洋艦5隻

駆逐艦15隻


 陽動部隊(H部隊)

戦艦『ヴァリアント』

戦艦『レゾリューション』

巡洋戦艦『フッド』

空母『アーク・ロイヤル』

他13隻


 この内7月8日、英国海軍攻撃部隊の軽巡洋艦『グロスター』が艦橋に爆撃を受け、艦長以下18名が戦死している。

 しかし、艦隊から脱落はしなかったが。



 7月9日、両艦隊は激突した。

 先手を取ったのは英国軍だった。


 13時15分、英国海軍の空母『イーグル』『アーガス』の艦載機ソードフィッシュが、ヴェネチア海軍第一艦隊所属の重巡洋艦『ポーラ』への雷撃を敢行した。

 しかし、回避運動を取ったヴェネチア第一艦隊は、全ての魚雷の回避に成功する。


 13時55分、ヴェネチア第二艦隊の空母艦載機隊が敵空母への攻撃を敢行し、英空母『イーグル』が大破、英空母『アーガス』の飛行甲板に命中弾1発を叩き出した。

 ヴェネチア艦載機隊の練度は高くなかったが、数による確率で命中弾を出したのだ。


 15時15分、ヴェネチア第一艦隊の戦艦四隻と、先行していた英戦艦『ウォースパイト』が砲戦を開始した。


 最初の戦果は戦艦『ウォースパイト』による、戦艦『ジュリオ・チェザーレ』への命中弾であった。距離26000mでの長距離命中であったが、左舷を掠めたのみで、損害判定は小破だ。


 ヴェネチア艦隊も反撃する。

 直後にヴェネチア威戦艦『ヴィットリオ・ヴェネト』の砲弾が英戦艦『ウォースパイト』に直撃し、中破の損害を得る。

 そして、英戦艦『ウォースパイト』は数の不利を見て一時戦線を離脱する。


 16時11分、英戦艦『ウォースパイト』は後方の戦艦『マレーヤ』を待ち、再び砲撃戦となる。

 同航戦での撃ち合いとなり、威戦艦『リットリオ』が被弾。中破の損害を被ってしまう。


 しかし、16時13分、戦艦『ウォースパイト』に命中弾2発があり、大破させ後退を余儀なくさせた。

 16時14分には戦艦『ヴィットリオ・ヴェネト』の砲弾4発が戦艦『マレーヤ』を直撃。その後、転覆し撃沈に追い込んだ。


 16時15分、英空母『アーガス』の艦載機ソードフィッシュが威戦艦『ヴィットリオ・ヴェネト』を攻撃するも、戦果は無かった。

 一方、ヴェネチア第二艦隊の空母艦載機は敵空母『アーガス』撃沈『イーグル』を大破させた。


 この海戦は、お互いが主力を戦艦とし空母は補助艦艇としていた。しかし、ヴェネチア艦載機は空母を、英国艦載機は重巡を目標とした。

 この差がヴェネチアを航空戦の勝利に導いた。


 この海戦での教訓は、空母で空母を叩くと言う事であった。また、英攻撃機ソードフィッシュがヴェネチア戦艦を攻撃したが命中させられなかった事から、空母が戦艦を沈める事が出来ないと言う証明に使用される事になる。



ーーー



 同年10月12日にはパッセロ岬沖海戦が勃発した。

 マルタ島への英国補給艦隊の空母『インヴィンシブル』対、ヴェネチア空母四隻を中核とする第二艦隊による戦闘である。


 この海戦で空母『フランチェスカ・カラッチョロ』が中破するも、英国空母を大破させ、重巡洋艦『ヨーク』と補給艦4隻を撃沈させた。



ーーー



 11月27日にはスパルティベント岬沖海戦が勃発するが、双方ともに損害は軽微だった。



ーーー



 翌年3月にはマタパン岬沖海戦が勃発した。

 航空攻撃は空母『フランチェスカ・モロシーニ』が航空戦により左舷に被雷するも、敵大型空母『インドミダブル』を航行不能に追い込んだ。


 その後、戦艦同士の壮絶な砲撃戦の末、ヴェネチア戦艦『リットリオ』、重巡洋艦『フューメ』が大破する被害を受けるも、敵空母『インドミダブル』、戦艦『バーリアント』、軽巡洋艦『オライオン』を仕留めた。

 この時、ガリア海軍から鹵獲した空母『ベアルン』、戦艦『リシュリュー』『ダンケルク』『ストラスブール』が参加し、多大な貢献を果たした。



ーーー



 9月にはマルタ島へ向かう英国艦隊を攻撃し、空母『インディファカブル』と巡洋戦艦『レパルス』を撃沈、商船複数を撃破した。


 現在、北アフリカへの補給の重要拠点であるマルタ島は枢軸国の手に残っている。北アフリカ戦線も枢軸国有利に進んでいた。

 

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