冒険者ギルドへ
今週はちょっとドタバタしていたせいで更新できてなくて、待っていた皆様に申し訳ない。
冒険者ギルドへ
やって来ました迷宮王国!
街門を抜けるとそこには早朝とはいえども、かなりの人で賑わってますね。
むしろ早朝だから賑わっているのか?
街を歩く住人や、朝早くから出かけていく冒険者っぽい人たち、そして行商人の馬車なんかも行き交ったり、辺りからは活気のある声が聞こえてきます。
すぐに辺りを散策したいところですが、今回は先に向かうところがあります。
「えっと冒険者ギルトはっと……」
まずは身分証を作らないといけないのだ。
現在私が持っている身分証は、この国に来る際に国境を超える際に作った仮の身分証(審査の後、大銅貨3枚かかった)なので、学園に入るなら正式な身分証を作っておいた方がいいんですよね。
身分証になるものは冒険者ギルド以外にも商人ギルトや魔術ギルドなど色々ありますが、取得しやすいのが冒険者ギルドなんですよね。
ガルパパ達からギルドの場所は大体聞いてるし、目印になる看板は教えてもらってるからそう迷うこともない。
道すがら屋台で買った、多分鶏肉のたぐいと思われる串焼き(塩)を食べながら冒険者ギルドの看板を探していた。
それにしても塩もいいけどやっぱりタレも欲しくなるな~。
いつかそっちの制作も始めようかな? 確かはちみつや水飴、それに醤油に味噌とか色々足して作るんだったかな?
そうしながら歩いているとギルドの看板を見つけた。
はてさて、鬼が出るか蛇が出るか……、テンプレなのは門前払いとか他の冒険者に絡まれてそこから雪だるま式に面倒事に巻き込まれていくってのが定番かな?
……ちょっと、気配を薄めていこう。
なるべく目立たないように……、そう思いながら冒険者ギルドの扉を開けたのだった。
「ここはてめぇのようなガキの来るところじゃねぇ! とっとと家に帰れ!」
入った早々いきなり言われたのがこの一言です。
まさか入っていきなりテンプレな一言が聞けるとは思いませんでした……。
私に対してじゃないみたいですけど。
冒険者ギルドに入ってそうそう、ガタイのいいおじさんとショートソードを腰に下げた12歳ぐらいの青少年といえばいい男の子が言い争っていた。
「なんでだよ! 俺はもう12だぞ! 冒険者ギルドの登録は10歳、もっと言えば5歳ぐらいからでもなれるんじゃねぇのかよ!」
そう、一般的には冒険者になるには10歳以上で、簡単な面接と実技試験を受けて合格すると晴れてギルドに登録されることになっている。
そして先ほど彼が言った5歳でもと言うのは、いわゆるK、Jランクの事である。
一般的に知られている冒険者のランクは一番上からS、A~Iの順にあって、J、及びKランクは10歳以下の子供が親の許可を得てなれるランクである。
詳しい説明は省きますが、冒険者予備軍、または冒険者候補生と言った感じでしょうか?
主な依頼は街中での清掃活動などでしょうね。
まあそれは置いといて、なるべく気配を薄めつつ、騒ぎの中心を遠巻きに、ギルドの受付に向かうのだった。
厄介事にはなるべくなら関わらないに限る。
「いらっしゃいませ、初めてのお方のようですが本日のご用件は?」
カウンターでは、割りと美人のお姉さんが受付で答えてくれた。
「あの、冒険者登録をしたいんですが、この国に来たばかりで……」
「では、他国の身分証か仮の身分証はお持ちですか?」
「はい、入国した時に作ったものなら」
そう言って、持っていた仮の身分証を提示する。
「確認しました。ではこちらの書類に必要事項を書いて頂きます。代筆は必要ですか?」
「いえ、自分でかけるので大丈夫です」
そう言って、羊皮紙に記入していく。
名前、年齢、得意武器や魔法と言った基本情報を書き込んでいく。
けど後ろでは言い争いが続いていた。
「あの、止めないでいいんですか?」
必要なことをすべて書き込み終えてから聞いてみた。
「う~ん、そろそろ止めないとまずいですね」
職員のお姉さんが止めに入ろうとしたところで向こうから「って、俺よりも小さい子が登録しようとしてるじゃないか! なんで俺はダメなんだよ!」
げっ!? こっちに飛び火してきた!?
そしてガタイのいいおじさんがさらに言い返そうとしたところで職員のお姉さんが「これ以上の騒ぎはギルド職員として見逃せませんよ」
そう言って割り込み、止にかかった。
さて、あの後職員さんが止めてくれたお陰で騒ぎは一時的に収まったんだけど……、なんだか後ろからすんごい見つめられてるんだよね。
私、なんにも関係ないんだけどな~……。
現在実技試験を行うため、冒険者ギルド内にある訓練部屋に来ています。
「これから実技試験を行う!」
そういって部屋の中央を陣取るのは先程のガタイのいいおじさん。
まさかの試験官である。
そして部屋の隅にも3人ほどの試験官らしき人がこちらを見ている。
「これより実技試験を開始します。試験はギルド職員3名と、指導員1名の判定、並びに面接結果を踏まえて総合評価で決まりますので、あまり気負いせず普段通りを心がけて挑んでください。
では、各自用意されている得意な種類の武器を持って待機。順番に呼ぶから、呼ばれた者から挑むように」
あたりを見れば、冒険者志望の受験者が10人と言った感じでしょうか?
それぞれが壁にかけてある木製の武器を手に取り準備を始める。
僕はどの武器にしようかな……。
ではまた次回
ちなみにトリスは現在ローブを羽織って、フードもつけているので顔はあまり見られていません、次回辺りで姿の描写ができるかと。