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判決、フゥの思い

 漸く決着です。今回はかなり難産でした。

 そしてちょっと風邪引いったぽいです。

 投降が遅れてしまい申し訳ない。


 そして久しぶりに長いですのでご注意ください。


 ※10月20日 後半部分を書き直しました。

 

 判決、フゥの思い




 お空からは降ってきた人は、笑いながらアイシャさんと近くにいたゴブリン達を一掃していく。

 そして聞こえてくるはその人とアイシャさんの笑い声と、ゴブリン達の悲鳴であった。


 ふと後ろを見れば、尻もちを付きながら唖然としたゴーくん達の姿が。

 後で聞いた話なんだけど、どうやらゴー君達は全員ジェネラルの雄叫びで身体が一時的に動けなくなっていたみたいです。

 僕の場合は気迫耐性のおかげか効かなかったみたいですけど。


 ちなみにクロくんのお父さんは尻尾をくるんっとまたで挟んでましたが、なんとか耐えてたみたいですね。


 そしてガルパパが空から降りてきた所で事件は一気に収束していくことになりました。

 ガルパパに巻きつかれるような形で固定されていた馬車から降りてきた騎士隊の人達が救援に来てくれたことにより一気に防衛体制が整い、森の中へ部隊率いて打って出ることまで可能になりました。


 ガルパパが竜化して物資や、騎士団を王都から直接空輸してくれるおかげで迅速な解決が出来たようです。


 援軍が到着したのでウィロウママもそこでお役御免と、さっさと撤収したそうです。

 なんでも余り騎士団とかには見られたくは無かったんだとか。

 ついでにゴーレムも回収したそうです。なんでも気に入ったとかで本体の近くに飾っておくとか。

 今度ウィロウママのゴーレムも作ってあげようかな……。


 話は戻しまして、あの降ってきた人はやっぱりベアパパのおじいさんだったそうです。

 顔はベアパパのおじいさんってことでごついですが、好々爺と言った雰囲気を出しています。

 ぱっと見、常にわらってるような感じで、笑顔がデフォの様です。

 チャームポイントはモミアゲと繋がっている手入れのされたお髭でしょうか。

 ぶっちゃけドワーフかとも思わせるお髭ですね。

 しかし、ベアパパって確か40を過ぎていたような気がするんだけど。

 そうやってあのお爺ちゃんの年齢考えると……どう少なく見積もっても7~80以上のご高齢のはずなんですけが……、めっちゃ若いです。

 それこそ父親とか兄弟でも通用しそうなぐらい。


 身体もベアパパに負けず劣らずの体格で、右手にバスタードソード、左手には両手でもつような槍、バルディッシュとかコルセスカの様な武器を持ってゴブリンを笑いながら屠ってました。


 それから数日はゴブリンキング討伐でクーゲル領は慌ただしい日々に。

 私もちょくちょくお手伝いに行くことに。


 まあ、できることといえば久しぶりのセバスさんとのポーション作成とかだったんですけどね。

 その時にはゴーくん達も一緒だったりしました。


 ええ、例のごとくメイちゃんには調合の後で狙われましたよ。

 セバスさんの目もあるので、調合中とか、お屋敷の中では襲われませんでしたが。

 でも、魔法陣作成を手伝ってもらったので大人しくモフられることにしました。

 けど、なぜかそれにクロくんとアンちゃんも加わってきたのが少し意外でした。


 後はまあ、作ったプア酵母菌をリーシャ姉におすそ分けして多少なりと食事を向上させたりと、ちょっとした協力をしたぐらいでしょうかね。


「これがパン!? それに小麦の量に対して出来るのがこの数とは……」


 その後にパンを一口かじったリーシャ姉は、少しの間、時を止めたように見えました。

 ちなみに酵母の使い方とどういったものかを説明した時に出処や作り方等は口止めしてあります。


 それからはキング討伐、残党狩りなども行われ、事件の始まりから役2週間。

 漸く事件は終結したのです……。けれど、これからもう一つの事件の決着を付けることになるのを僕は知らなかった。


 始まりはベアパパにチャットで呼び出されたことです。


 ベアール:フゥ、今からこっちに来れないか?


 フゥ:ベアパパ? どうしたの? こんな時間に?


 時刻を見ればちょうど夕方5時頃、出向くにはちょっと遅い時間です。 


 ベアール:ガルドさんには許可を取っているからフゥさえ良ければ来てくれないか?

 あの事件の関して沙汰が下された。

 前にも聞いたが……彼女の前に立って大丈夫か?


 ベアパパは心配してくれる。うん、この数日でなんどもこの事件に関して考えた。


 フゥ:……ううん、行くよ。









 そうして辿り着いたのは村の広場、村の人々やベアパパ達、そしてゴー君達とその家族、そしてベアパパとそのおじいさんであるベアード様。

 そしてアルトルードさんと奥さんのサリアさん、そしてその腕には娘さんが抱かれていた。

 ガルパパとヴェルグにいも離れた所から見ているようです。


「これより、今回の流行病における奴隷騒動の沙汰を申し渡す。なおこの辞令は王国の各都市、各村々すべてに同じ内容の辞令が届けられている事を先に宣言する」


 そう言ってベアード様が宣言し、ベアパパに書状を手渡す。

 そして、広場の中央に出るとゴー君達の両親達とアルトルードさん達が前に呼び出される。


 クーゲル領全ての領民が集まっていると思われるこの場でベアパパは重い口を開いた。


「今回のこの者達の罪状、違法奴隷商への家族の売却、これに関する国の決定を伝える。

 なお、今回の事態は異例の事態であり国法における例外となることを先に記す。」


 そしてそう言って読み上げた内容は。


「今回の事態は都市部を優先した国の落ち度でも有り、証言を集める限りでは脅されたものも多い。

 その為、自らの家族を売った(・・・・・・・・)その者の罪は(・・・・・・・・・)その売られた家族の判断を持って処する事とする。そうでなければ領主の判断を仰ぐものとする。なお、金銭を受け取っていた場合、その半分は国に収めることになるだろう」


 これはつまり、納得して売られたものや、家族関係が良好な所は無罪で済むだろうけど、いやいや売られたりした所は罪に問われるということなのだろうか?


 そしてゴー君達を見る限り許しているようで無罪と言う形になったようだ。

 けどこれ、家庭によってはギクシャクしそうだな……。


 後で聞いた話なんですけど、何でも今回の事件はあちこちで起こっており、それを全て裁いた場合確実に国力を落とすことにつながるとの事で今回の判断が下されたそうです。

 他にも、違法商人たちを裏でけしかけ、先導した者もいたそうなのでそこら辺にも何か事情があるのではないかと思われるみたいです。

 ちなみにクーゲル領と他の領を比べた場合、明らかに被害が少なかったというのは驚くべきことなのか喜ぶべきことなのか……。


 話は戻って、この内容だとつまり、アルトさんの奥さん、サリアさんの場合は別件という事になるのだろうか? どうなるんだろう?


「さて、残るはこの者、アルトルードの妻であるサリアの処遇についてだが……、少々複雑な所にある。

 よって、今回国から送られた判断を鑑みて、被害者であるフゥ本人の意見を聞き、その内容を鑑みてから私が沙汰を申し渡すこととする」


 ベアパパはそう言って僕に意見を求めてきた。


 ベアール:フゥ、この件に関してだけ言えば、許すも許さないもフゥの意思次第だ。

 そして、身内ごと故に厳しい処罰をしなければならないだろう。


 フゥ:ベアパパ……。



 そして、サリアさんが中央に来た時にサリアさんが「――領主様、その前に、発言をお許しいただけないでしょうか」と言ってきたのだ。

 ベアパパは僕にどうする? とチャットで聞いてきたので許可を出しました。


「分かった、許可しよう」


「ありがとうございます」


 そしてサリアさんがこちらを向くとそのまま膝をついて「娘のために貴方を売り、危険な目に合わせ、そして怖い目に合わせてごめんなさい。許して欲しいとは言いません。私は、裁かれて当然のことをしたのですから」


 そう言って頭を地に付けながら謝罪してきた。


「……謝罪は受け取ります」


「ありがとう……ございます。そして、アルトもごめんなさい……」


「サリア……」


「そして私の事はどうか忘れてください……。私のような罪人が妻という事が知れれば貴族として醜聞となり、アルトが家を継ぐ邪魔にしかなりません。ですからどうか私の事は……」


「何を言うんだサリア!? 俺はお前の事をいつまでだって待つつもりだぞ!」


 サリアさんはそう言ってアルトさんに自分の事を忘れ、クーゲル家に戻るように言ってますけどサリアさん、一つ間違ってますよ。

 けど、ここで口を挟もうとしたんですけど、ベアパパからチャットが飛んできた。


 ベアール:フゥ、一つ確認したい。フゥはサリアをどうしたい?


 フゥ:こんな空気の所申し訳ないけど、僕はサリアさんを条件付きで許しますよ。


 ベアール:そう……か、でもいいのか?


 フゥ:だってちゃんと謝罪してくれましたし。それに僕はこうして無事ですからね……。


 ベアール:本当にそれでいいのか?


 フゥ:うん、そりゃまあ確かに、眠らされて無理やり売られたんだからそれに対して何も思わないわけじゃないですよ。でもそれよりも僕は、――見たくないんだよ――。



 そう、僕は見たくないんだよ。

 家族が完全に離れ離れになる姿なんて。


 この場合の離れ離れはもう二度と会わない。家族としての繋がりを断つ事をさす。


 僕は元々捨て子、家族に捨てられた存在。

 だから自分の前でそれに近いことが起きたなら……、あまり自分の負担にならず、それでいて自分の手でなんとかなるならって思うんだよ。

 そりゃキレイ事だって言われるだろうけどさ……。

 いいじゃんか、キレイ事でもなんでも! 自分にとってそれが良いって思ったんなら。

 それに、誰かれ構わず助けるなんてするつもりは無いし。

 今回は助けたいって思ったから……。


 フゥ:ベアパパ、もし家族が離れ離れになってアルトさんの子供、本当に幸せになれると思う?


 ベアール:……それは、難しい質問だな。幸せになれるかもしれなければ、なれないかもしれない。

 正直答えのない質問だ……。周り次第では幸せになれるだろうが、どうだろうな?


 フゥ:母親って大事なんだよ、ウィロウママに出会ってそれがよくわかったんだ……。

 ベアパパはわかる?


 ベアール:……そうだな。よし、俺も決めた! フゥが彼女を許すなら俺はちょっとアルトに言わなきゃいけないことがあるんだが先にいいか?


 フゥ:いいよ。


 一体ベアパパは何をやるんだろう?


「サリア、俺はお前がいないなら……」

「――アルト、お前は領と彼女、どっちが大事だ? 言っておくが彼女を選ぶならお前が領を継ぐことは出来ないと言っておくぞ」


 そう言ってアルトさんの肩を掴んで真剣な眼差しで問いかける。


「そんな決まっているだろう! 確かに俺にとって故郷であるこの領は大事だが、それよりも大事なのはサリアと子供、家族の方が大事だ!」


「ア、アルト……何を言って!?」

 それを聞いてサリアさんが止めようとするがベアパパが得意の鬼迫でサリアさんを黙らせた。


「本当に、いいんだな?」


「ああ、その二択なら俺は迷わず家族を選ぶ! サリアの罪は夫である俺の罪でもある」


 アルトルードさんはそうはっきり宣言した。


「そうか……。」


 そしてベアパパがこちらに目配せをしてくる、なんだろう? 目の前でかなりとんでも宣言を聞いた気がしますが……今はスルーしましょう。


「サリアさん」


 そう言いながらサリアさんの肩を叩いてこっちを向かせる。

 ベアパパの鬼迫はもう使ってないから大丈夫なはず。


 そしてサリアさんがこちらを向いた所で手をとってから。


「サリアさん、僕は貴方を……条件付きで許します」


 そういった瞬間、周りから視線がものすごい集中した気がしますが、今は気にしないでいきましょう。

 サリアさんは僕の発言に驚いた様子で、またちょっと固まってしまった気もしますが話を進めましょう。


「サリアさんは子供を守りたかった、その為に僕を売って守ろうとした。そうですよね?」


「え、ええ、最初は自分の身を売って薬を手に入れようとしたのだけど断られて、どうしてなのか聞いても、答えてはくれなかったわ……」


 ゴー君達のお母様方にも頷いてらっしゃる人が。


「そして、偶然貴方を見つけて……、どんどん弱っていくあの子を見たら……なりふり構っている余裕がなくなって……」


 そして思い出してどんどん俯くサリアさんに僕はこう言ったのだ。


「そして僕を売ったわけですよね。そして言い換えればあの子の命は僕の命と引き換えに救われたわけですよね?」


 そう聞いたサリアさんの顔が一瞬で青ざめる、一体何を想像したんだろうか?

 多分思いつく限りで最悪の事を想像したりでもしたのかな?

 まあ、そんな危害を加えたりとか酷い事するつもりはないですけどね。


「ど、どうか……、あの子だけは……」


「落ち着いてください、僕が貴方を許す条件はいくつか有ります」


 そして、一度息を吸ってからサリアさんに告げた。


「一つ、貴方はこれからこの村、クーゲル領の為に働いてください」


 人差し指を立てながらそう言って、次に中指を立てながら次の条件を言った。


「二つ、僕が何か困ったことがあって、それがサリアさんの力の及ぶ範囲の事なら手伝ってください。

 あ、もちろんそれが無理なことだったり、やるつもりは当然無いですけど法に違反することなら断って頂いて構いません」


 そして三本目、薬指を立てながら「次が僕から出す最後の条件」

「3つ目、僕の命を対価に助かったあの子を幸せにすること! 僕の命を対価に助かったんですから不幸になってもらったら寝覚めが悪いです!」


「以上三つの条件を満たさないと僕は貴方を許しません。そして貴方もアルトさんも幸せにならないとダメです!

 これが僕がだせる条件です」


「……本当に、貴方はそれでいいの?」


 息を呑んで聞き返すサリアさん。


「僕が出す条件はね、後はベアール様の判断です。おそらく厳しい裁きが下されるかもしれません。

 それでも貴方は先程の条件を守ってもらわないといけません」


 けれど、自身の犯した罪を理解している分、僕に対してはそれで許されていいのだろうかと悩むサリアさんに


「……では、先の条件に一つ、右手を出してください」


 そう言われて手を差し出すサリアさん。

 そして僕はサリアさんの右手に爪を立てひっかきました。

 手には三本線の傷ができ、薄っすら血が滲んでいます。


「それは貴方の罪の証です。ですからずっと、覚えておいてください」









 そして僕の意見を聞いた後、暫くの間ベアパパは、ベアード様、そして法律にも精通していたセバスさんと協議したのだ。

 その間アルトさんはサリアさんのそばに居て、色々話していたようです。


 そして、ベアパパから判決が申し渡されました。




「――此度の一件、サリアへの判決を申し渡す。――」




 ベアパパが声を上げて宣言すると一気に視線が集まる。


「サリア、並びにその夫であるアルトルードに告げる」


 え? アルトさんにも?


「被害者の意見を考慮して、サリアには領内の開拓刑に処す事とする! この決定に意を唱えるものはおるか?」


 ベアパパは村人全てに聞こえるように大声で述べた。

 そして周囲からの声がないのを確認してから「罪人サリアよ、この決定に異議申し立てはあるか?」


 そしてサリアさんは跪きながら「ありません」


「ならば先の夫の発言の通り、この罪は夫であるアルトルード共に二人で受けてもらうこととする。

 並びにアルトルードよ、今後はクーゲル家の家名は名乗れぬものと思え。

 アルトルードよ、この決定に異はあるか?」


 サリアさんの隣にいたアルトさんも跪いてから「ありません、妻と共に償いたく存じます」


 こうして二人は裁きを受け入れたのだった。

 開拓刑とはこの場合、定められた広さの森を切り開き、開墾し、決められた量の食料を収穫して村に収めるまでが一つの刑となります。

 当然、場所は外敵を防ぐ柵の外となりますので自分たちでそれを防ぐ柵も作らなければなりません。

 元冒険者とはいえ、過酷な刑となるでしょう。

 そして僕が出した条件の通り、サリアさんは刑を終えた後も村のために働く事になります。


 こうしてクーゲル領、ひいてはシールダーを騒がした事件にひとまずの決着が突きました。


 とは言え、裏で先導していた者達のことなどはありますがそれは国が対処すべきこと。

 これが後にシールダーと、とある国の戦に発展するのですが、それはベアパパやベアード様達、言ってしまえば国や貴族、軍人さんのお仕事です。



 まあそんな未来のことは置いといて、問題はこの後でした。




 裁判も終わり、これから皆ばらけようとしていた時でした。


「しかしこれで、アルトに領主を継がせるわけにはいかなくなったのう」


「アイリスになんて言えばいいか……。まあ、あそこで領って言ってたらアイリスが怒ってそうだがな」


「すまない親父、だが俺は……」


「全部言わなくてもわかっている。まあ、後50年は俺も頑張れるだろう。その間に何とかするさ」


「そういえばアイシャの娘と漸くくっついたそうじゃのう……まあがんばれ! それにしてもこの子が儂の曾曾孫か~、やっぱり女の子はかわいいの~」


 娘をベアード様に抱っこされて、なおかつ孫と言われてどうしたらいいのか戸惑うサリアさんをアルトさんが抱き寄せ、支えながらベアパパ達と家族として話している。

 家名が名乗れなくなっただけで、家族で無くなったわけではないのです。

 まあ罪を償い終えるまでは頻繁に会うことは出来ないでしょうし、直接的な援助をすることも出来ません。

 ですが償い終えればこうして偶に孫の顔を見せに行くことも出来るでしょう。


 ベアード様はアルトさんの子供に髭を弄ばれてる。

 ベアパパと違ってベアード様は子供に怖がられてないみたいです。

 僕の選択次第ではこんな光景も見れなかったのかな?


 そんな事を考えているとそこにベアード様が。


「しかしそうなると何年先になるかのう……男児に恵まれる保証もないわけじゃし」


 なにか妙な空気が……。


「まあなんとかなるんじゃないか? 50年もあれば……」


「しかし50年無事という保証も無いしのう……、そうじゃ! ガルドに預けといてなんだが、さっきのあの子、フゥと言ったか? 気に入った! どうじゃ? アルトの代わりに次の領主を……っていない!?」


 ベアード様がこちらを見た時には僕はそこにいませんでした。


「フゥ、逃げるぞ!」


 妙な空気が漂ってきたからなのか、それとも長年の付き合いからくる感によるものなのかはわかりませんが、ガルパパが飛んできて、僕を抱きしめながら遠くの空へと飛び立つ。

 横にはヴェルグ兄様も飛んでいて、下を見ればクーゲル領が小さく見えてきます。

 そして横を見れば沈み始めた夕日と雲から上の夕闇が映し出す絶景がそこにありました


「やっぱりあいつは碌な事考えないな。フゥはもう家の子だ」


 それから暫く、きれいな景色を見ながら一度遠くへ逃げることになりました。


 けれど後方から執拗にベアード様の声がなんどか聞こえてきたのは余談でしょうか。


「お~い! 待ってくれ~! 一度その子と話をさせてくれ~!」


 しばらくクーゲル領には戻れないかも? まあ数日の辛抱でしょうかね?

 お願いだからそうだと言ってください!




 という訳で、次回に続く!

 


 という訳で、サリアさんは領の中で森を開拓することになりました。

 アルトさんの継承権を破棄してベアパパがもう数十年頑張ることに。

 でも、継承権が破棄されたとしても家族であることに変わりはありません。

 ちなみに刑が始まる前に、生活するのに必要最低限な物は用意されたりします。

 そして刑が始まっても監視や視察という名目で会うことも出来るでしょう。


 フゥの出した決断ですが、実際はある意味で残酷かもしれませんよ?

 だって、何を持って幸せとするかなんて曖昧なものなんですから。

 しばらくサリアさんは苦悩することになるかもしれません。



 ちなみに後日簡単なキャラ設定を投下予定ですが、しばらく充電期間という名の編集作業を初めます。

 一章の部分などを一部変更したり、書き足したりすると思われます。

 そして前に書いた短編を加筆して投降する予定もあるのでそちらも仕上げることになるので本編更新はしばらくお待ちください。


 ですが更新が不定期ながら3章に入る前に小話的なものをちょこちょこ書くかもしれません。

 今後もよろしくお願い致します。


 ちょっと頭が熱いのでこの辺で失礼します。



 没ネタ 「いいですかサリアさん、幸福は義務です! 貴方は彼女を幸せにできなかったらZAPZAPZAP! ですからね、この錬金銃で!」


 一瞬だけ頭よぎったけどないな~とすぐに没になりました。

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