メイド長と執事さんってどこか一線を超えた強さ持ってるよね
夏です!真っ盛りです!熱いです・・・クーラーがぽぴぃ・・・
メイド長と執事さんってどこか一線を超えた強さ持ってるよね
「「はっ?養子兼跡継ぎ予定として育てる!?」」
現在執務室と思われる場所で騎士様ことベアール男爵さまとメイド長ことリーシャさん、それに執事のセバスさん。
そしてなぜこうなったかと言うと時間が少し遡る。
最初にベアール男爵さま、縮めてベア様に運ばれここに連れ込まれて机の上に置かれ、その頃にはセバスさんが部屋に入室して鎧の脱着を手伝っていた。
(全身甲冑って確か一人だと着るのも脱ぐのも難しいんだっけ)
そして脱いでる姿が何とか見えたが・・・すごかった。
まず筋肉だ、それも伊達の筋肉ではない引き締まった筋肉、それが服の外側からでもわかるぐらい。
そしてシャツを脱ぎ捨てるとすっごい汗だった。
(そら熱いよね、この熱さの中全身甲冑って一種の拷問だよ、中は熱々のサウナで蒸し焼きのような状態だよね)
けど本人は慣れているのか涼しい顔している。
顔についてだが美男子という感じではない、確かに整って入るのだがむしろ野性的な強さをもった顔だ。
好みに別れるだろうが、人によってはこの人が守ってくれるならば安心できる。
そんな強さを感じさせる、決定的なのが頬の傷だろうかそれがさらに強面度を上げている。
一言で言ってしまえば逞しい!この一言だろう。
そしてそうこうしている間に鎧も脱ぎ終わり、服も着替え終わるとベア様の手により籠から出されるとそのまま抱っこされた。
抱っこした瞬間、一瞬ベア様の顔に違和感を感じたがそこで扉がノックされた後静かに開かれ、メイド長のリーシャさんが入ってくる。
そしてベア様が僕を抱っこしながら二人の方見つめてこう提案した。
「この子を家の養子兼跡継ぎ予定として育てようと思うんだ!」
そう、満面の笑みで言ったのだ。
そうして先程の冒頭に戻るわけである。
個人的にはすごくありがたい話なわけである、貴族の家に拾われたなら衣食住はもちろんのこと安全が保証されたようなもの。
けど、そんな話は置いといてメイド長と執事のセバスさんは目を丸くしてビックリしていた。
けれどもセバスさんはすぐに反論した。
「失礼ながら旦那様、養子はまあまだ納得しましょう、ですが跡継ぎ予定というのはいささか…」
それにリーシャさんも続いて「そ、そうでございます、それに跡継ぎならご長男が」っと、セバスさんに援護射撃を入れた。
(あ、長男いるんだ、それなのに跡継ぎ予定って……嫌な予感が…)
するとベア様が二人に言い返した。
「しかたがないだろう。あのバカが3年前に勝手に出て行って連絡の一つもよこさない、だがそうなると次を用意しないといけないがそうそう簡単に男子に恵まれるわけもない、それに家の様な開拓領地に嫁ごうなんて物好きはそうそういないだろうしな」
(あー、長男が出て行ってるのか……フラグ建築されてるのはなぜだろう、それも滅多なことでは折れなさそうなどデカイフラグが一本)
「なので俺はこの子を跡継ぎ予定として育てようと思う、それに俺はアイリス以外の嫁を取るきはリーシャを除いて無いぞ!」
ベア様は、リーシャさんを見つめながら言い放つ。
(ベア様とリーシャさんってそう言う関係なの!?)
けれどもリーシャさんは少し苦しそうにしながら「旦那様、そのようなお戯れはおよしください、私は旦那様の…メイドでございます…」そう答えたのだ。
「分かりました、ではその子が7歳になるまでに継ぐに足る資質を備えていたならば私も納得しましょう!」
セバスさんがそう言うとベア様は申し訳無さそうに「ありがとう、そしていつもすまないな、いつも私のわがままに付きあわせて」感謝と謝罪の言葉を口にしていた。
「いいえ、旦那様と共に生き、そして時に諌め、止めるべき時に我が生命を持って止める、私めが先代様より、そして亡き奥様から仰せつかった役割であり、私の生きがいでございます」
セバスさんは笑顔で答える、まさに理想の主従といえる関係なのではないだろうか。
「しかし、資質が見受けられなければその時は……」
その時、糸目のはずのセバスさんの瞳がギラリと光ったかと思うと暑かったはずの気温が一瞬だけ氷点下にまで下がってしまったのかと錯覚してしまった。
(資質がなかったらどうなるんだろう…)
「と、とにかくこの子を育てるのは決定だな、そしてこの子を抱いて気づいたのだが」
そう言いながら僕を包んでいた布がサラサラと解かれるとなにやら机の上に丸い黄金色の硬貨の様なものが落下していった。
「こ、これは・・・」
「金貨でございますか!?それもこんなに!?」
「ああ、抱き上げた時に明らかに重いから何かあると思っていたが・・・これほどとは」
そこには20枚ぐらいの金貨が…って、僕裸にされてる!?
とっさの事だったけど尻尾で隠したからセーフだよね?
それに気づいたセバスさんが「旦那様、いくら赤子とはいえいきなり裸に剥くのはいかがなものかと」
そう言って咳払いしながらベア様から僕と布を奪い取ると鮮やかな手際を超えて一瞬の内に僕を布で綺麗に包み込んだ。
「ともかく話は以上だ。リーシャはその子を洗った後ご飯を手配してやってほしい。
かなりお腹を空かせてるはずだからな。その間に俺とセバスは此処に残ってこの金貨で領のために何を買うか検討する。
だがこの金はこの子への借金だな。この子が成長したらちゃんと返済する。セバス、借用書の用意をしておいてくれ」
「畏まりました」
セバスさんが羊皮紙を用意していると、この体はその前のご飯と聞いて腹の底からぐぎゅるるるるるっと、大きな音を鳴らして空腹を訴えていた。
あれから1時間ぐらいだろうか。お風呂で洗われ、離乳食を食べさせられた後に、用意された赤ちゃん用のベッドに寝かされていた。
獣人だからなのだろうか布のパンツ一丁である。
毛皮があるから恥ずかしくないもん……ぐすん。
人間形態だったらお婿にいけないところだったよ……。
あの後、リーシャさんに程よい温度のお湯がはられた桶の中に入れられ、入念に洗われたのだ。石鹸はないけどある種のもみ洗いで。
全身くまなく洗われて尻尾や耳の辺りはかなり危ない気がした。
思わず「くっ、キュ~ン…」っと切なげな声を出してしまうほど。
ただ、洗っている時のリーシャさんの顔はすごく微笑ましいぐらいに笑顔でした。
洗い終わった後に本能なのか体を震わせて水気を飛ばそうとしたら、その前にリーシャさんの殺気と間違えてしまいそうな強烈な威圧に身体が硬直してしまったのである。
メイド長しかり執事さんとはこうまで強くならねばならないものなのだろうか……あ、その後タオルで入念に拭き取られた時にまた何度か声を出してしまったのは余談である。
その後は離乳食を食べさせてもらいお腹を満たしたところで一気に眠気が来たのかうとうとしたところでお部屋に運ばれて今に至る。
うん、それではみなさんおやす・・み・・・な・・・さい・・zzz
こうして異世界生活一日目が終わるのであった。
500PV突破ありがとうございます!これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします!