ヴェルグ兄様からのお題
なんとか昨日投稿しようと頑張ったのですが結果はこの時間。
シルバーウィークとのことなので親戚の来客や大掃除で時間取られたのが痛かったです……。
なんとかシルバーウィーク中に連続更新をしてみたいです。
昨日の更新を待ってた方々、申し訳ありません。
ヴェルグ兄様からのお題
「さて、一体何を作るべきか、まあ手っ取り早く本人に聞くのが一番かな? 美味しいものって言ってもそれぞれ好みってものもあるんだし」
現在ヴェルグ兄様を探して家の中を歩いてますが、多分ウィロウママとリバーシでバトってるんじゃないかなと思ったのですが……。
「いや、こっちには来ておらんのう」
とのことでした。という訳でウィロウママと一局打ってから別の場所を探すことに、勝敗?ウィロウママがめさんこ強くなってギリギリで負けました。ちょっと悔しいですね……かと言ってスキル使ってやるのは無粋な気もしますし……。
まあそんな事は置いといて、ヴェルグ兄様探して散策していると何やら素振りするような音が……。
屋敷の裏側に回ってみるとそこには普段の気さくな顔では無く、真剣な顔で剣の稽古をしているヴェルグ兄様の姿がありました。
汗で羽を湿らせ、足元には汗で湿り、嘴の先から汗がしたり落ちる。でもその動きは淀みなく、流れる川のように体はスムーズに動く。
「…………」
その光景を見て息をするのを忘れてしまいそうになりました。
正直今まで抱いていたヴェルグ兄様のイメージが一部吹っ飛んでしまいましたね。
それから三十分ぐらいだろうか、ヴェルグ兄様の鍛錬風景を見ていたのは。
素振りを終えて漸くこちらに気づいたのか、こっちを向いて。
「なんだ……見てたのか、声ぐらい掛けてくれればいいのによ」
っと、ポリポリと頬を掻きながら照れくさそうに言った。
「真剣に素振りしてるヴェルグ兄様の姿見たらなんか……そのまま見ちゃってた」
そして亜空間倉庫からタオルとコップを取り出してヴェルグ兄様に駆け寄った。
「はい、これで汗拭いて、お水はいる?」
「おおすまねぇな、水ももらえるなら頼む」
タオルを受け取って汗を拭いてる間に水魔法で飲水を用意して、一息つく。
「ふぅ、生き返るぜ! ありがとな!」
「どういたしまして」
「で、何か用があったのか?」
「うん、ちょっと聞きたいことがあって」
「ん? 一体どうしたんだ?」
「あの、ヴェルグ兄様って何かこんなのが食べたいってものある?」
ヴェルグ兄様の腕を抱きしめるようにして聞いてみる。
「なんだ突然?」
「その……、お礼したくて……」
「お礼って……なんのだよ?」
「その石窯の素材取りに危険なところに行ったんでしょ……だからそのお礼を……」
ヴェルグ兄様達が決めたこととはいえ、元を正せば僕がお願いしたことが切っ掛けで危険な目にあったのだから何かしらのお礼がしたい……。
「お礼って言われてもな、あれは俺達が好きでやったことだし、怪我だって俺がドジッたのが原因なわけで……」
暫く考えた後にヴェルグ兄様はこう言った。
「なら、この後もう一汗流したて風呂はいるから、なんか冷たくて美味しいの頼む、でも無理に作らないでいいからな」
「冷たくて美味いものね……うん、材料確認してくる!」
ヴェルグ兄様の要望を聞いてダッと食料庫にかけだしていました。
「あ~、もう一個言いたいことがあったんだが……まあ、後でいいか、何が出るか楽しみにしながら鍛錬に打ち込むとするか……」
さて、やってきたのは食料庫、昨夜お父さん達が買ってきた食材を鑑定しながら物色、香辛料も種類がたくさんありますね、量に関しては流石にたくさんあるわけじゃないみたいですけど。
黒胡椒に白胡椒、レッドペッパーにクミン、ターメリックやコリアンダー、サフランやニンニク、カルダモンやレモングラス、シナモンにオールスパイスっぽいものとがありました。
他にも鶏の卵に、牛のミルクやレモンに似た果物、他にもバナナの様な物もありました。
正直これだけあれば大概のものは出来てしまいそうなんですが他にも気になるものを見つけました。
鑑定している途中で見つけたのですが、正直これは……。
【リクーム牛の生乳】
【通常の牛の生乳よりも多くの乳脂肪分を含んだリクーム牛の生乳。】
ふぁ!? っと叫びたくなりました、もしかしたらだけどこれってほぼ生クリームな牛乳ってことでしょうか? それとも生クリームそのものが搾れるような……、もしこれが生クリームそのものだったら……、いやそれでなくても乳脂肪分を多く含んだミルクなら楽にバター作成することもできるのでは?
まあ、そんなこんなで見つけた食材から、今回必要になりそうなものをもっていざキッチンへ。
「トリスか、石窯の設置なら終わったぞ……、手に持っているそれで今度は何を作るんだ?」
「う~ん、それは出来てからのお楽しみかな? でも石窯も出来たなら試運転でパンも焼いてみる? 生地はできてるから後は焼くだけだし」
「そうだな、試運転してみるか……、ちゃんと動くか見なきゃならんし」
「後、またガルドパパに手伝ってほしいことがあるし……」
「……仕方ないな」
ちょっと申し訳無さそうに言うと、笑ってガルドパパは
「俺の方も何を作ってもらうか考えておかないとな……」
っと、ニヤニヤしながら言ってきました。材料があればいいけど……。
では調理に行きましょうか、用意したのはリクーム牛のミルクに、鶏の卵、砂糖、基本的にはこの3つですね。後は片手鍋に木べら、泡だて器があればよかったんですがまだそれは作ってないので今回は魔法で代用する予定です。いざとなれば……ハシを束ねてなんとか代用できないか試してみましょう。
まずは砂糖を投入したミルクを軽く火にかけ木べらで混ぜながら水分を飛ばしましょう、けどこのミルクは乳脂肪分が多いので普通のミルクよりは短めでいいと判断して、だいたい4分の1ほど飛んだら一旦火から放して、今度は卵をボールに入れてよくかき混ぜます。
その後に少しずつ先程の加熱したミルクを入れて混ぜあわせていきます。
その際に水魔法で水流を操作の魔法を使ってよくかき混ぜます。
そしてよく混ぜあわせたそれを、漉し布で一度通しながら片手鍋に移していきます。
そして今回もこの方、ガルドパパに急速冷凍をお願いします。
そしてガルドパパに鍋の中身を冷やしてももらいながらこっちはフォークを取り出して中身を混ぜていきます。
流石に固まり始めたら魔法でかき回すのは難しいとのことです。
そして混ぜながら作ったので割とあっという間に完成しました!
はい、アイスクリームです!
これをお風呂あがりに食べてもらうとしましょう。
ヴェルグ兄様がどんな反応するか楽しみですね。もちろん皆の分も作りましたがはてさてどうなるかな。
ちなみにガルドパパはアイスが固まり始めた辺りから何やら興味深そうに見つめていましたが、頭のなかで色々仕組みを考えている様子でした。
ではまた次回
ちなみにリクーム牛、以外に好戦的で一部では討伐依頼が出されることも有るとか……。肉質は以外にも柔らかく美味とのこと。




